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内閣総理大臣の異議 23年度問題17 行政書士試験

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(解説・・・23年度問題17)
 
 
執行停止についての内閣総理大臣の異議についての問題です。
 
条文そのままの問題なので容易に正解したい問題の一つです。
 
1 誤
 
第27条
1 第25条第2項の申立てがあつた場合には、内閣総理大臣は、裁判所に対し、異議を述べることができる。執行停止の決定があつた後においても、同様とする。
 
27条1項の通り、執行停止前でも執行停止の申し立てがあった場合は、内閣総理大臣は異議を述べることができます。
 
 
2 誤
 
執行停止の決定後の異議は、決定をした裁判所に対して述べなければならないのです(27条5項)。
 
必ずしも最高裁判所に対して述べるわけではありません。
 
 
3 正
 
内閣総理大臣の異議があったときは、裁判所は、執行停止をすることができず、また、すでに執行停止の決定をしているときは、これを取り消さなければならないとされています(27条4項)。
 
ですから、この理由の当否について裁判所に審査権限はなく、裁判所は、必ず決定を取り消さなければならないのです。
 
 
4 誤
 
内閣総理大臣は、やむをえない場合でなければ、異議を述べてはならず、また、異議を述べたときは、次の常会において国会にこれを報告しなければならないとされています(27条6項)。
 
このように内閣総理大臣の異議は裁判所の判断を覆すものなので慎重になされなければならないのです。
 
異議は、内閣総理大臣の専権事項なので、国会への報告をすればよく、国会の承認までは不要です。
 
 
5 誤
 
執行停止の決定は裁判所が行い、それに対する異議は内閣総理大臣が行いますから、裁判所 VS 内閣総理大臣 という三権分立の抑制と均衡のバランスが関係してくるのです。
 
それゆえ、この異議の制度は、国民の自由・権利を守る最後の砦である裁判所の独立(司法権の独立)に反するのではないかという問題があるのです。
 
これまでデモなどの集団示威行進に関する執行停止決定に対する異議が少数ほどありますが、ほとんど利用されていません。
 
ですから、肢5の前半部分は正しいです。
 
しかし、後半部分が誤りです。
 
執行停止は、処分の執行という作為を止めさせるものであります。
 
つまり、これは、処分後の事後的な仮差止訴訟と同じなのです。
 
ですから、仮差止・仮義務付け訴訟と執行停止の関係は事前と事後の関係なのです。
 
次に、仮差止訴訟は、処分という作為を止めるものであります。
 
仮義務付け訴訟は、不処分という不作為に対して作為義務を負わせ実行させるものであります。
 
ですから、仮差止訴訟と仮義務付け訴訟との関係は作為と不作為の関係なのです。
 
このように、仮差止訴訟・執行停止が事前・事後に処分という作為を止めさせるものであり、仮義務付けは事前に不処分という不作為を止めさせるものであります。
 
ですから、仮義務付け・仮差止訴訟および執行停止の関係は、「止めさせる」という点で共通するので、同様の機能を有します。
 
この同様の機能から、執行停止に対して、内閣総理大臣の異議ができるように、仮差止・仮義務付けに対しても、内閣総理大臣の異議ができ、準用されているのです(37条の5第4項)。
 
以上より、解答は 3 となります。
 
今回はこのあたりで終わります。
 
 
 
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テーマ:行政書士と法律資格 - ジャンル:学校・教育

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