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行政不服審査法 平成23年度問題14 行政書士試験

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 (解説・・・H23-14 )
 
 
(肢1)(肢2) 両方とも誤
 
肢1および肢2は、行政不服審査制度を利用するための主体的要件の問題です。
 
当事者が不服申立てをするためには、主体的要件として当事者能力および当事者適格が必要です。
 
当事者能力とは、自己の名において不服申立てをすることのできる一般的資格をいいます。
 
具体的に、この当事者能力を有するのは、民法等の実体法上の権利能力を有する自然人や法人などです。
 
当事者適格とは、当事者能力があることを前提に、特定の争訟において当事者として承認される具体的な地位ないし資格をいいます。
 
行政事件訴訟法9条のような規定はないですが、解釈上行政不服審査法においても、当事者適格が必要であると考えられています。
 
違法・不当な処分を取消すことによって、侵害された自己の権利利益の回復が得られる者、つまり不服申立ての利益を有する者だけが異議申立てや審査請求をすることができるのです。
 
このような利益を法律上の利益といい、法律上の利益を有する者でなければ不服申立てをすることができないのです。
 
例えば、不利益処分を受けた者は、原則として当事者適格を有します。
 
ですから、当事者能力および当事者適格があれば、外国人でも不服申し立てすることができますが、誰でもできるわけではないのです。
 
 
(肢3) 誤
 
法定資格とは、文字通り、法律で規定されている資格のことをいいます。民法で言うところの法定代理と同様です。
 
別の言い方をしますと、民法では、未成年者の法定代理人は、親権者や後見人でなければならないと規定されていますが(818条、838条)、これと同じように行政不服審査法に代理人の資格を有するためには、どのような者でなければならないかが規定されているでしょうか。
 
行政不服審査法における代理人に関する規定は主に以下の12条と13条です。
 
(代理人による不服申立て)
第12条 
1 不服申立ては、代理人によつてすることができる。
2 代理人は、各自、不服申立人のために、当該不服申立てに関する一切の行為をすることができる。ただし、不服申立ての取下げは、特別の委任を受けた場合に限り、することができる。
 
(代表者の資格の証明等)
第13条
1 代表者若しくは管理人、総代又は代理人の資格は、書面で証明しなければならない。前条第2項ただし書に規定する特別の委任についても、同様とする。
2 代表者若しくは管理人、総代又は代理人がその資格を失つたときは、不服申立人は、書面でその旨を審査庁(異議申立てにあつては処分庁又は不作為庁、再審査請求にあつては再審査庁)に届け出なければならない。
 
13条1項で「代理人の資格は、書面で証明しなければならない。」とはありますが、例えば代理人は弁護士でなければならない等の規定は何らなされていませんね。
 
ですから、本人がよければ誰でも代理人に選任することができます。
 
通常は弁護士等の法律の専門家に任せますが、規定上は誰でもよいということです。
 
民法で言うところの任意代理と同じです。
 
ただ、代理人を選任したのであれば、その資格を書面で証明してくださいということです。
 
例えば、AがBを代理人に選任した場合、AがBを代理人に選任したという委任状を資格証明書として提出してくださいという意味です。
 
この肢の出題意図は、行政不服審査法の代理人の資格は、法定代理かそれとも任意代理かという単純なことです。
 
行政不服審査法の代理人の資格は、任意代理なので、「法定の資格が必要とされているので」の部分が誤りということになります。
 
(肢4) 正
 
行政不服審査法は、簡易迅速な紛争解決手続きです。
 
それゆえ、実体審理手続においても書面主義が原則です。
 
確かに、書面審理主義は、資料が確実で簡易迅速にできるという利点もありますが、その一方で印象が間接的で、また当事者の真意を汲みにくいという欠点もあります。
 
このような書面審理主義の欠点を補うために、審査庁は、必要があると認めるときは、審査請求人又は参加人の申立てにより、申立人に口頭で意見を述べる機会を与えることができるのです。
 
イメージで言うと、手紙やメールだけでは相手の真意が伝わらないことも、実際に会って話すと伝わる場合もあるのと同じような感じです。
 
このような口頭意見陳述によって、印象が直接的となり、当事者の真意が把握しやすくなるのです。
 
そして、審査庁における口頭意見陳述の場合には、審査請求人又は参加人は、審査庁の許可を得て、補佐人とともに出頭することができます。行政手続法の聴聞手続の場合と同様です(行手法20条3項)。
 
 
(肢5) 誤
 
不服申立てをすることができるのが、処分された当事者であるのは当然です。
 
当事者のみならず処分の取消や維持によって、直接自己の権利利益に実質的な不利益を蒙る者も不服申立てすることが目的に資するのです。
 
ですから、このような不利益を蒙る者も利害関係人として審査請求に参加することができるのです。
 
ただし、利害関係人というのはどこまでも拡大していく可能性がありますから、本当に利害関係人かどうか確認する必要があります。
 
そのため、審査請求に参加する場合は、原則として審査庁の許可を得る必要があるのです。
 
したがって、不服申立てを審査する行政庁は、申請した利害関係人に、参加人として不服申立てに参加することを許可する権限を有するのです。
 
このように利害関係人とは不利益処分を受けた側の者であって、これとは関係のない関係行政庁の参加は認められていないのです。
 
以上より、正解は、4 となります。
 
今回はこの辺りで終わります。
 
 
 
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テーマ:行政書士と法律資格 - ジャンル:学校・教育

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