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なぜ あなたは 行政書士試験に 合格できないのか?

どの法律系資格であっても、その確実なGETに必要なのは徹底的な過去問分析と方法論なのです。

H21-3 未知の問題への対処法 その2 行政書士試験

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(解説)    解答 2




  前回の続きです。憲法の目的=人権保障という方向性から考えてみましょう
 
 
 (肢1)
 
「権利の保障が確保されず、権力の分立がなされていない社会は、憲法をもっているとはいえない」ということは、逆に言うと、憲法があれば、権利が保障され、人権保障の手段である権力分立があるということです。
 
人権保障と三権分立はまさに日本国憲法の目的と手段ですから、日本国憲法に結びつく肢ですね。
 
(肢2)
 
「固有の意味での憲法」というのがよくわかりませんし、この肢の内容からは明確に人権保障と結びつく肢かどうかわかりません。
 
方向性が不明なのでとりあえず保留しておきましょう。
 
(肢3)
 
「日本の憲法の歴史」には、当然日本国憲法が含まれるわけです。問題文における時間軸を並べなおすと、「西洋諸国に対する「開国」→大日本帝国憲法の制定→日本の憲法の歴史」となり、「叙述されなくてはならない」と強調されています。
 
この叙述とは、まさに日本国憲法97条に通じるものです。
 
「第97条 
この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。」
 
日本国憲法の歴史は、その目的とする人権保障の歴史でもあり、欧米での多年にわたる自由獲得の歴史が97条に叙述されて受け継がれているのです。
 
これも、どちらかというと日本国憲法=人権保障と結びつく肢ですね。
 
この時点で、方向性が同じである1と3が正解肢ではないということが推測されます。
 
(肢4)
 
 この肢は一般知識ないし憲法の歴史について少し知らないと難しいと感じるかもしれません。
 
しかし一つ一つ文章を分析していくと人権保障と結ぶつくものであるかどうかの方向性がみえてくると思います。
 
「近代立憲主義が定着したフランス第三共和制において」
 
「フランス第三共和制」が何たるかはわからないとしても近代「立憲」主義が定着しており、「その体制の基本を定める法律を「憲法的」と形容して、憲法的法律と呼んでいた。」わけですね。
 
これは法律から憲法へと社会が変化していることを示唆するものです。
 
ですから、その当時のフランスでは憲法の基礎ができあがってきつつあったということです。
 
最新の憲法である日本国憲法というのは、目的が人権保障なので、この目的に向かって諸外国の法律も歴史的に進化していったのだろうということが推測できます。
 
 ということは少なくとも人権保障とは反対の方向の時代についての記述ではないですね。
 
(肢5) 
 
絶対君主制とは「区別」された意味での立憲君主制が、19世紀ヨーロッパの憲法体制では「広く普及」し、明治時代の日本もこれにならった。
 
19世紀ヨーロッパでは人の支配である絶対君主制を卒業しつつあり、憲法に従って統治する立憲君主制が広く普及」して明治時代の日本もこれにならったということですから、日本国憲法への基礎ができつつあるということの示唆になるでしょう。
 
肢の方向が現在の日本国憲法に至る過程についての記述といえます。ですから、これもどちらかというと人権保障と結びつく肢ですね。
 
これで1と3と5は消去できると思います。
 
後は、肢2と4でどちらがより人権保障を意味するものに近いかどうかを判断すると、4ということになり、消去法で2が正解肢となるわけです。
 
解説の便宜上かなり詳細に説明しておりますが、皆さんが解く際には、もっと直感的にどっちの方向かで肢を切っていただいてもかまいません。
 
このようにうまく消去することができなくても、少なくとも1と3の二つの肢は正解肢ではないということは推測できるのではないでしょうか。そうすると、正答率33%になります。
 憲法の目的=人権保障をヒントに方向性を考えるだけで捨て問にするよりもずっと正解する確率が高まるわけです。
 
なお、固有の意味の憲法と日本国憲法が結びつかないのかと言うとそうではありません。
 
固有の意味の憲法は、いかなる時代のいかなる国家であっても必ず存在し、どのような政治体制とも結びつくものです。
 
 ですから、日本国憲法とも結びつきます。
 
しかし、固有の意味の憲法は人権保障が規定されていない憲法とも結びつきます。
 
これに対して、立憲的意味の憲法は自由主義と結びついた憲法です。
 
つまり、人権保障とその手段である三権分立と結びつくものです。ですから、日本国憲法はこの立憲的意味の憲法により近いのです。
 
 
立憲的意味の憲法=自由主義=人権保障=日本国憲法というつながりになります。
 
結果的に、「実質的意味の憲法」の理解の仕方の分類に従うと日本国憲法はAとBなどのどこかに必ず分類されるはずだという推測をしましたが、その通りでしたね。
 
実質的意味の憲法は固有の意味の憲法と立憲的意味の憲法に分類され、日本国憲法は立憲的意味の憲法により強く結びつくのです。
 
肢に置き換えると以下のようになります。
 
1 立憲的意味の憲法=日本国憲法
2 固有の意味の憲法
3 立憲的意味の憲法=日本国憲法
4 立憲的意味の憲法=日本国憲法
5 立憲的意味の憲法=日本国憲法
 
ですから、日本国憲法と同じ方向性をもった肢であるかどうかを検証することによって、消去法で解答できるのです。
 
これは結果からみているからそうなるのではなくて、そういう問題にしないと憲法の問題にならないのである意味では当たり前なのです。
 
ここまでは解法テクニックですので一応こういう解き方もあるんだなということを押さえてください。
 
ここからもっと重要なお話をしていきましょう。
 
<少ない確実な知識を有効活用しよう!>
 
このような解法について、そんなことをせずに憲法の分類を覚えればいいじゃないかと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
 
新しい知識について貪欲になることは重要なことではあります。
 
しかし、もっと重要なことは今ある知識を最大限に利用することです。
 
一般的にも新しい物を買ったり、新しい情報を得るというのは楽しいですし、何か得した気持ちになります。
 
それは試験に関する知識にとっても同じことでしょう。過去問はもう飽きたから別な新規な問題集に挑戦したくなるのも経験的によくわかります。
 
もし人がコンピューターのように情報を正確に大量に保存でき、利用できるならば、どんどん覚えてくださいと叱咤激励すると思います。
 
しかし、残念ながら人の脳は忘れます。一つ覚えれば二つ忘れていきます。
 
どんどん新しい知識が増えると、逆にどんどん基本的な知識が頭から抜け落ちてきますので、絶対に知っていなければならない基本的知識とその他の知識との区別が自分でできなくなってきます。頭に入っている知識が全部重要なものに思えてきてしまうからです。
 
しかも行政書士試験の出題範囲は、憲法、民法、行政法関係、商法、地方自治法など、まともに勉強したら他の難関国家試験といわれている試験よりもずっと範囲が広いです。
 
その上、一般知識等問題という範囲を捉えにくい出題がなされます。
 
また、科目ごとにどこまで勉強すればいいのか、その勉強すべき深さの程度がわかりにくい試験です。
 
そのため合格基準点をとれば誰でも合格可能な絶対評価の試験であるにも関わらず、合格率が10%以下と低いのです。
 
私たちは、物についてはすぐに新品を買うのではなく、できるかぎり大切に何度も使った方がお得だということを知っています。
 
今の時代はエコの時代なのでなおさらですね。
 
試験における法律知識にも同じことが言えるのです。
 
何となく沢山知識があったほうがお得なような気もしますが、新しい知識をどんどん入れればいずれパンクして破綻します。
 
細かい知識を増やしていく勉強は、百害あって一利なしです。
 
いかに少ない基本的な知識で沢山の問題を解ける方がずっとお得なのです。
 
そのためにはまずは基本的な知識を確実にすることです。
 
そしてその基本的知識を使いこなすことです。
 
本問も憲法の分類の知識がなくても憲法の目的=人権保障をヒントに方向性を考えるだけで捨て問にするよりもずっと正解する確率が高まるわけです。
 
ですから、例えばこの過去問をどうやったらもっと基本的な知識だけで解けるだろうかということを常に考えて解いていただきたいのです。
 
ある意味ゲーム感覚でいかに少ない知識で解けるかどうかに挑戦していただきたいのです。
 
同じ山を別の最短ルートを見つけて登るように何度も過去問に挑戦していただきたいのです。
 
そういう視点から何度も何度も過去問に挑戦し、私の解説よりももっと簡単に解ける方法をみつけていただけるくらいに基本的知識を使いこなせるようになっていただきたいのです。
 
そうすると、本問のような未知の問題に対しては、知識依存型の人は、知識がない以上捨て問で適当にマークするしかないでしょう。
 
そうではなくて、持っている知識で何とか正答率を上げるということを常に意識して問題を解いていただきたいのです。
 
正答率が上がるということはご自身の合格率も上がるということです。
 
今回は1題しか検討していないので憲法の分類の知識を増やすこと自体はそれほど大変ではありません。
 
しかし、このような新しい知識がこれから全科目の範囲にわたって累積的に増えてきます。
 
ですから、未知の問題に対する知識がないときにどう対処するかということを念頭にいれて勉強することの方が試験との関係ではとても実践的であり大事なのです。
 
毎年のように未知の問題が出題されるからです。
 
こうした少ない物、情報の利用の仕方に対する意識は、少ない時間の使い方の意識にも影響してきます。
 
5分の時間があった場合に、5分しかないからまあいいやと思って勉強しないという人と5分あるから肢1つ解こうという人では、1年で換算すると、300肢以上の差が生じます。
 
本試験と同じ程度の量の300肢を一つ一つ検討することは容易なことではありません。
 
この問題の解説を通じて少ない確実な知識を有効活用しよう!という意識が高まっていただければ幸いです。
 
 
以上
 

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テーマ:行政書士と法律資格 - ジャンル:学校・教育

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