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なぜ あなたは 行政書士試験に 合格できないのか?

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教示はクレーム手続のご案内?! 16年度問題38 行政書士試験

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まぐまぐ問題
http://archive.mag2.com/0000260438/20090707131000000.html
 


 
 
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今回も、旧記述式問題ですが、行政不服審査法の問題です。
 
 
過去問をお持ちでない方は以下のリンク先をご覧になって
ください。
 
平成16年度問題38 
http://www.sikakuyo.com/gyousho/honsiken/165mondai.html
 
 
(ちょっと一言)
 
皆さんの中にはウィンブルドンで行われた全英テニスの試合をご覧になった方もいらっしゃるでしょう。
 
伊達公子選手の試合は本当に感動的でした。
 
世界ランキング9位の選手を相手に第1セットを取ったときは、思わず涙が出そうになりました。
 
いつもチャレンジしている人は輝いて見えます。
 
私自身もそうありたいものです。
 
 
 
 
(解答・解説)
 
 
教示制度は、行政不服審査法(行審法57条)と行政事件訴訟法(46条)との両方で規定されています。
 
 
今年から始まった裁判員制度のニュースなどから、裁判手続の存在については関心の高いところでしょう。
 
 
しかし、行政庁に対する異議申し立てや審査請求については、受験生はもちろん知っていますが、一般人にとっては、あまりなじみがないのではないでしょうか。
 
 
通常、裁判所よりも、市役所や区役所などの行政サービスを利用する方が多いはずです。
 
 
市役所や区役所などは住民票や戸籍謄本などを交付してもらうためにほとんどの方が一度は行ったことがあると思います。
 
また、飲食店はたいていどこにでもありますが、飲食店の営業には許可が必要です。
 
そのため、日本中の飲食店の営業主にとっても、行政は身近な存在なのです。
 
これに対して、裁判所は一度も利用したことがない人が結構いらっしゃるでしょう。
 
このように、私達にとっては、市役所や区役所などの行政との関係の方がより身近なのです。
 
 
それにも関わらず、行政庁の処分に不服がある場合に、行政庁に対する異議申し立てや審査請求の手続については、どうすればよいのか通常よくわかりませんね。
 
そのため、行政庁は、国民に対して教示というクレーム手続のご案内をするように義務づけられているのです。
 
 
処分をした当事者であり、身近な存在だからこそ、行政に対して言いたいことがあったら、クレームを言える制度がありますので、遠慮せずにどうぞ利用してくださいということです。
 
 
これにより、誰に対して、いつまでに異議申し立てや審査請求の手続をすればよいかわかるのです。
 
このような手続を事前に具体的に知ることが出来れば、迅速で容易な手続を適切に利用することができます。
 
 
行政庁には、個人の人権保障という役割が与えられているので、国民の行政庁に対する異議などに適正かつ公平に対応することは、その役割なのです。
 
 
それと共に行政庁には、円滑・迅速な行政サービスを実現する役割が与えられているので、簡易・迅速に、そうした異議などに対応することも行政サービスの一つなのです。
 
 
国民の人権を守るために、公正かつ迅速に行政活動をするというのが、行政の役割なのです。
 
このように、行政不服審査法(行審法57条)における教示制度は、行政のこうしたより国民のニーズに素早く適切に応えられるような役割から、裁判所の役割である行政事件訴訟法での教示制度とは多少異なっているのです。
 
 
今回は、行政不服審査法と行政事件訴訟法における教示制度と比較して一度に整理して押さえてしまう方が効率的なので、両者の共通点と相違点について把握するために、まぐまぐにおいて関連問題を出題してみました。
 
 
では、まぐまぐ関連問題についての具体的な肢の検討に入ります。
 
 
平成16年度問題38については、肢3から5と一緒に解説していきます。
 
 
さて、行政不服審査法と行政事件訴訟法における教示制度において最も着目すべき相違点はどこにあるでしょうか。
 
それは、教示を怠った場合や誤った教示をした場合の救済制度が行政事件訴訟法には規定されてないということです。
 
これさえわかっているだけで、肢3と5が一瞬で誤りであるということはすぐにわかります。
 
具体的な理由については、後述するとして、この相違点は必ず押えるようにしてください。
 
 
 
<肢1>
 
 
教示自体は、行政不服審査法(行審法57条)であれ、行政事件訴訟法(46条)であれ、行政庁が行います。
 
 
教示の内容は、
主体=不服申立の相手である行政庁、
客体=不服申立てが可能な処分であること、
時期=不服申立てをすることができる期間です。
 
 
行政庁は自分自身に対する不服申立ての仕方については、よく知っているはずですが、第三者である裁判所の手続きについて全てを知っているわけではありません。
 
 
もちろん、行政庁が裁判手続きについても全てを知って教示してくれれば、国民の人権保障という観点からは、適切です。
 
しかし、円滑・迅速な行政サービスの実現という観点からは、過度に行政庁に負担を強いることになり、簡易・迅速な行政サービスを提供することができなくなってしまい、必ずしも適切とはいえません。
 
 
そうすると、取消訴訟の利害関係人が誰になるのか、取消訴訟の対象となる処分なのかなど、どのような教示をすればよいかなどは、行政よりもむしろ訴訟の専門家である弁護士や裁判所に聞いた方が適切なのです。
 
 
ですから、行政不服審査法には利害関係人の請求による教示があるのに対して、行政事件訴訟法には利害関係人の請求による教示がないのです。
 
 
よって、肢1は誤りです。
 
 
 
<肢2>
 
 
この問題以降は、教示を怠った場合や誤った教示をした場合の救済制度に関する問題です。
 
上記の通り、行政には教示する義務があります。
 
にもかかわらず、教示を怠った場合や誤った教示をした場合に国民に不利益となるのは妥当ではありません。
 
そのため、行政不服審査法では、救済制度を設けているのです。
 
まず、教示を怠った場合について肢2で出題してみました。
 
この問題のポイントは、「不服申立書の提出時にすでに不服申立期間が経過していた場合でも」の部分です。
 
 
この場合は、行政庁に責任があるにも関わらず、残念ながら不服申立をすることができません。
 
救える条文がないのです。
 
これは救済制度の欠陥といえるでしょう。
 
教示を怠った場合でも、処分自体は違法無効とはならないと解されています。
 
そういう意味では、教示というのは義務であるものの、あくまでもご案内程度の不完全な手続なのです。
 
よって、肢2は誤りです。
 
なお、不服申立期間内に不服申立書を提出していれば、正本が送付されたときに初めから不服申立がなされたものとみなされます(58条)。
 
 
<肢3~5>
 
 
肢3から5までは、誤った教示をした場合の救済制度に関する問題です。
 
 
肢3が、主体=相手である行政庁についての問題
肢4が、客体=不服申立てが可能な処分かどうかについての問題
肢5が、時期=取消訴訟ができるかどうかの期間についての問題
 
そして、16年度問題38も肢4と同様に客体の問題です。
 
 
上記の通り、誤った教示をした場合の救済制度が行政事件訴訟法にはありません。
 
しかし、誤った教示を信頼して訴訟を提起した国民が手続上不利益となるのは妥当でないので、本来的には救済措置を設けるべきでしょう。
 
ただ、訴訟ということになると訴訟の専門家である弁護士に依頼するのが通常であり、不服申立期間に比べて出訴期間の方が長いことから誤った教示をより発見しやすく対応しうることから設ける実益がないということも考えられます。
 
 
なお、不服申立てにおいて誤った教示をした場合は、救済措置があります(18条 46条 19条)。
 
主体の過誤については、不服申立人が教示された行政庁に不服申立書を提出したときは、初めから適法な行政庁に対する不服申立てがあったとみなされます(18条 46条)。
 
また、客体の過誤についても、不服申立てにおいて誤った教示をした場合は、救済措置があります(46条)。
 
つまり、異議申立てをすることができる処分につき、処分庁が誤って審査請求をすることができる旨を教示し、その教示された行政庁に書面で審査請求がなされたときは、当該処分庁に送付し、かつ、その旨が審査請求人に通知され、その審査請求書が処分庁に送付されたときは、はじめから処分庁に異議申立てがされたものとみなされます。
 
 
さらに、時期の過誤について、処分庁が誤って法定の期間よりも長い期間を審査請求期間として教示した場合において、その教示された期間内に審査請求がされたときは、当該審査請求は、法定の審査請求期間内にされたものとみなされます(19条)。
 
 
このように、行政不服審査法では、主体・客体・時期について誤った教示があった場合に救済されるのです。
 
なお、これらは、行政不服審査法で救済されるので、同法の対象となる処分であることが前提となっていることに注意してください。
 
この点が、次の肢4の問題と異なります。
 
よって、肢3および肢5は誤りです。
 
そして、16年度問題38の解答は、A:審査請求 B:教示 となります。
 
 
最後に関連問題の肢4をみていきましょう。
 
肢4も客体の問題ですが、救済のされ方が異なっています。
 
肢4のポイントは、「処分につき審査請求をすることができないにもかかわらず」の部分です。
 
 
つまり、当初より審査請求の対象となる処分ではなかったわけですから、たとえ審査請求の対象となると誤った教示したとしてもそれは適法にはなりません。
 
ですから、はじめから適法に審査請求がなされたものとみなされるわけではありません。
 
よって、肢4は誤りです。
 
これで結局、関連問題は5つ全て誤りとなります。
 
ただし、肢4の場合、行政事件訴訟の対象として出訴することはできるように救済されているのです。
 
 
行政庁が誤って審査請求をすることができる旨を教示した場合において、審査請求があったときは、処分又は裁決に係る取消訴訟は、その審査請求をした者については、これに対する裁決があつたことを知った日から6月を経過したとき又は当該裁決の日から一年を経過したときは、提起することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない(14条3項)。
 
 
つまり、却下裁決があったことを知った日から6月以内または却下裁決があった日から1年以内であれば、行政事件訴訟法の対象として判断することが出来るのです。
 
通常の出訴期間(14条1項)よりも長くなって救済されているのです。
 
行政不服審査法では対象となる処分ではないが、行政事件訴訟法では対象となる処分となるのです。
 
 
イメージで言うと、アンデルセン童話の「みにくいアヒルの子」です。
 
最初から白鳥の子をアヒルの子だと思ってもアヒルにはなれません。
 
しかし、美しい白鳥にはなれるのです。
 
 
話はそれますが、ドイツ語では白鳥のことをシュバンガウといいます。
 
ドイツにあるシンデレラ城のモデルとなったノイシュバンシュタイン城のある村をシュバンガウといい、お城の近くにある美しいアルプ湖に白鳥がいたのを思い出しました。
 

シュバンガウ
ノイシュバンシュタイン


 
試験勉強をすればするほど、どうしても細かい知識が増えてきますし、内容も濃くなっていきます。
 
 
今回の教示の分野も条文だけ読んでも理解しにくく混乱しやすいところなので、過誤の教示に対する救済を、主体・客体・時期という順序で押えておくとよいでしょう。
 
 
また、時には法律とは関係なくともご自分にとってわかりやすいイメージを沢山もって理解してしまうことも記憶に残りやすい勉強法だと思いますので参考にしてみてください。
 
 
なお、教示について18年度問題19の過去問解説も参考にしてみてください。
 
その1
http://sakuradarimuseo07.blog110.fc2.com/blog-entry-52.html
その2
http://sakuradarimuseo07.blog110.fc2.com/blog-entry-53.html
 
 
以下のマインドマップも参照してください。クリックして画像がでてきたら再度クリックすると大きい画像になります。
 
 

教示制度

この画像は、MindManager8 で作成しており、過去問分析ゼミでも毎回配布しております。
 
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今回はこの辺りで終ります。
 
 
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