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なぜ あなたは 行政書士試験に 合格できないのか?

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質問への回答…使用者責任(訂正版)

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ある受験生の方から、以下のまぐまぐで出題した例題について、ご質問がありました。
 
 
 
<ご質問の趣旨>
 
 
「例題(1)について使用者責任を認めた判例があったような記憶がありますが、定かではありません。判例の射程範囲について教えてください。よろしくお願いいたします」
 
 
 
<4月5日のまぐまぐの例題>
 
 
★ 715条には、「事業の執行につき」という文言がありますが、XやPの行為は「事業の執行につき」といえるでしょうか、以下の例題をやってみてください。
 
 
(1) Aタクシー会社の従業員Xが、休日にA社の営業車を勝手に使ってドライブしていたところ、わき見運転をして歩行者Yにぶつかり怪我を負わせた場合、YはAに対して使用者責任を追及できるか。
 
 
 
<解説>
 
以下2つの判例を調査・検討した結果、上記の例題の場合、使用者責任が肯定される可能性が極めて高いことが判明し、私の解説・解答が誤りであると断定いたしました。
 
 
 
 
誤解を与える解説をしてしまい、本当に申し訳ございませんでした。


 
 
使用者責任を肯定した判例(昭和39年02月04日最高裁判所第三小法廷)


使用者責任を否定した判例(昭和52年09月22日最高裁判所第一小法廷)


 
 
上記の判例を以前も紹介させていただきましたが、まだご覧になっていない方や勉強を始めて間もない方には難しいかもしれませんので解説させていただきます。
 
 
 
試験との関係では、全文までの検討は必要ないと思いますので、2つの判例の要旨を比較検討してみます。
 
 
 
オレンジ:使用者責任が肯定されやすい事情
 
ブルー :使用者責任が否定されやすい事情
 
 
 
<使用者責任を肯定した判例>
 
自動車の販売等を業とする会社の販売課に勤務する被用者が、退社後映画見物をして帰宅のための最終列車に乗り遅れたため、私用に使うことが禁止されていた会社内規に違反して会社の自動車を運転し、帰宅する途中追突事故を起す等判示事実関係のもとにおいて他人に加えた損害は、右会社の「事業ノ執行ニ付キ」生じたものと解するのが相当である。(昭和39年02月04日最高裁判所第三小法廷)
 
 
 
<使用者責任を否定した判例>
 
右事実関係のもとで、被上告人がXに対し同人の本件出張につき自家用車の利用を許容していたことを認めるべき事情のない本件においては、同人らがY市に向うために自家用車を運転したことをもつて、行為の外形から客観的にみても、被上告人の業務の執行にあたるということはできず、したがつて、右出張からの帰途に惹起された本件事故当時における同人の運転行為もまた被上告人の業務の執行にあたらない旨の原審の判断は、正当というべきである。(昭和52年09月22日最高裁判所第一小法廷)
 
 
肯定した判例では、
 
肯定されやすい事情として、会社の自動車の運転
 
否定されやすい事情として、退社後、会社内規に違反
 
があげられます。
 
 
つまり、退社後という勤務時間外であるとともに、私用禁止という会社内規に違反していたとしても、会社の自動車を運転して事故を起こした場合は、会社に使用者責任を肯定するという判例です。
 
 
 
否定した判例では、
 
肯定されやすい事情として、出張
 
否定されやすい事情として、自家用車の運転および会社がその行為を許容していなかった
 
があげられます。
 
 
つまり、出張にいくためという、いわば勤務時間に近接している場合であっても、会社が自家用車で出張に行くことを許容していないのに、自家用車を運転して事故を起こした場合は、使用者責任を否定するという判例です。
 
 
 
 
そうすると、まずポイントの1つ目は、勤務時間内か外かは問わないということです。
 
 
2つ目は、どちらの会社も自動車の運転行為を従業員に許可していなかったということです。 
  
 
3つ目は、会社の営業車か自家用車です。
 
 
 
全文からどちらの判例も外形標準説で処理しています。
 
 
つまり、行為の外形から客観的に判断しています。
 
 
そうすると、最も重視されているのは、3つ目のポイントですね。
 
 
行為の外形から客観的に判断すると、事故を引き起こしたのが会社の営業車によるのか、それとも自家用車によるのかが重視されているようです。
 
 
以上より、試験との関係では、会社の営業車自家用車で判断してください。

 

もしこの区別を忘れてしまった場合は、問題文の事例を上記の外形標準説に自分であてはめて、客観的な事実から判断してみましょう。

 

 私の出した例題は、最初の判例からすれば、休日であっても会社の営業車を利用していますから、使用者責任が肯定される可能性が極めて高いです。
 
 
 
例題と同じような問題が本試験で出た場合は、使用者責任を肯定してください。 
 

 



もう一つ念のため例題(2)も訂正させてください。

 

(2) 指定暴力団Bの組員Pが、Bの経営している高利貸しの取立てをしていたが、うまくいかなかったため、次の取立てに行く途中で憂さ晴らしに通行人Qを殴って怪我をさせた場合、QはBに対して使用者責任を追及できるか。

 



この例題もよくよく検討すると、「取立てに行く途中」の部分が微妙なので、この部分を「次の日の朝の散歩中」と訂正させてください。

 

こうすれば、取立て業務との関係性が完全に遮断されますから、Bの事業の執行と関係がなく、これと密接に関連する行為でもなくなります。

 

この訂正した例題(2)は、使用者責任を否定していいでしょう。

 



行政書士試験では、ここまで微妙な問題は出題されませんので、本当に私の出題ミスです。

 



不適切な例題を出題してしまい本当に申し訳ございませんでした。


 




使用者責任の射程範囲は、かなり広い一方で、具体的事案によっては結論が異なるので、厳密に考えると見極めるのがなかなか難しいです。
 
 
条文を素直に読むと、上記の肯定・否定どちらの判例も職務執行の範囲内にはないように思えますが、やはり不法行為の場合は被害者を厚く救済するという要請が強く働くものなのでしょう。

   
  
  
 
このようなご質問は、私にとっても勉強になりますし、より充実させたブログ解説にも大いに役立つものです。
 
 
ですから、他の受験生の方々でも、このような疑問をもたれた場合は、遠慮されずに是非コメントいただけると幸いです。
 
 
今回ご質問された受験生の方に感謝しております。
 
 
 
今後はこのようなことがないようにできるだけ配慮し、間違った解説・解答を発見した場合はすみやかに告知して訂正いたします。
 
 
今後ともよろしくお願いいたします。



 

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