なぜ あなたは 行政書士試験に 合格できないのか?

どの法律系資格であっても、その確実なGETに必要なのは徹底的な過去問分析と方法論なのです。

スポンサーサイト

初めての方は 「なぜこのタイトルになったのか」

New 2014年度合格者の声は、こちら

YOUTUBE動画は、以下からご覧になってください。

New 憲法第1回 動画解説講義(全体編①)

New 憲法第1回 動画解説講義(実践編①)

できるだけ必要最小限の基本的知識で過去問の解説を試みております。
それには私なりの理由があるので、関心のある方は こちらへ どうぞ!


まぐまぐは こちらから どうぞ!



上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

行政手続法の定める審査基準  行政書士試験

初めての方は 「なぜこのタイトルになったのか」

New 2014年度合格者の声は、こちら

YOUTUBE動画は、以下からご覧になってください。

New 憲法第1回 動画解説講義(全体編①)

New 憲法第1回 動画解説講義(実践編①)

できるだけ必要最小限の基本的知識で過去問の解説を試みております。
それには私なりの理由があるので、関心のある方は こちらへ どうぞ!


まぐまぐは こちらから どうぞ!



初めてブログを見に来ていただいた方はまず こちらへ どうぞ!

平成19年度合格者の方々のコメントは こちら です。 

平成20年度合格者の方々のコメントは こちら です。

平成21年度合格者の方々のコメントは こちら です。

過去ログ倉庫&まぐまぐ&ご質問の仕方については こちら をご覧ください。

まぐまぐは、現在すべて公開しております。 


 
まぐまぐの登録をされていない方は、以下のリンク先を参照してみてください。
 
まぐまぐ問題
http://archive.mag2.com/0000260438/index.html


(解説)
 
問題2(H20-11)の肢ア、ウ、エ、オについては、問題1(H19-12)の肢ア、イ、エを理解できていれば、正誤の判断がつくと思います。
 
また、問題2(H20-11)の肢イも審査基準がどういうものであるかの基本的な理解があれば正誤の判断がつくでしょう。
 
このように過去問さえ押えていれば十分対応できるレベルの問題を毎年繰り返し聞いています。
 
間違えた方はどうして間違えたのか、何が足りなかったのかについて改めて分析・検討するようにしましょう。
 
問題1(H19-12)および問題2(H20-11)を一緒にみていきましょう。
 
5条から11条までの条文は、行政庁に向けられたものです。
 
これは行政手続法全体にも言える事なのです。
 
1条の目的からも分かるとおり、国民の権利・利益を守るために、行政手続きを透明化するための法律なのです。
 
具体的に肢を見ていきましょう。
 
 
問題1の肢ア  
 
法規命令とは、政令・省令など行政機関が制定する行政庁主体と私人の権利・義務に関する一般的規律をいいます。
 
つまり、行政規則と異なり、行政内部のみを規律するのではなく、法律と同様に、一般国民も規律されるものです。
 
一般国民も規律するものなので、行政が自由に制定できるとすると国民の権利・利益に多大な影響を及ぼします。
 
そのため、法律による委任が必要なのです。
 
ここで、審査基準を考えてみると、審査基準は、行政過程を透明・公正なものとするために制定される行政内部に向けられた基準でしたね。
 
国民の申請に対して、行政主体は、このような基準に照らして許認可等の審査について判断しますという宣言のようなものですから、行政内部の判断基準を公にしたものに過ぎません。
 
ですから、審査基準は、行政庁に向けられた行政内部を規律するものなので、法規命令ではなく、行政規則の一つなのです。
 
よって、アは誤りです。
 
この問題では、審査基準=行政規則という知識がなくても、行政手続法の目的と法規命令と行政規則の違いをしっかり押さえておけば、正誤の判断がつきますね。
 
 
問題2の肢エ
 
上記の通り、審査基準は、行政組織の内部的規範である行政規則の一種です。
 
そして、政令・省令などは、一般国民も規律対象となるので法律の委任が必要な法規命令です。
 
行政規則と法規命令とでは、規律する対象が異なります。
 
したがって、審査基準には、政令・省令などの法規命令は含まれないのです。
 
よって、肢エは正しいです。
 
 
問題1の肢イ 問題2の肢アとウ
 
結論としては、正しい肢ですが、この問題については、結論と共に理由をしっかり理解しておくことが大事です。
 
法的義務に違反すれば、違法となりますから、取消訴訟や国家賠償請求訴訟の対象となります。
 
これに対して、努力義務に違反しても、あくまでも努力目標的な色彩が強いですから、これに対するペナルティは原則的としてありません。
 
義務を遂行するか否かについての行政主体の責任の重みが異なるのです。
 
基準については、上記の通り、できるかぎり行政過程を透明・公正なものとすべきですから、処分基準であれ、審査基準であれ、それらの設定につき行政主体の責任が明確になるよう法的義務であるほうが望ましいように思えます。
 
しかし、不利益処分についての処分基準の設定に関しては、努力義務とされているのです。
 
不利益処分にあたるかどうかは個々の事案に応じて判断しなければならないので、一般的な基準で一律に判断することが難しいというのが一つです。
 
また、設定・公表すれば、不利益処分をぎりぎりのところで免れようとする者が表れ、事実上の違反行為を促進してしまうからです。
 
ですから、努力義務にとどめて、行政主体に、臨機応変に判断する裁量を与えておく必要もあるのです。
 
また、国民に対する透明性や公正の確保については、聴聞や弁明手続きでも担保されているのです。
 
こうした審査基準と処分基準との違いがわかれば、問題2の肢アとウの正誤を判断できますね。
 
一応定義を挙げておきましょう。
 
審査基準とは、申請により求められた許認可等をするかどうかをその法令の定めに従って判断するために必要とされる基準をいう(行手法2条8号ロ)。
 
処分基準とは、不利益処分をするかどうか又はどのような不利益処分とするかについてその法令の定めに従って判断するために必要とされる基準をいう(行手法2条8号ハ)。
 
このように、不利益処分についての基準は、処分基準です(行手法2条8号ハ)。
 
よって、肢アは、誤りです。
 
また、上記の通り、審査基準は、法的義務であり、処分基準が努力義務でしたね。よって、肢ウは、誤りです。
 
なお、審査基準の公表も法的義務です(行手法5条1項・3項)。
 
 
問題1の肢ウ
 
比例原則とは、目的と手段との間に比例関係がなければならないという原則です。
 
例えば、軽微な犯罪に対して、死刑のような重たい刑罰を科すのは、処罰の適正の観点から妥当ではないですね。
 
軽微な犯罪に対しては、それに見合った軽微な刑罰、重大犯罪に対しては、それに見合った重たい刑罰を科すというのが、比例原則なのです。
 
そうすると、問題文の「他の申請者と異なる取扱い」という部分から、これは特定人に対する差別的な取り扱いということがわかりますね。
 
ですから、比例原則とは関係がなく、平等原則と関連するものだとわかるでしょう。よって、誤りです。
 
この問題では、比例原則と平等原則との違いを押さえておきましょう。
 
 
問題1の肢エ
 
意見公募手続きの対象は、「命令等」(行手法39条1項)です。
 
命令等であれば、原則として意見公募手続きが義務付けられています。
 
(39条1項)
「命令等制定機関は、命令等を定めようとする場合には、当該命令等の案(命令等で定めようとする内容を示すものをいう。以下同じ。)及びこれに関連する資料をあらかじめ公示し、意見(情報を含む。以下同じ。)の提出先及び意見の提出のための期間(以下「意見提出期間」という。)を定めて広く一般の意見を求めなければならない。」
 
そして、この「命令等」には、定義の条文である2条8号をみると、審査基準が含まれていますね。
 
(2条8号) 
命令等 内閣又は行政機関が定める次に掲げるものをいう。
イ 法律に基づく命令 ロ 審査基準 ハ 処分基準
 
ですから、意見公募手続きには審査基準が対象となるのです。これが条文上の理由です。復習する際には、このような条文操作ができるようにしておきましょう。
 
そして、内容的な理由としては、意見公募手続きの趣旨は、行政過程の透明化・公正さの確保であって、審査基準の制定趣旨と同じなのです。行政手続法の目的である国民の権利・自由を守るための手段である点で共通しています。
 
ですから、審査基準を制定する際にも、意見公募手続きがなされるのです。よって、正しいです。
 
問題2の肢オ
 
上記の通り、審査基準であれば、原則として意見公募手続きが義務付けられています。
 
しかし、緊急のため意見公募手続をとることが困難であったり、手続をとる実益が乏しい場合は、例外的に意見公募手続をとる必要はありません。
 
具体的には、39条4項1号から8号までに規定されているので一読しておいて下さい。
 
いずれにせよ、どんな内容であっても意見公募手続きが義務付けられているわけではありません。
 
単純に意見公募手続義務の例外を聞いているだけですね。
 
よって、問題2の肢オは誤りです。
 
 
問題1の肢オ
 
問題文に「地方公共団体の行政庁がする処分」とあるので、うっかりすると適用除外(行手法3条3項)になるのではと思ったかもしれません。
 
しかし、適用除外となるのは、地方公共団体の機関がする処分(その根拠となる規定が条例又は規則に置かれているものに限る。)とあるので、条例又は規則に置かれているものに限られます。
 
そうすると、問題文には、「国の法律に基づいて」と書かれていますから、条例や規則に基づく処分ではないですね。
 
これは、法定受託事務(地方自治法2条2項 9項)にあたるでしょう。
 
ですから、適用除外にはあたらず、行政手続法の適用があります。
 
そうすると、行手法5条に戻って、「行政庁は、審査基準を定めるものとする。」とありますから、この行政庁が何を指しているのかを考えればよいですね。
 
「地方公共団体の行政庁」ですから、都道府県知事か市町村長でしょう。
 
それゆえ、都道府県知事か市町村長が審査基準を設定するのであって、主務大臣ではないですね。
 
よって、誤りです。
 
この問題では、条文、とりわけ(カッコ書き)に気をつけて復習するといいでしょう。
 
以上より、問題1では、肢イとエが正しく、2が正解ですね。
 
最後に残った問題2の肢イをやりましょう。
 
上記の通り、行政手続法の目的は、国民の権利・利益を守ることです。
 
そうすると、審査基準が国民の不利益となるような変更は許されないとも思われます。
 
しかし、審査基準というのは、行政規則の一種でしたね。
 
行政規則とは、国民の権利自由に直接影響を与えないものです。
 
ですから、法律の委任がなくても制定できるのです。
 
また、審査基準は、処分基準と異なり、不利益処分となるための基準ではありません。
 
それゆえ、審査基準の変更は、国民の権利自由に直接影響を与えないものなので行政の裁量の範囲内ですることができるのです。
 
ということで、国民の権利自由に直接影響を与えない審査基準を変更しても「国民の不利益となるような変更」になるという部分がそもそもあてはまらないと考えることができます。
 
また、条文上も行政不服審査法のように不利益変更の禁止が規定されていません。したがって、肢イは誤りです。
 
以上より、問題2では、アイウオの4つが誤りであり、正解は4となります。
 
なお、行政不服審査法では、不利益変更の禁止が規定されています(40条5項但書)。
 
それは、せっかく不服申立てをしたのに、より不利益な裁決等がなされるなら、誰もそのリスクを負ってまで不服申立てをするわけがないからです。これでは、国民の権利利益の救済を図るという不服申立て制度の目的自体が絵に描いた餅になってしまいますね。
 
このように、行政不服審査法に基づいて不服申立てをするということは、何らかの不利益な処分等がなされたということに他ならないわけですが、これに対して、審査基準の設定・変更は、不利益な処分等がなされるわけではありません。
 
このような相違点を押えておきましょう。
 
 
スポンサーサイト

テーマ:行政書士と法律資格 - ジャンル:学校・教育

この判例は何の問題? 行政書士試験

初めての方は 「なぜこのタイトルになったのか」

New 2014年度合格者の声は、こちら

YOUTUBE動画は、以下からご覧になってください。

New 憲法第1回 動画解説講義(全体編①)

New 憲法第1回 動画解説講義(実践編①)

できるだけ必要最小限の基本的知識で過去問の解説を試みております。
それには私なりの理由があるので、関心のある方は こちらへ どうぞ!


まぐまぐは こちらから どうぞ!



初めてブログを見に来ていただいた方はまず こちらへ どうぞ!

平成19年度合格者の方々のコメントは こちら です。 

平成20年度合格者の方々のコメントは こちら です。

平成21年度合格者の方々のコメントは こちら です。

過去ログ倉庫&まぐまぐ&ご質問の仕方については こちら をご覧ください。

まぐまぐは、現在すべて公開しております。 


 
まぐまぐの登録をされていない方は、以下のリンク先を参照してみてください。
 
まぐまぐ問題
http://archive.mag2.com/0000260438/index.html


(解答)
 
ア税務署長 イ信義則 ウ法律による行政 エ租税法律主義 
オ公的見解 カ責めに帰すべき事由
 
 
(解説)
 
信義則(信義誠実の原則)は、民法第1条第2項で勉強たと思いますが、法律による行政にも妥当すると考えられています。
 
法律による行政を貫くことでかえって不都合となる場合は、信義則により具体的に妥当な結論を導くことができるからです。
 
しかし、行政法は民法と異なり、当事者同士の公平を図ればよいというものではなく、国民全体について平等になされるべきものであるため、信義則(信義誠実の原則)をそのまま行政活動に援用することはできません。
 
信義則は、行政活動によって何らかの損害を受けた私人を救済するための手段であるため、適法な行政活動を違法としてしまう場合があるからです。
 
本来画一的に処理されるべきものが特定の個人に対して別の取り扱いがなされれば平等原則からも問題があるため、法律による行政が信義則の名の下に修正されれば国民の信頼を得られないこともあるでしょう。
 
そのため、行政活動における信義則の適用は、慎重になされるべきであると考えられています。
 
本問の事例については、原審と最高裁との判断が異なったのですが、最高裁は法律による行政の下、法律に基づいて所轄税務署長が更正処分をしなければならないものであるとして法律による行政を厳格に考えていたものということができます。
 
つまり、課税処分という本来画一的に処理されるべきものが特定の個人に対して別の取り扱いがなされれば平等原則からも問題があるため、法律による行政が信義則の名の下に修正されれば国民の信頼を得られないことになると思われるのです。
 
そのため、法律による行政の下での行政活動における信義誠実の原則の適用は、慎重になされるべきであると考えられるのです。
 
したがって、本問の事例については信義誠実の原則の適用はされなかったといえるのです。
 
 この事例と最高裁の結論を押さえておいて下さい。
 
以上
 

テーマ:行政書士と法律資格 - ジャンル:学校・教育

行政代執行  行政書士試験

初めての方は 「なぜこのタイトルになったのか」

New 2014年度合格者の声は、こちら

YOUTUBE動画は、以下からご覧になってください。

New 憲法第1回 動画解説講義(全体編①)

New 憲法第1回 動画解説講義(実践編①)

できるだけ必要最小限の基本的知識で過去問の解説を試みております。
それには私なりの理由があるので、関心のある方は こちらへ どうぞ!


まぐまぐは こちらから どうぞ!



初めてブログを見に来ていただいた方はまず こちらへ どうぞ!

平成19年度合格者の方々のコメントは こちら です。 

平成20年度合格者の方々のコメントは こちら です。

平成21年度合格者の方々のコメントは こちら です。

過去ログ倉庫&まぐまぐ&ご質問の仕方については こちら をご覧ください。

まぐまぐは、現在すべて公開しております。 


 
まぐまぐの登録をされていない方は、以下のリンク先を参照してみてください。
 
まぐまぐ問題
http://archive.mag2.com/0000260438/index.html


 
(解説)
 
    今回は、代執行についての問題です。
 
代執行は、行政上の強制手段の一つである行政上の強制執行の一種です。
 
行政上の強制手段とは、一定の行政目的を実現するために、私人の任意の行為が期待できない場合に、行政庁が自ら強制的にその目的を実現するために執る手段をいいます。
 
行政上の強制措置、行政上の義務履行確保または行政強制とも表現されます。
 
行政は国民の利益のために活動するので、一部の国民が他の大多数の国民にとって不利益となるような行為をしている場合、その一部の国民がしている迷惑な行為や危険な行為あるいは放置している行為などを何とかしなければなりません。
 
もっとも、他の大多数の国民の利益のためとはいえ、行政がその一部の国民の権利・自由に対していきなり行政権を行使するならば、それは憲法で保障される個人の人権の尊重に反することになります。
 
そのため、行政は、まずそのような一部の国民の行為に対して行政行為や行政契約により作為・不作為の義務を課して国民の自発的な義務の履行によって解決しようとします。
 
これは、例えば、民法においてAがBからお金を借りて弁済期を過ぎても返さない場合に、債権者Bから債務者Aへの履行の請求(催告)と同じイメージです。
 
そして、民法においては、債権者Bから債務者Aへの履行の請求をしてもAが弁済しない場合、当事者間では解決できないので裁判所を利用して紛争解決しようとします。
 
具体的には、債権者Bが債務者Aに対する債権を回収するためにまず裁判所に訴えを提起し、給付判決を経て、民事執行法に基づいて強制執行をしていきます。
 
つまり、強制執行するためには、第三者である裁判所の客観的な判断に基づかなければならないのです。
 
このように、一般市民法秩序では、強制執行するためには、裁判所の関与が必要なのです。
 
別の言い方をすると、当事者による自力救済の禁止が原則なのです。
 
私人間において、当事者自ら債権回収をすると過酷な取立てをするなどして社会秩序が混乱するからです。
 
これに対して、行政強制の場合は、裁判所の判断を経ていては、時間がかかり過ぎるため国民のために円滑迅速な行政サービスを実現することができません。
 
そのため自力救済の禁止例外として、一方当事者である行政自らが実力行使をすることができるようにしてあるのです。
 
このように、強制手段をとるにあたって、自力救済をすることができ裁判所の関与を必要としない点が民法における債権回収の手段とは大きな相違点であるのです。
 
もっとも、事実と証拠に基づいた裁判所による客観的な判断に基づいた実力行使に比べて、一方当事者である行政による実力行使は恣意的な判断でなされやすいので法律の根拠が必要とされているのです。
 
以上の点を踏まえて代執行をみていきましょう。
 
代執行とは、代替的な作為義務の強制手続きであり、後に費用を徴収する点で直接強制等よりも権利侵害の程度が弱いものであって、行政代執行法が一般法となっています。
 
代執行というのは、文字通り本来私人がやるべき義務を代わりに行政庁がやるものですから、代替的な義務でなければなりません。
 
また、不作為、つまり何もやらない義務であれば、行政庁は黙っているしかなく、代わりに義務を履行することができませんので、代わりにやる義務は作為義務でなければなりません。
 
さらに、例えば、健康診断のように、その義務を課された本人でなければ履行できないものであれば、本人に義務を履行してもらう以外にはありません。
 
そのため、他人が代わって行うことができる代替的な作為義務について行政は代執行をすることができるのです。
 
このように、行政代執行法に基づく代執行ができるのは、代替的作為義務に対してのみです。
 
このように、行政または第三者が義務者本人に代わって、義務者がやるべき義務の履行を実現し、後にそれにかかった費用を徴収する方法が代執行です。
 
例えば、違法建築物の除去命令に従わない者に対して、常に裁判手続きで執行するとすれば、費用と時間がかかり、行政運営に支障をきたし、かえってその他の国民に不利益となるのです。
 
そこで、代執行が認められ、行政代執行法でその手続き要件等が定められているのです。
 
もっとも、自力救済というのは、代執行を受ける義務者にとっては、その自由の干渉の程度が強いですから、個人の人権保障を不当に害するおそれがあります。
 
そのため、代執行は厳格な要件のもとでなされなければなりません。
 
このように、代執行は、円滑・迅速な行政サービスの実現と個人の人権保障がもろにぶつかり合って、緊張関係にある手続きなのです。
 
ですから、行政代執行法の手続き要件等については、原則として個人の人権保障の観点から定められていると理解すればよいのです。
 
行政代執行法は、6条しかないので全て目を通しておく必要があります。
 
この6条をしっかり押さえておけば今回の過去問も容易に正解できるでしょう。
 
以上を理解した上で、個別に肢をみていきましょう。
 
1 正 (H5-33-1)
 
行政代執行法第2条そのままの問題です。
 
法律(法律の委任に基く命令、規則及び条例を含む。以下同じ。)により直接に命ぜられ、又は法律に基き行政庁により命ぜられた行為(他人が代わってなすことのできる行為に限る。)について義務者がこれを履行しない場合、他の手段によってその履行を確保することが困難であり、且つその不履行を放置することが著しく公益に反すると認められるときは、当該行政庁は、自ら義務者のなすべき行為をなし、又は第三者をしてこれをなさしめ、その費用を義務者から徴収することができる。
 
したがって、代執行の対象となる義務は、法律により直接命じられ、又は法律に基づき行政庁により命じられたものでなければならないのです。
 
2 正 (H5-33-2)
 
肢1の行政代執行法2条後段「当該行政庁」により、代執行の権限を有するのは、義務者に対して行為を命じた当該行政庁です。
 
3 誤 (H5-33-3)
 
肢1の行政代執行法2条より、代執行の対象は、代替的作為義務(他人が代わってなすことのできる行為)のみです。
 
4 正 (H10-35-4)
 
肢1の行政代執行法2条より、行政代執行は、当該行政庁が、自ら義務者のなすべき行為をなし、又は第三者をしてこれをなさしめ、その費用を義務者から徴収することができるのです。
 
5 誤 (S62-40-3)
 
肢1の行政代執行法2条より、代執行を行うにあたっては、①「法律に基づく代替的作為義務の不履行」②「他の手段によってその履行を確保することが困難」③「その不履行を放置することが著しく公益に反する」という3つの要件が必要です。よって、「または」ではなく「かつ」です。
 
6 誤 (H10-35-2)
 
戒告及び代執行令書の通知をするのが原則です。
 
もっとも、非常の場合又は危険切迫の場合において、戒告・代執行令書による通知の手続をとる暇のないときは、この手続を経ないで代執行することができると規定されています(行政代執行法第3条3項)。
 
7 誤 (H10-35-3)
 
代執行のために現場に派遣される執行責任者は、その者が執行責任者たる本人であることを示すべき証票を携帯し、「要求があるときは」、何時でもこれを呈示しなければならないと規定されています(行政代執行法第4条)。
 
8 誤 (H10-35-5)。
 
代執行に要した費用の徴収については、義務者に対し、文書をもってその納付を命じなければならないと規定されています(行政代執行法第5条)。
 
9 正  (H5-33-4)
 
代執行に要した費用は、国税滞納処分の例により、これを徴収することができます(行政代執行法第6条1項)。 
 
10 誤 (H2-38-5)
 
代執行に要した費用を徴収したときは、その徴収金は、事務費の所属に従い、国庫又は地方公共団体の経済の収入となります(行政代執行法第6条3項)。
 
 
以上より、解答は 6つ(3、5、6、7、8、10) です。 
 
 

テーマ:行政書士と法律資格 - ジャンル:学校・教育

過去問の比較分析  行政立法  行政書士試験

初めての方は 「なぜこのタイトルになったのか」

New 2014年度合格者の声は、こちら

YOUTUBE動画は、以下からご覧になってください。

New 憲法第1回 動画解説講義(全体編①)

New 憲法第1回 動画解説講義(実践編①)

できるだけ必要最小限の基本的知識で過去問の解説を試みております。
それには私なりの理由があるので、関心のある方は こちらへ どうぞ!


まぐまぐは こちらから どうぞ!



初めてブログを見に来ていただいた方はまず こちらへ どうぞ!

平成19年度合格者の方々のコメントは こちら です。 

平成20年度合格者の方々のコメントは こちら です。

平成21年度合格者の方々のコメントは こちら です。

過去ログ倉庫&まぐまぐ&ご質問の仕方については こちら をご覧ください。

まぐまぐは、現在すべて公開しております。 


 
まぐまぐの登録をされていない方は、以下のリンク先を参照してみてください。
 
まぐまぐ問題
http://archive.mag2.com/0000260438/index.html


(解説)
 
(H17-8)を問題1、(H20-9)を問題2とします。
 
問題2のアは憲法の基本的知識で正誤の判断ができます。
 
この時点で2と4に絞られ、イ、ウ、エが全て異なるので、それらのうち一つの正誤がわかれば正解を導くことができます。
 
そして、イとエは少し細かいですが、ウは、問題1の国家行政組織法14条に関する(ウ)とほぼ同じ問題です。
 
これで正解がでます。
 
つまり、問題2は、憲法の基本的知識と過去問のみで正解を導くことができるのです。
 
問題2からもわかるように、行政法は、行政書士試験の中で最も出題数が多くほぼ出尽くしています。
 
ですから、過去問を完璧にすることが他の科目に比べてより一層重要となってきます。
 
去問と同じ問題を絶対にミスしないことが合格の鍵となります。
 
本試験まで残り3ヶ月程度となってきましたので、ここからが本当の勝負となってきます。
 
行政法はイメージしにくいものを覚えなければならない要素が強いので過去問の理解を中心に徹底的に何度も他人に説明ができるまで繰り返し勉強しましょう。
 
何度も解いていると思いますが、口頭で質問されたら即時に回答できる程度まで理解しているか確認してみてください。
 
行政法はそのレベルまで過去問を克服する意識をもって日々勉強していきましょう。
 
行政立法には、法規命令と行政規則がありますが、本問は、法規命令に関する問題です。
 
法規命令とは、行政権の定立する法規たる定めをいい、法律による委任が必要です。
 
行政規則とは、行政権の定立する一般的定めで、法規たる性質を有しないものをいい、法律による委任は必要ありません。
 
国民の権利義務に直接関係のない事項を定めるものだからです。
 
問題1と2を比較しながら解説していきます。
 
問題1(ア) 委任
 
問題2肢ア 誤
 
行政は、立法権ではありません。
 
ですから、法律の委任がなければ、政令など法規命令を策定することはできません。
 
そのため、政令は、法律による委任に基づき(憲法73条6号但書)、内閣が制定するものです。
 
全会一致の閣議決定を経て成立し、天皇によって公布されます(憲法7条1号)。
 
問題2肢アでは、政令の制定は、内閣の権能なのか、内閣総理大臣の権能なのかが問われています。
 
これに対して、問題1の肢アをみてください。
 
問題1の肢アでは法律または政令の「委任」について出題されています。
 
つまり、問題2肢アでは、この問題1の肢アの「委任」を「憲法73条6号に基づき」と言い換えて、省令の問題を政令の問題に変更して出題されていることがわかります。
 
なお、法律による委任に基づき内閣総理大臣が制定できるのは、内閣府令です。
 
行政法は、憲法における行政の部分を具体化した法律ですから、憲法との関係が密接です。
 
ですから、憲法と重複する問題がでるのです。
 
問題1(ウ) 告示
 
問題2肢ウ 正
 
問題1のウとほぼ同じ問題です。
 
こういう単純知識問題は、知っているかどうかで決まります。
 
各省大臣、各委員会及び各庁の長官は、その機関の所掌事務について、公示を必要とする場合においては、告示を発することができる(国家行政組織法第14条1項)。
 
なお、告示とは、国や地方公共団体などの公の機関が、その意思決定や事実等の必要な事項を一般に公に知らせるその行為又は形式を言います。
 
一般に国の機関の告示は、官報に掲載する方法で、地方公共団体の機関の告示は、その地方公共団体の公報に掲載する方法によって行われます。
 
問題1のウにも告示が入ることがわかります。
 
これで問題2の解答は、4と出ましたね。イとエは少し細かいですが、これも知識として押えておくしかありません。
 
問題1(イ) 省令
 
問題2肢イ 誤
 
これは、問題1の12条のイ(省令)の応用問題です。
 
各省大臣が発する命令といえば、「省令」ですね。
 
上記問題2肢アで解説した内閣総理大臣の内閣府令と似たものです。
 
少し知識としては細かいですが、複数の省にまたがる共管事項については、これらの主任の大臣が共同し、共同省令として制定することができます。
 
なお、府と省の共同省令は、「府令・省令」と呼ばれ、例えば、「中小企業協同組合法施行規則」は、内閣府、財務省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省の7府省の共同省令にあたります。
 
この問題は、「内閣府令」という誤った語句を使うことで、これをヒントにしています。
 
ですから、共同省令の知識を聞いているというよりも、内閣府令の権能主体=内閣総理大臣を聞いているといってもいいでしょう。
 
問題2肢エ 誤
 
これも単純知識です。各委員会及び各庁の長官は、別に法律の定めるところにより、政令及び省令以外の規則その他の特別の命令を自ら発することができる(国家行政組織法第13条1項)。
 
問題1では、国家行政組織法12条と14条について出題しているので、この間の条文を出題してきたという感じですね。
 
しかも、問題1のイの選択肢の一つとして「規則」が利用されています。
 
規則とは、外局の長や独立機関(公正取引委員会、人事院など)がそれぞれ、その権限に属する事項について発する命令のことをいいます。
 
なお、これらの法規命令の効力の強さは以下の通りになります。
 
憲法>法律> 政令> 府令・省令 > 規則・庁令
 
以上までが、行政立法の中の法規命令の話です。
 
行政立法の中の行政規則の問題が問題1のエとオの問題です。
 
問題1もアとイが確定した時点で4が正解になりますが、残りのエとオをみていきましょう。
 
問題1(エ)には、「訓令」が入ります。訓令とは行政機関およびその職員を対象として定められる命令をいいます。
 
問題1(オ)には「通達」が入ります。
 
通達とは、上級機関が下級機関に対して、その機関の所掌事務について示達することです。
 
訓令と異なり、通達は書面でなされます。
 
以上より解答は、問題1は4、問題2は4となります。
 
問題1と問題2との比較を少しまとめてみます。
 
 
 
問題1
問題2
法律の委任
73条6号(内閣)
省令
共同省令
告示
告示
イの選択肢の一つ
規則
 
国家行政組織法12条と14条の問題
国家行政組織法13条
 
以上の過去問の比較からも分かるとおり、問題2は、問題1をかなり参考にして作成されている問題だと分析することができます。
 
ということは、過去問の分析が非常に重要であるということが改めてわかる問題であるということです。
 
同一分野の過去問をやる場合は、過去問同士の共通点と相違点を分析しながら勉強することも重要ですので参考にしてみてください。
 
 今回はこの辺りで終わります。
 
 
 来週はお盆休みとさせていただきます。
 
 次回は、8月17日にUPいたします。

テーマ:行政書士と法律資格 - ジャンル:学校・教育

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。