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(解説)    解答 5




前回の続きです。
 
(肢1)
 
もし会社による政治献金ならば目的の範囲外として無効でしょうか。
 
肢1にもあるように、会社の政治献金は、政治活動の自由の一環として憲法21条1項によって保障されており、民法34条の「目的の範囲」は広く解されています。
 
会社に広く政治活動を認めることが、会社の円滑な業務遂行を促し、会社の目的に資する場合も多いからです。
 
もちろん、会社の内部で働く従業員等もいて、会社とは異なる政治団体を支持していることもあるでしょう。
 
しかし、従業員は、いつでもその会社を辞めて他の自分と同じ政党を支持している会社に勤めることも自由なのです。
 
それゆえ、会社の政治活動の自由を広く認めたとしても、内部にいる従業員等の思想・良心の自由に与える影響は少ないのです。
 
ですから、会社による政治献金ならば目的の範囲内として有効となるのです。
 
よって肢1は正しいのです。
 
 
(肢4)
 
なお、確かに、「法の要請する公的な目的の達成を阻害して法の趣旨を没却する結果となることが明らかである。」という部分だけ読むと理解しにくいですね。
 
ただ、選択肢の前段部分と結びつけて、また問題文にある税理士会の目的をもう一度よく読んでみると理解できるのではないでしょうか。
 
問題文には税理士会の目的が載っています。
 
「税理士会は、税理士の義務の遵守及び税理士業務の改善進歩に資するため、会員の指導、連絡及び監督に関する事務を行うことを目的として、税理士にその設立を義務付け、その結果設立された法人である。」
 
簡単に言うと、税理士会の目的の範囲を会社と同じように広範なものと解するならば、税理士会の目的が達成できないことが明らかであるということでしょう。
 
つまり、税理士会の目的は、あくまでも「税理士の義務の遵守及び税理士業務の改善進歩に資するため、会員の指導、連絡及び監督に関する事務を行うことを目的」としているのであって、この目的には税理士会が本問のようなかたちで政治献金をするというのは含まれないのではないかということです。
 
会社には政治献金の自由がありますが、それは税理士会よりも目的の範囲が広いために許されるのであって、税理士会の目的の範囲を超えるものであるということです。
 
したがって、会社による政治献金ならば目的の範囲内として有効となるのです。
 
これに対して、税理士会の場合は、問題文の判例にもあるように、強制加入の団体であり、その会員である税理士に実質的には脱退の自由が保障されていないのですから、その地域で税理士として仕事をしていくためには、思想・信条が異なるからといって、その税理士会をやめるというわけにはいかないのです。
 
ですから、会社の従業員等よりも、税理士会の会員の思想・良心の自由の方がより強く制限されるおそれがあるため、その自由を保護すべき要請が強いのです。
 
それゆえ、税理士会の「目的の範囲」は会社よりも狭く解釈され、今回の判例のケースでは、目的の範囲外として無効とされたのです。
 
よって、肢4は税理士会の政治献金を原則として無効としているので正しいのです。
 
このように同じ民法34条の「目的の範囲」の解釈であるのに、対象や人権制限の程度等が異なれば、事案ごとに解釈の幅に差が出てくるのです。
 
(肢3)
 
肢3は少し難しいかもしれません。
 
「税理士会は、税務行政や税理士の制度等について権限のある官公署に建議し、またはその諮問に答申することができる」ということは、これ自体は税理士会の目的の範囲内の行為ということになります。
 
この答申と「政治資金規正法上の政治団体への金員の寄付を権限のある官公署に対する建議や答申と同視することはできない。」ということは、前者とは異なって、政治団体への金員の寄付の答申は税理士会の目的の範囲外の行為ということになります。
 
ですから、判例と同趣旨ですね。よって、肢3は正しいです。
 
(肢2)
 
肢2は、政党に政治資金の寄付をするかどうかは会員の思想良心の自由とつながるものなので、重要だということを言いたい肢ですから、判例と同趣旨となるでしょう。
 
以上より、肢5が誤りで、正解肢となります。
 
(別解)
 
なお、この問題は、一肢選択問題なので、一つだけ誤っている肢があります。
 
そのため、いつものように方向性でも解くこともできます。
 
(肢1)
 
税理士会の目的の範囲は会社と同じように広く解することはできないということは、政治資金の寄付は目的の範囲を超える可能性が高いという方向ですね。
 
(肢2)
 
税理士会よりも会員個人の思想良心の自由を大事にすべきという意味の肢ですから、これも政治資金の寄付は目的の範囲を超える可能性が高いという方向ですね。
 
(肢3)
 
これも先ほど解説したように、同じ建議や答申であっても、政治資金の寄付については別物という意味ですから、これも政治資金の寄付は目的の範囲を超える可能性が高いという方向ですね。
 
(肢4)
 
これはストレートに政治資金の寄付は原則として無効といっているので上記3つの肢と同じ方向ですね。
 
ということで仮に肢5の意味がよく理解できなくても消去法で正解が5という解答を出すことができます。
 
また、別の解法ですと、一肢選択問題の場合、2つの選択肢が矛盾しているならば、どちらかが答えになる可能性が高くなります。結論の書かれている肢4と5に着目してみましょう。
 
肢4は「無効」、肢5は「有効」となっています。
 
この2つの肢がどちらも正しいとするならば、両立する必要がありますね。
 
そうすると、肢4は原則として「無効」なのですから、肢5は例外として「有効」でなければ、両立しません。
 
もし両立しないのであれば、どちらかが誤っているということです。
 
これを念頭に両肢を読むと、まず肢4には、「~政治資金規正法上の政治団体~」と「政治資金規正法上の」という限定がついています。
 
これに対して、肢5には、「~税理士会に許容された活動を推進することを存立目的とする政治団体~」としか書かれていませんので、このような目的のある政治団体ならば政治資金規正法上の政治団体でもOKという意味にもとれますね。
 
これでは、肢4と5は両立する可能性が低い、つまり、矛盾している可能性が高いことになります。
 
ということで、このどちらかが誤っている可能性があるので、この2つの肢について、まず問題文の判例と照らし合わせて検討するという解法もあります。
 
結論的に肢5が正解肢ですから、このような矛盾する2つの肢に着目するという解き方もあるということも押さえておきましょう。
 
このように未知の判例見解問題が出た場合、難しそうだから捨て問にするのではなく、出題形式を確認し、問題文の記載からのヒントと選択肢をうまく利用して、解けるということを是非参考にしてみてください。
 
以上ですが、一つ注意していただきたいのは、この問題の解法からもわかるように、この問題を解く上では、この問題文の判例以上の知識は特別必要ではないということです。
 
問題文から読み取れる範囲で解答できるように問題が作成されているからです。
 
過去問解説集の中には、問題文の判例にはない他の判例部分を提示して解説しているものもあるかもしれません。
 
しかし、それは解説の便宜上直接の根拠となる部分を引用しているのであって、だからといって問題文の判例にはないところまで載っている判例全文までを理解していなければならないという意味ではないのです。
 
ここを誤解すると、判例も細かいところまで勉強しなければならないという知識偏重型になりかねないので、まずは、私人間効力の意味や解法等について今回解説してある基本的なところをしっかり理解しておきましょう。
 
 
 
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私人間効力 その1 16年度問題4 行政書士試験

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(解説)    解答 5


便宜上、選択肢を前後させて解説していきます。
 
この判例は、南九州税理士会事件(最判平成8年3月19日)です。
 
今回の判例問題を本番の試験で初めてみたとするなら、どのようにしてこのような問題を把握したらよいでしょうか。
 
これくらいの長さのものであれば、いきなり判例そのまま読んでも構いませんが、選択肢からざっと読むというのが定石です。
 
というのも、選択肢というのは、正誤の判断をさせるために出題者側が意図的に作成したものですから、正誤の判断ができるためのヒントが必ずあるからです。
 
そこで、ざっと肢を読むと、肢4に「無効」、肢5に「有効」とありますね。
 
この有効・無効というところでピンときて欲しいのです。
 
憲法で違憲・合憲ではなく、有効・無効が問題になるものといえば、私人間効力の話かなと推測していただきたいのです。
 
テキストで解説したように、人権というのは対国家的な権利ですから、通常は人権を制限する法令などが作られたような場合は、違憲・合憲が問題となるのに対して、私人間効力の場合は、私人が私人の人権を制限する場面ですから、間接適用説からすると、有効・無効が問題となるのです。
 
このように、肢4に「無効」、肢5に「有効」という文言が、私人間効力の問題であることを示すヒントとなります。
 
なお、「憲法に反する・反しない」となるところが、「法令等に反する・反しない」となっている場合も、私人間効力を疑ってみてください。
 
私人間効力の話かなという推測ができた上で、誰と誰の人権が問題となっているか判例を読むと、税理士会とその会員であることがわかりますね。
 
テキストで解説したように私人間効力は、大企業vs個人、つまり、社会的権力のある者vs個人なので、この場合、社会的権力のある者にあたるのは、税理士会となりますね。
 
これで税理士会がその会員の人権を制限している場面であるということがわかるでしょう。
 
そして、肢2、4、5を読むと、それらの正誤は別として、記載内容から、税理士会の政治献金の自由=政治活動の自由(憲法21条1項)と会員の思想・良心の自由(憲法19条)が衝突しているのだろうということがより具体的にわかりますね。
 
ここまでくると、私人間効力の問題であるとの推測が正しかったことも確信できるでしょう。
 
テキストで解説したように、私人間効力は、私法の一般条項の解釈に憲法の趣旨を取り込むわけですから、私法の一般条項が直接的な根拠となります。
 
これは問題文の判例や肢に具体的に条文が示されていません。
 
しかし、ヒントがあります。
 
問題文の判例では、2段目に「~その目的の範囲を判断するに当たっては~」、肢1には「~法人であり、その目的の範囲については~」、肢4には「~目的の範囲外の行為~」、肢5には「~目的の範囲内の行為~」とありますね。
 
「目的の範囲内」という文言が多くのところで共通しており、しかも「法人」のものということがわかれば、初心者の方には難しいですが、既習者の方なら私法である民法の法人の条文を思い出せたのではないでしょうか。
 
この場合、民法34条(改正前43条)が、私法の一般条項にあたると考えていいでしょう。条文をみてみましょう。
 
「民法34条 法人は、法令の規定に従い、定款その他の基本約款で定められた目的の範囲内において、権利を有し、義務を負う。」
 
条文にあるとおり、法人は目的の範囲内で権利能力を有するのです。
 
この民法34条の「目的の範囲」外であれば、法人の権利能力はないですから、無効となるのですが、どういう場合に「目的の範囲」外となるのか、その判断基準自体は、民法34条に何も書かれていませんね。
 
そこで、税理士会の政治献金が「目的の範囲」内なのか外なのかを、税理士会の政治献金の自由とその会員の思想・良心の自由のどちらに重きをおくかを天秤にかけながら判断するのです。
 
これを利益衡量(りえきこうりょう)または比較衡量といいます。
 
税理士会の目的は、問題文の判例の冒頭にあるように、「税理士会は、税理士の義務の遵守及び税理士業務の改善進歩に資するため、会員の指導、連絡及び監督に関する事務を行うことを目的」としており、現税理士法49条6項(改正前49条2項)に記載されています。
 
ですから、後は、税理士会の政治献金が、この目的の範囲内か外かを具体的に判断するのです。
 
問題文の判例の3段目を要約すると、「税理士会の多数決決定に原則として会員は協力義務があるが、会の意思決定が、会員それぞれの思想・良心の自由と衝突するときは、協力義務にも限界がある」ということなので、税理士会の政治献金の自由よりも会員の思想・良心自由の方が優先される場合があるということです。
 
この会員の思想・良心自由の具体的な中身が肢2に記載されています。
 
「政党に政治資金の寄付をするかどうかは、選挙における投票の自由と表裏を成すものとして、会員各人が市民としての個人的な政治的思想、見解、判断等に基づいて自主的に決定すべき事柄である。」
 
政党に政治資金の寄付をするかどうかは、会員が個人として政党を支持するかどうか、つまりどの政党に投票するかどうかにつながり、どの政党に投票するかどうかは個人の政治的信条につながるものです。
 
ですから、個人の思想良心の自由といえるのです。
 
ここで、民法34条の解釈に戻って両者を利益衡量してみると、税理士会の多数決<会員の意思=税理士会の政治献金の自由<会員の思想・良心の自由ということですから、税理士会の政治献金の自由よりも会員の思想・良心の自由の方に重きがおかれ、会員の思想・良心の自由を侵害するような税理士会の多数決による政治献金は、税理士会の目的の範囲を逸脱して無効ということになるのです。
 
ここで肢5をみてください。
 
(肢5)
 
この肢5の文章を書き換えてみると、「税理士会に許容された活動を推進することを存立目的とする政治団体に対する献金であって、税理士会が多数決原理によって団体の意思として正式に決議した場合には、その限りにおいて税理士会の目的の範囲内の行為として有効と解される。」となります。
 
税理士会が多数決原理によって団体の意思として正式に決議した場合であっても、会員それぞれの思想・良心の自由と衝突するときは、協力義務にも限界があるわけですから、税理士会の政治献金の自由よりも会員の思想・良心自由の方が優先される場合は、税理士会の目的の範囲外として無効という結論になるはずですね。
 
ですから、肢5が誤りとなり、これが正解肢となります。
 
肢5の文章をそのまま読むと、何か有効となる場合が限られているので判例の趣旨と合致するようにも思えます。
 
しかし、書き換えてみるとその趣旨に合致しないことがわかりましたね。
 
このように日本語というのは結論に強い印象を与える言語なので、漫然と読むと正しいような錯覚が生じてしまうのです。
 
このような文章の作り方は実は意図的に国家試験で多用されていると言われています。
 
言葉の表現には細心の注意を図り、わかりにくい文章については自分で書き換えたりして意味を把握しながら問題を解くという工夫も必要なのです。
 
皆さんも是非実践してみてください。
 
話を問題に戻しますが、もしこれが会社による政治献金ならば目的の範囲外として無効でしょうか。
 
次回この続きを解説します。
 

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H21-3 未知の問題への対処法 その2 行政書士試験

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(解説)    解答 2




  前回の続きです。憲法の目的=人権保障という方向性から考えてみましょう
 
 
 (肢1)
 
「権利の保障が確保されず、権力の分立がなされていない社会は、憲法をもっているとはいえない」ということは、逆に言うと、憲法があれば、権利が保障され、人権保障の手段である権力分立があるということです。
 
人権保障と三権分立はまさに日本国憲法の目的と手段ですから、日本国憲法に結びつく肢ですね。
 
(肢2)
 
「固有の意味での憲法」というのがよくわかりませんし、この肢の内容からは明確に人権保障と結びつく肢かどうかわかりません。
 
方向性が不明なのでとりあえず保留しておきましょう。
 
(肢3)
 
「日本の憲法の歴史」には、当然日本国憲法が含まれるわけです。問題文における時間軸を並べなおすと、「西洋諸国に対する「開国」→大日本帝国憲法の制定→日本の憲法の歴史」となり、「叙述されなくてはならない」と強調されています。
 
この叙述とは、まさに日本国憲法97条に通じるものです。
 
「第97条 
この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。」
 
日本国憲法の歴史は、その目的とする人権保障の歴史でもあり、欧米での多年にわたる自由獲得の歴史が97条に叙述されて受け継がれているのです。
 
これも、どちらかというと日本国憲法=人権保障と結びつく肢ですね。
 
この時点で、方向性が同じである1と3が正解肢ではないということが推測されます。
 
(肢4)
 
 この肢は一般知識ないし憲法の歴史について少し知らないと難しいと感じるかもしれません。
 
しかし一つ一つ文章を分析していくと人権保障と結ぶつくものであるかどうかの方向性がみえてくると思います。
 
「近代立憲主義が定着したフランス第三共和制において」
 
「フランス第三共和制」が何たるかはわからないとしても近代「立憲」主義が定着しており、「その体制の基本を定める法律を「憲法的」と形容して、憲法的法律と呼んでいた。」わけですね。
 
これは法律から憲法へと社会が変化していることを示唆するものです。
 
ですから、その当時のフランスでは憲法の基礎ができあがってきつつあったということです。
 
最新の憲法である日本国憲法というのは、目的が人権保障なので、この目的に向かって諸外国の法律も歴史的に進化していったのだろうということが推測できます。
 
 ということは少なくとも人権保障とは反対の方向の時代についての記述ではないですね。
 
(肢5) 
 
絶対君主制とは「区別」された意味での立憲君主制が、19世紀ヨーロッパの憲法体制では「広く普及」し、明治時代の日本もこれにならった。
 
19世紀ヨーロッパでは人の支配である絶対君主制を卒業しつつあり、憲法に従って統治する立憲君主制が広く普及」して明治時代の日本もこれにならったということですから、日本国憲法への基礎ができつつあるということの示唆になるでしょう。
 
肢の方向が現在の日本国憲法に至る過程についての記述といえます。ですから、これもどちらかというと人権保障と結びつく肢ですね。
 
これで1と3と5は消去できると思います。
 
後は、肢2と4でどちらがより人権保障を意味するものに近いかどうかを判断すると、4ということになり、消去法で2が正解肢となるわけです。
 
解説の便宜上かなり詳細に説明しておりますが、皆さんが解く際には、もっと直感的にどっちの方向かで肢を切っていただいてもかまいません。
 
このようにうまく消去することができなくても、少なくとも1と3の二つの肢は正解肢ではないということは推測できるのではないでしょうか。そうすると、正答率33%になります。
 憲法の目的=人権保障をヒントに方向性を考えるだけで捨て問にするよりもずっと正解する確率が高まるわけです。
 
なお、固有の意味の憲法と日本国憲法が結びつかないのかと言うとそうではありません。
 
固有の意味の憲法は、いかなる時代のいかなる国家であっても必ず存在し、どのような政治体制とも結びつくものです。
 
 ですから、日本国憲法とも結びつきます。
 
しかし、固有の意味の憲法は人権保障が規定されていない憲法とも結びつきます。
 
これに対して、立憲的意味の憲法は自由主義と結びついた憲法です。
 
つまり、人権保障とその手段である三権分立と結びつくものです。ですから、日本国憲法はこの立憲的意味の憲法により近いのです。
 
 
立憲的意味の憲法=自由主義=人権保障=日本国憲法というつながりになります。
 
結果的に、「実質的意味の憲法」の理解の仕方の分類に従うと日本国憲法はAとBなどのどこかに必ず分類されるはずだという推測をしましたが、その通りでしたね。
 
実質的意味の憲法は固有の意味の憲法と立憲的意味の憲法に分類され、日本国憲法は立憲的意味の憲法により強く結びつくのです。
 
肢に置き換えると以下のようになります。
 
1 立憲的意味の憲法=日本国憲法
2 固有の意味の憲法
3 立憲的意味の憲法=日本国憲法
4 立憲的意味の憲法=日本国憲法
5 立憲的意味の憲法=日本国憲法
 
ですから、日本国憲法と同じ方向性をもった肢であるかどうかを検証することによって、消去法で解答できるのです。
 
これは結果からみているからそうなるのではなくて、そういう問題にしないと憲法の問題にならないのである意味では当たり前なのです。
 
ここまでは解法テクニックですので一応こういう解き方もあるんだなということを押さえてください。
 
ここからもっと重要なお話をしていきましょう。
 
<少ない確実な知識を有効活用しよう!>
 
このような解法について、そんなことをせずに憲法の分類を覚えればいいじゃないかと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
 
新しい知識について貪欲になることは重要なことではあります。
 
しかし、もっと重要なことは今ある知識を最大限に利用することです。
 
一般的にも新しい物を買ったり、新しい情報を得るというのは楽しいですし、何か得した気持ちになります。
 
それは試験に関する知識にとっても同じことでしょう。過去問はもう飽きたから別な新規な問題集に挑戦したくなるのも経験的によくわかります。
 
もし人がコンピューターのように情報を正確に大量に保存でき、利用できるならば、どんどん覚えてくださいと叱咤激励すると思います。
 
しかし、残念ながら人の脳は忘れます。一つ覚えれば二つ忘れていきます。
 
どんどん新しい知識が増えると、逆にどんどん基本的な知識が頭から抜け落ちてきますので、絶対に知っていなければならない基本的知識とその他の知識との区別が自分でできなくなってきます。頭に入っている知識が全部重要なものに思えてきてしまうからです。
 
しかも行政書士試験の出題範囲は、憲法、民法、行政法関係、商法、地方自治法など、まともに勉強したら他の難関国家試験といわれている試験よりもずっと範囲が広いです。
 
その上、一般知識等問題という範囲を捉えにくい出題がなされます。
 
また、科目ごとにどこまで勉強すればいいのか、その勉強すべき深さの程度がわかりにくい試験です。
 
そのため合格基準点をとれば誰でも合格可能な絶対評価の試験であるにも関わらず、合格率が10%以下と低いのです。
 
私たちは、物についてはすぐに新品を買うのではなく、できるかぎり大切に何度も使った方がお得だということを知っています。
 
今の時代はエコの時代なのでなおさらですね。
 
試験における法律知識にも同じことが言えるのです。
 
何となく沢山知識があったほうがお得なような気もしますが、新しい知識をどんどん入れればいずれパンクして破綻します。
 
細かい知識を増やしていく勉強は、百害あって一利なしです。
 
いかに少ない基本的な知識で沢山の問題を解ける方がずっとお得なのです。
 
そのためにはまずは基本的な知識を確実にすることです。
 
そしてその基本的知識を使いこなすことです。
 
本問も憲法の分類の知識がなくても憲法の目的=人権保障をヒントに方向性を考えるだけで捨て問にするよりもずっと正解する確率が高まるわけです。
 
ですから、例えばこの過去問をどうやったらもっと基本的な知識だけで解けるだろうかということを常に考えて解いていただきたいのです。
 
ある意味ゲーム感覚でいかに少ない知識で解けるかどうかに挑戦していただきたいのです。
 
同じ山を別の最短ルートを見つけて登るように何度も過去問に挑戦していただきたいのです。
 
そういう視点から何度も何度も過去問に挑戦し、私の解説よりももっと簡単に解ける方法をみつけていただけるくらいに基本的知識を使いこなせるようになっていただきたいのです。
 
そうすると、本問のような未知の問題に対しては、知識依存型の人は、知識がない以上捨て問で適当にマークするしかないでしょう。
 
そうではなくて、持っている知識で何とか正答率を上げるということを常に意識して問題を解いていただきたいのです。
 
正答率が上がるということはご自身の合格率も上がるということです。
 
今回は1題しか検討していないので憲法の分類の知識を増やすこと自体はそれほど大変ではありません。
 
しかし、このような新しい知識がこれから全科目の範囲にわたって累積的に増えてきます。
 
ですから、未知の問題に対する知識がないときにどう対処するかということを念頭にいれて勉強することの方が試験との関係ではとても実践的であり大事なのです。
 
毎年のように未知の問題が出題されるからです。
 
こうした少ない物、情報の利用の仕方に対する意識は、少ない時間の使い方の意識にも影響してきます。
 
5分の時間があった場合に、5分しかないからまあいいやと思って勉強しないという人と5分あるから肢1つ解こうという人では、1年で換算すると、300肢以上の差が生じます。
 
本試験と同じ程度の量の300肢を一つ一つ検討することは容易なことではありません。
 
この問題の解説を通じて少ない確実な知識を有効活用しよう!という意識が高まっていただければ幸いです。
 
 
以上
 

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H21-3 未知の問題への対処法 その1 行政書士試験

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(解説)



本問は過去問でもあまり見たことのない問題ですので多くの受験生が本番でとまどった問題だと思います。

 
特に本番を意識した解き方という側面から解説いたします。
 
 もちろん憲法の分類についての知識があれば簡単に解けるでしょうが、知識がなかった場合にどうやって未知の問題に対処すればよいでしょうか。
 
一つは知らない問題は、捨て問にして適当にマークをして飛ばすという方法があります。
 
 もう一つは、未知の問題であっても自分の持っている知識を総動員して正答率を少しでも上げておくという方法があります。
 
皆さんはどちらの方法を取るでしょうか。
 
前者の正答率は適当にマークするだけなので最大でも20%です。
 
後者の正答率はどれだけ肢を切れるかにもよりますが、一つ肢が切れると25%、二つで33%、3つで50%の正答率になります。
 
では、具体的に後者の方法について本問を検討していきましょう。
 
なお、問題文の「実質的意味の憲法」、「憲法学における伝統的な分類」についての知識がないことを前提とします。
 
まず出題形式に着目してください。
 
初学者の方もいらっしゃるので一つ一つ解説していきます。
 
本問は、一肢選択問題です。
 
そのため、一つの肢を確実に正解だとわかるか、あるいは4つの肢を確実に消去できれば正解にたどり着きます。
 
消去法で解くことを前提にすると、一肢選択問題は1個の肢がわからなくても正解できる問題といえます。
 
次に肢の方向性を考えます。
 
一肢選択問題では、任意に3つの肢を選んで方向性が同じものが2つ、違うものが1つわかれば、その1つが、検討していない他の2つの肢とも方向性が違うことになります。
 
例えば、以下のように抽象化して考えてみましょう。
 
次の選択肢のうち正解となるものが一つあるが、それはどれか。なお方向の種類は2つしかない。
 
1 右
2 ?
3 左
4 ?
5 右
 
これは、1と5が右の方向、2と4の方向は不明、3は左の方向となっています。
 
当然正解となる肢は、3になります。1が正解なら5も正解なるので正解が一つになりませんね。
 
そうすると、2と4の方向は知識として知らなくても、論理的に1と5と同じ方向である右になると推測できます。
 
これと同じ方法を本問にあてはめてみましょう。
 
問題文の「憲法学における伝統的な分類に従えば、他とは異なっているものはどれか。」という問い方からすると、一つだけ分類の違う肢があるということですね。
 
そして分類するということは、意味が違う、つまり方向が変わるから分類されているわけです。
 
まさに方向性を問う問題です。
 
もう一度問題文に戻ると、『「実質的意味の憲法」の理解の仕方が、憲法学における伝統的な分類に従えば、他とは異なっているものはどれか。』ということは、「実質的意味の憲法」の理解の仕方が、複数あって、その分類に従うと、例えばAとBの二つ以上あるということくらいは推測がつくでしょう。
 
そうすると、憲法学における伝統的な分類を知らなくても、おそらく日本国憲法はAとBなどのどこかに必ず分類されるはずだということはわかります。
 
もし日本国憲法とは全く関係のない問題であるならば憲法の問題として出題せずに、基礎法学か一般知識等問題で出題されるでしょう。
 
このように問題文の情報からもここまでは推測できるのです。
 
さて、皆さんは、少なくとも憲法の目的=人権保障は知っています。
 
初心者の方は別として、どの本や受験機関で勉強された方も必ずこれくらいの知識は当然の前提だと思います。
 
この憲法の目的=人権保障をヒントに方向性を探って正答率があげられかどうかを各肢について次回検証していきましょう。


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