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19年度問題28からの出題です。
 
解答 4 
 
<解説>
 
法令科目としては、今までにはあまりなかったタイプの出題ですね。
 
試験で初めて見たときはびっくりしたのではないでしょうか。
 
現在は過去問として存在しているので、A説が実体法説(停止条件説)、B説が訴訟法説のという知識があれば、それほど難しくはないでしょう。
 
しかしながら、この問題を単なる知識問題として扱って欲しくないのです。
 
出題当時は未知の問題だったので、このような未知の問題が今年の本番で出た場合に、どう解くべきなのかということも合わせて学んでいただきたいのです。
 
本番では毎年のように未知の問題がでます。
 
ですから、そういう場合はすぐに捨問にするのではなく、どこまで正答率を上げるかということを考えるのです。
 
そのためには、自分の持っているものを全て出し尽くすということが重要なのです。
 
まずは形式面からみていきましょう。
 
肢1、3、5は「A説と矛盾する」ものかどうかを聞いています。
 
肢2、4は「B説と矛盾する」ものかどうかを聞いています。
 
このような問題は、肢を上から順にみていくよりも、見解を固定した上で肢を見ていった方が読み返しがなくてすむし、混乱の防止にもなるので、どちらかの見解についての肢だけを先にみてしまうというのが一つの解き方です。
 
そして、皆さんの知っている見解の方から先に検討する方が解きやすいと思います。
 
A説自体を意識して勉強したことがなくても、A説が通説であって当然の前提として時効の分野で勉強しているはずですから、まずA説に関する肢から検討していく方が戦術として有効です。
 
では内容面を検討していきましょう。
 
《肢1》 誤
 
一読しただけでは、矛盾しているかどうか判断できないかもしれません。
 
しかし、時効の援用の趣旨を思い出してください。
 
当事者の意思の尊重でしたね。
 
時効を援用するかあるいは逆に完成した時効の利益を放棄するかは、本人の意思に委ねられるということです。
 
例えば、10年以上前に100万円を借りた債務者がいた場合、時効が完成したのでもう支払わないとして時効を援用してもいいし、その当時の恩は一生忘れないから時間はかかったけど今から少しずつ返していきたいとして時効の利益を放棄してもいいのです。
 
この時効の援用の趣旨について理解していれば、肢1の「道徳に反する面」や「当事者の良心にゆだねたもの」という一見すると法律とは離れたように思える内容も、本人の意思の尊重という意味であるとわかるはずです。
 
よって、肢1はA説に矛盾しないので誤りです。
 
《肢3》 誤
 
時効は原始取得であるということがわかっていれば、時効の効果は起算日に遡りますからA説に矛盾しないことがわかりますね。
 
よって、肢3は誤りです。
 
《肢5》 誤
 
「時効の援用は、法定の停止条件である」と書かれています。
 
時効の援用の趣旨は当事者の意思の尊重でしたね。
 
ですから、援用して初めて確定的に効果が生じることになります。
 
つまり、援用を条件として時効の効果が生じるのです。
 
A説は通説であり、停止条件となっていますから、肢5は、A説に矛盾しません。
 
よって、誤りです。
 
ここまで検討して、A説に関する肢には正解がないことがわかりました。
 
後は、B説に関する肢を検討していけばいいのですから、正答率50%まできましたね。
 
《肢2》 誤  《肢4》 正
 
もし、訴訟法説というのを知らなかった場合、B説の内容を読んでも、ヒントとなるのは「証明」という文言くらいしかありませんからよく意味がわからないかもしれません。
 
しかし、B説は、時効の存在理由を知っていれば、その一つである立証の困難性を根拠にするものであることはわかるでしょう。
 
そして、肢2をみると、「民事訴訟」という文言がでていますね。
 
これがヒントになりそうですね。
 
皆さんは民事訴訟法の勉強をしていませんから詳しいことは知らないと思います。
 
しかし、過去問(H18-1)の基礎法学の問題で、民事の裁判制度について勉強しているはずです。
 
この問題自体は、裁判外の紛争処理手続の種類に関する問題ですが、冒頭の部分に民事訴訟について書かれています。
 
(冒頭部分のみ抜粋)
「紛争当事者は、話し合いにより互いに譲り合って紛争を解決することができる。しかし当事者間で話し合いがつかないときは、権威のある第三者に入ってもらって、紛争を解決するほかない。国家はそのために、正式な裁判のほかにも種々の制度を用意しているが…」
 
この記述からわかるように、「正式な裁判」というのは、民事訴訟のことであって、当事者の紛争解決の方法の一つであることがわかります。
 
つまり、民事訴訟について、これくらいの知識はあるはずですね。
 
そうすると、おそらくB説というのは、「証明」という文言と肢2の「民事訴訟」という文言から、民事訴訟についての話だなというくらいの推測はつくと思います。
 
民事訴訟では、証拠から事実認定をして、事実を法律にあてはめて結論を出します。
 
ここで肢4をみると、「権利関係を証明するための法定証拠を提出する行為」とありますから、肢4は正しいと推測できるでしょう。
 
また肢2に戻ってみると「弁論主義」と書かれています。
 
これはよくわからないぞ、と思うかもしれません。
 
しかし、行政事件訴訟法は試験科目にあり、特に何度か受験したことのある既習者の皆さんは、行政事件訴訟法の勉強をしたことがありますね。
 
そして、行政事件訴訟法は民事訴訟法を原則にしている法律であるということも知っているはずです。
 
行政事件訴訟法7条を参照してみてください。
「行政事件訴訟に関し、この法律に定めがない事項については、民事訴訟の例による。」と書かれていることからわかるように、民事訴訟法を原則としているのです。
 
そして、以下の過去問(H17-38)をみてください。
 
「行政不服審査法によれば、審査請求の審理は原則として書面によるとされているほか、当事者のみならず審査庁自体が物件の提出要求をし、検証をするなど[A]の特色を有する。これは、行政不服審査手続が行政の自己抑制の仕組みであり、訴訟手続と比べて手続の簡易性と迅速性を必要とするためである。
行政事件訴訟では、これまでは一般の民事訴訟と同様に当事者主義的な審理手続がとられてきたが、改正行政事件訴訟法により、行政訴訟の審理の充実・促進の観点から、裁判所が必要があると認めるときは、処分の理由を明らかにする資料を提出させる制度が、新たに導入された。これを[B]の特則という。」
 
この問題自体は、行政不服審査法と行政事件訴訟との比較についての旧タイプの記述式問題ですが、行政不服審査法に関する空欄Aには「職権探知主義」が入ることは勉強していると思います。
 
この問題自体に、職権探知主義についての説明が書かれていますね。
 
そして、この職権探知主義の対概念が弁論主義なのです。
 
この問題の後段部分をみると、明確に弁論主義とは書かれていませんが、「行政事件訴訟では、これまでは一般の民事訴訟と同様に当事者主義的な審理手続がとられてきた」と書かれてあるように、弁論主義は当事者主義と同義なのです。
 
そして、この後段部分からも行政事件訴訟法が民事訴訟法を原則としていることがわかりますね。
 
このように過去問から、民事訴訟=当事者主義=弁論主義というのは、わかるでしょう。
 
当事者による主張・立証によって紛争を解決するのが原則であるということくらいはわかると思います。
 
もっとも、行政事件訴訟は、私人間同士の争いではなく、行政を相手に訴訟するわけですから、当事者間の紛争が解決すればいいというわけではなく、他の国民に対しても同じような結論が求められますから、より客観的に適法かつ公正な結果が求められるのです。
 
ですから、釈明処分や職権証拠調べのような行政不服審査法における職権主義的な制度が導入されたわけなのです。
 
話が少し問題から離れたように思われるかもしれませんが、要するに上記の過去問を解いていれば、弁論主義という言葉がでてきても知っているはずというのが出題者側の前提になっているということです。
 
また、民法の判例は民事訴訟がベースとなっています。
 
ですから、民法の問題であっても民事訴訟の弁論主義について聞かれても不思議なことではないのです。
 
ここで肢2に戻ってみると、B説は、時効の存在理由の一つである立証の困難性を根拠にするものです。
 
そうすると、時効の援用というのは、民事訴訟の中で当事者が主張・立証して救済されるものだということをいいたいのではと推測できるのではないでしょうか。
 
そうすると、肢2はB説と矛盾しませんね。
 
よって、誤りです。
 
これで、正解が肢4であることがわかりました。
 
上記の説明からも、肢4がB説に矛盾しないことは推測つくはずです。
 
このように、本問は一見すると現場思考型の問題とも思われますが、実際には過去問をしっかり勉強して応用すれば、きちんとした根拠をもって正解できる問題なのです。
 
少なくともA説の判断はできるはずでしょうから、50%の正答率までは確率を上げられるはずです。
 
そういう意味で、未知の学説が出てきて、その学説の説明を読んでもよくわからない場合であっても、民法だけにとどまらず、科目を超えて応用できないかどうか考えてみてください。
 
科目を超えて頭をフル回転させるのです。
 
そんなのできるわけがないと思われる方は、過去問の勉強が単なる答えあわせで終わっていないだろうかとよく自問自答してみてください。
 
過去問を完璧にやるということは、いつでも頭の中で検索して出せるということです。
 
それは、問題文はもちろん上記のような問題文の中にある記述も含めてです。
 
未知の問題で困ったら、自分の頭の中で過去問を検索して瞬時にあの問題を利用できないだろうかと科目を超えてできるくらいまで過去問を勉強していただきたいです。
 
せっかく憲法、民法、行政法、会社法と勉強するのですから、それらの科目で共通する部分や対比できるような部分を利用しない手はないでしょう。 
 
そういう意味で、もし今年の本試験で未知の問題がでてもすぐに諦めずに自分が勉強してきた過去問に戻って考えて正解が出せるかどうか正答率を上げる努力はするようにしてください。
 
この問題からも過去問分析の重要性がわかると思います。
 
ですから、現場で考える問題であっても、何となくという主観に頼らず、過去問に戻って客観的な根拠に基づいて解けたかどうかが正解率を高める上で重要なので、形式面・内容面も含めて、こういう解き方も参考にしてみてください。
 
今回はこの辺りで終わります。
 
 
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平成20年度問題28 無権代理  行政書士試験

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解説
 
まずは、本人の追認権(113条)、相手方の催告権(114条)、無権代理人の責任(117条)について先に解説していきます。
 
(肢1)
 
第三者が取消権を行使すると、その効果として、契約不成立が確定します。
 
確定した以上、法律関係の安定のため、それを覆すような追認を本人はもはやすることはできません。
 
逆に、本人が追認してしまえば、本人と第三者との間で契約が有効に成立することが確定するので、法律関係の安定のため、もはや第三者は取消すことができなくなります。
 
このように、第三者の取消と本人の追認は相矛盾する行為であって、二者択一的な関係にあるのです。
  
ですから、肢1において、本人Aが追認すれば契約成立が確定しますから、もはや第三者Cは取り消すことができまぜん。
 
よって、肢1は誤りです。
 
(肢2)
 
無権代理人の責任を追及すると、履行または損害賠償請求することができるのが原則です。
 
しかし、無権代理人が未成年者であった場合、制限能力者である未成年者の保護も考えなければなりません。
 
未成年者に無権代理人の責任を負わせるのが公平なのか、それとも未成年者を保護した方が公平なのかということです。
 
未成年者が有効に法律行為をするためには、法定代理人の同意が必要であり(5条)、同意がなければ取消しうる行為となりますね(121条)。
 
そのことからもわかるように、民法は制限能力者に対しては厚く保護する価値判断をとっているので、未成年者に無権代理人の責任を負わせず、保護するほうが公平だと規定しているのです(117条2項)。
 
未成年者の保護と第三者の保護では、未成年者の保護を優先するという関係にあるのです。
 
未成年者の保護>第三者の保護
 
ですから、未成年者が無権代理人であった場合、第三者は、履行・損害賠償請求のどちらもすることができないのです。
 
よって、肢2は誤りです。
 
(肢5)
 
まず、催告したまま長期にわたって何も返答がなければ、契約の成立・不成立が確定しませんね。
 
これでは、第三者にとって、その法的地位の不安定な状態が続くことになるので不利益となります。
 
そのため、民法では、第三者が本人に対して、相当の期間を定めて催告した場合、その期間内に本人から確答がない場合は、追認を拒絶したものと規定されています(114条)。
 
この場合、契約の不成立が確定します。
 
では、「追認を拒絶したものとみなす」(114条)にしたのは、なぜでしょうか。
 
追認すれば、無権代理人と第三者との契約が本人に帰属しますから、契約成立という効果が契約時に遡って生じます(116条)。
 
つまり、本人の追認によって、法律関係に変動が生じるわけです。
 
これに対して、本人が追認拒絶をしても、無権代理行為によって当初から本人に帰属していない契約の不成立が確定するだけです。
 
本人の追認拒絶によって、法律関係に変動が生じないのです。
 
契約不成立の確定は、本人にとって何も不利益になりません。
 
本人が相当期間内に催告に対して確答しないということは、平たくいうと、「見ず知らずの他人が勝手に代理人と名乗って契約したものに関して返事くれといわれても私は関係ございません」という意思の表れなのです。
 
にもかかわらず、追認が生じるという効果になれば、本人の意思が無視され、契約が成立してしまうわけですから、何ら帰責性のない本人の利益を害することになって民法の公平バランスを崩してしまいます。
 
ですから、本人と第三者の保護を図るために、本人が相当期間内に催告に対して確答しないということは、本人が法律関係の変動を望まない=追認拒絶とみなす、ということにしたのです。
 
これにより、契約の効果が帰属せず、契約不成立となるので本人は保護され、契約不成立が確定することで第三者の法的地位も不安定な状態から脱却することになります。
 
そして、「推定」ではなく、「みなす」であるのは、「推定」であれば反証によって覆る可能性があって法律関係が不安定になるので、法律関係の安定のためなのです。
 
よって、肢5は誤りです。
 
残りの肢3と4は、無権代理人と相続に関する問題です。
 
(肢3)
 
本人の追認拒絶後に無権代理人が相続した場合の問題です。
 
これには著名な判例があります。
 
追認拒絶後の相続の場合(最判平成10年7月17日)
「本人が無権代理行為の追認を拒絶した場合には、その後に無権代理人が本人を相続したとしても、無権代理行為が有効になるものではないと解するのが相当である。
けだし、無権代理人がした行為は、本人がその追認をしなければ本人に対してその効力を生ぜず(民法一一三条一項)、本人が追認を拒絶すれば無権代理行為の効力が本人に及ばないことが確定し、追認拒絶の後は本人であっても追認によって無権代理行為を有効とすることができず、右追認拒絶の後に無権代理人が本人を相続したとしても、右追認拒絶の効果に何ら影響を及ぼすものではないからである。」
 
 この判例によると、本人が生前に追認拒絶をしたならば、その追認拒絶の効果が確定するので、その後に無権代理人が本人を相続しても追認拒絶できるということですね。
 
よって、肢3は正しいです。
 
これが20年度問題28の正解肢となります。
 
(肢4)
 
本肢は短い問題ですが、聞いている内容は、以下の2つの判例の理解です。
 
そのため、本肢をしっかり理解するためには、以下の2つの判例をしっかり理解することが必要となります。
 
ブログでは、判例を紹介するに留めますが、有料講座では、無権代理と相続について判例の整合性も含めて分析して解説した上で、仮に判例の結論を忘れても問題を解くことができる解法テクニックも紹介しております。
 
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本問では、無権代理人が本人を単独で相続した場合と共同で相続した場合とで結論が異なるかどうかが問われていますので、それに関連する2つの判例を紹介します。
 
無権代理人が本人を相続した場合(最判昭和40年6月18日)
 
「無権代理人が本人を相続し本人と代理人との資格が同一人に帰するにいたつた場合においては、本人が自ら法律行為をしたのと同様な法律上の地位を生じたものと解するのが相当である(大判・大正一五年(オ)一〇七三号昭和二年三月二二日判決、民集六巻一〇六頁参照)。」
 
この判例によると、無権代理人と本人の地位が相続によって一体になったということですね。
この場合、無権代理人はもはや代理人ではなく本人つまり契約当事者そのものになってしまうということです。
 
相続によって本人A=無権代理人Bとなるので、Bの行為はA本人がしたことと同じになります。
 
そうすると、初めからAとCで絵画の売買が行われたと考えるわけですから、AつまりBは契約当事者なので、追認拒絶できるわけがないのです。
 
つまり、AC間の売買契約後にAが死亡しBが相続した事例と同じになるということです。
 
もはや無権代理行為はなかったことになりますので、本人の追認拒絶という場面すらなくなるということです。
 
 
無権代理人と共同相続の場合
 
(最判平成5年1月21日)
「 無権代理人が本人を他の相続人と共に共同相続した場合において、無権代理行為を追認する権利は、その性質上相続人全員に不可分的に帰属するところ、無権代理行為の追認は、本人に対して効力を生じていなかった法律行為を本人に対する関係において有効なものにするという効果を生じさせるものであるから、共同相続人全員が共同してこれを行使しない限り、無権代理行為が有効となるものではないと解すべきである。
そうすると、他の共同相続人全員が無権代理行為の追認をしている場合に無権代理人が追認を拒絶することは信義則上許されないとしても、他の共同相続人全員の追認がない限り、無権代理行為は、無権代理人の相続分に相当する部分においても、当然に有効となるものではない。そして、以上のことは、無権代理行為が金銭債務の連帯保証契約についてされた場合においても同様である。」
 
この判例によると、まず、無権代理人が本人を他の相続人と共に共同相続した場合、無権代理行為の追認権は、その性質上相続人全員に不可分的に帰属するといっています。
 
そして、この追認権が性質上不可分であるから、共同相続人全員が共同して追認権を行使しない限り、無権代理行為が有効となるものではなく、無権代理人の相続分に相当する部分においても、当然に有効となるものではないといっています。
 
要するに、無権代理人が本人を他の相続人と共に共同相続した場合、追認権の行使は全員でしないと有効にならないということですね。
 
見方を変えると、他の共同相続人のうち一人でも追認拒絶をしたら、たとえ無権代理人が相続人の中にいても、追認拒絶となってしまうということです。
 
そして、この判例の最後からすると、相続の対象物が可分か不可分かということではないですね。あくまでも追認権の不可分性ということでしょう。
 
しかし、これでは単独相続か共同相続かで結論が全く逆になりますね。
 
これを聞いているのが肢4です。
 
前述の通り、無権代理人が本人を単独相続した場合は、売買契約は当然に有効であるのに対して、共同相続の場合は、共同相続人全員が追認権を行使しないと有効にはなりません。
 
相続という偶然の事情にもかかわらず、単純相続か共同相続かどうかで第三者の保護が変わるのです。
 
よって、肢4は誤りです。
 
 
《判例に対する問題意識》
 
無権代理人が本人を単純相続した場合、第三者Cは悪意でも絵画の履行を請求できて保護されますね。
 
本人Aの存命中に追認拒絶ができることと比べると相続前よりも第三者が有利になっています。
 
つまり、相続前に本人に追認拒絶されたなら、CはBに無権代理人の責任を追及するでしょうが、悪意ならそれもできませんね。
 
相続という偶然の事情で第三者の利益が異なるというのは、民法の公平の観点からすると不公平ではないでしょうか?
 
ブログではここまでにしておきます。
 
これらの判例の他に、本人が無権代理人を相続した場合や無権代理人と本人の両方を相続した場合の判例もありますので確認しておいて下さい。
 
今回はこの辺りで終わります。
 
 
 

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平成20年度問題27   行政書士試験

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解答 5  
 
この問題には、2つのテーマが含まれているのに気がついたでしょうか。
 
2つのテーマとは、無効の主張権者94条2項の「第三者」の範囲です。
 
肢アとウが無効の主張権者の問題であり、肢イとエとオが94条2項の「第三者」の範囲の問題となっております。
 
これらの2つのテーマを見抜ぬくことが出題の意図です。
 
出題意図さえわかれば、簡単だったのではないでしょうか。
 
(無効の主張権者)
 
ア 正 ウ 正
 
虚偽表示は、絶対的無効であるから転得者Cも一般債権者Dも無効を主張することができるのです。
 
なお、もしかしたら、Cは善意の第三者(94条2項)であるから、AB間の売買契約の無効を対抗し得ない結果、Cとの関係では常に有効になるのでは?と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
 
しかし、94条2項については、Cは94条2項の規定を主張することもできるし、無効を主張して初めからなかったことにもできるのです。
 
どちらか自己に有利な方を選択して主張することができるという意味です。
 
物の所有権を取得できるので善意の第三者は94条2項を主張した方が有利のような気もしますね。
 
しかし、肢アの場合に、AがBとの売買契約の無効を主張してきた場合に、Cは、自分は善意の第三者だから「Aさんあなたは私に対抗できないよ」と主張しても、虚偽表示による無効を主張するようなAが「はいそうですか」とそう簡単に認めるわけがありません。
 
ですから、実際は裁判で証拠を提出してCの主張が認められなければならないのが通常なので、善意という主観的な要件を主張・立証するというのは難しいですし、裁判自体、時間と費用が大変な手続きです。
 
そんな面倒な手続きをするくらいなら、さっさとAの言うとおりにして、返金されたお金を元手に別の優良な不動産を探したほうが利益になる場合もあるでしょう。
 
こういう場合は、無効を主張して初めからなかったことにしたいでしょうから、これを選択することもできるのです。
 
このように、無効の主張をするか、善意の第三者の主張をするかを自己に有利な事情に合わせて選択することができるのです。
 
よって、Cは無効主張することができるのです。
 
このように虚偽表示における無効というのは、いつでもどこでも誰でもが主張しうる絶対的無効を意味するのです。
 
これで肢アとウについては理解できたと思います。
 
(94条2項の「第三者」)
 
イ 誤 エ 正 オ 誤
 
肢イ、エ、オの第三者であるC、E、Fは全て善意ですね。
 
それぞれどういう立場にある者であるかというと、C = 転得者 E = 抵当権者 F = 一般債権者ですね。
 
どれも当事者および相続人等の包括承継人以外の者であることは間違いないですね。
 
後は虚偽表示に基づいて新たな独立の利害関係を有する者かどうかですが、その具体的な判断基準は処分権限を有する第三者か否かでしたね。
 
C = 転得者 であり虚偽表示がなければ甲土地の所有権者ですから、処分権限を有する者ですね。
 
ですから、新たな独立の利害関係を有する「第三者」にあたるのです。
 
Cに対しては、当事者たるAおよびBは無効を対抗しえないのです。
 
よって、肢イは誤りです
 
次に、E = 抵当権者 は虚偽表示がなければ、Bが債務不履行をした場合に、甲土地の抵当権を実行できる者ですから、処分権限を有する者ですね。
 
つまり、甲土地を売却するなどの処分をして、金銭に換えて債権の回収を図ることができる者ですから、強い利害関係を持つ者なのです。
 
Eも新たな独立の利害関係を有する「第三者」にあたるのです。
 
よって、エは正しいです。
 
F = 一般債権者 は虚偽表示がなければ、Bが債務不履行をした場合でも、差押をしていなければ、抵当権の実行と同じように甲土地を換価処分することができないので、処分権限を有する者ではないですね。
 
また、仮に無効であっても、Bの他の財産があれば、それを差押えて債権の回収をすることができるので、虚偽表示の対象となった甲土地について強い利害関係があるわけではないですね。
 
これに対して、もし甲土地を善意で差押えていた場合は、甲土地を処分することができる立場にあるので、強い利害関係がある者となります。
 
ですから、差押えをしていない単なる一般債権者は、「第三者」にあたらず、虚偽表示に善意で差押さえをしていた一般債権者は、「第三者」にあたるのです。
 
よって、肢オは誤りです。
 
以上より、イとオが妥当でなく、5が正解肢となります。
 
 
 

テーマ:行政書士と法律資格 - ジャンル:学校・教育

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