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まぐまぐ問題
http://archive.mag2.com/0000260438/20081223113000000.html
 



国家賠償に関連する問題が、平成20年度の問題19および20で2問出題されていることもあり、今回は国家賠償法に関連するH16問題11について勉強していきましょう。
 
 
とりわけ、今までは国家賠償法1条に関する問題が圧倒的に多く出題されており(H19年度は2条に関する問題でした)、過去問とほぼ同じ内容の問題が繰り返し出題されています。
 
 
そのため、国家賠償法関連の問題については、過去問の勉強がそのまま得点につながるので、今回のまぐまぐでは、H16問題11と関連する過去問を出題してみました。
 
 
国家賠償法は、条文数が6条と少なく、出題される箇所がある程度決まっているので一度じっくり目を通されることをお勧めします。
 
 
◆ なお、国家賠償法は民法の不法行為の特則であって、極めて類似していますので、とりわけ1条に関しては使用者責任(民法715条)のところと、また2条に関しては工作物責任(民法717条)のところと一緒に勉強すると効率的だと思います。
 
 
また憲法17条を受けて戦後にできた法律ですのであわせて参照してみてください。
 
 
過去問をお持ちでない方は以下のリンク先を参照してみてください。
 
H16問題11
http://www.sikakuyo.com/gyousho/honsiken/162mondai.html
 
 
まぐまぐの出題順序に沿って解説していきます。
 
 
<1>
 
 
H11問題38肢1です。
 
公権力の行使」の意義に関する問題ですね。
 
 
民法の使用者責任は私人間の問題でしたが、国家賠償法は、一方当事者が国や地方公共団体の場合の特則です。
 
 
では、国家賠償法1条の「公権力の行使に当たる」とはどういった場合なのでしょうか。
 
 
上記の通り、憲法17条を受けてできた法律ですので、国の過ちに対して損害を受けた国民の人権保障を守るものです。
 
 
そうであるなら、国などが関わった違法行為に対しては広く損害賠償できることが望ましいです。
 
 
ですから、国家賠償法1条を国家賠償責任の一般法ととらえ、「公権力の行使」には、公の営造物に関する瑕疵および純然たる私経済活動を除く行政活動すべてを含むものと広く解されているのです。
 
 
具体的には、行政行為、強制執行、即時強制などの本来的な権力作用のほか、行政指導や、国公立学校での教育活動のような非権力的な行政活動や公的事実行為も含まれます。
 
 
ですから、公立学校における教師の教育活動も「公権力の行使」に当たります。
 
 
よって、H11問題38肢1は、誤りですね。
 
 
これとほぼ同じ問題が、H16問題11の肢1ですね。
 
事故などを想定していただければ事実行為なども含むことはわかるでしょう。
 
 
よって、H16問題11の肢1は、正しいです。
 
 
◆ なお、これと関連する問題が、H17問題13肢イ、H18問題20肢1で出題されているので、以下の解説記事も合わせて確認しておいてください。
 
 
H17問題13肢イ
http://sakuradarimuseo07.blog110.fc2.com/blog-entry-147.html
 
H18問題20肢1
http://sakuradarimuseo07.blog110.fc2.com/blog-entry-54.html
 
 
また、平成20年度問題20においても関連する問題が出題されていますが、これについては別の機会に解説させていただきます。
 
 
 
 
<2>
 
 
H15問題10肢5です。
 
 
職務」の意義に関連する問題ですね。
 
 
民法の使用者責任(715条)の「事業の執行について」と同じような解釈をとります。
 
 
つまり、国家賠償は、公務員の違法行為によって、いわれなき人権侵害を救済するものですから、公務員の違法行為の有無は、被害者を基準に判断すべきなのです。
 
 
ですから、公務員の主観は問わず、公務員の行為が、客観的にみて職務行為の外形を備えているかどうかで判断すべきと解されています。
 
 
使用者責任(715条)も、損害を受けた第三者を保護するものですから、客観的に行為の外形を基準として事業に執行に含まれるかどうかを判断し、これを外形標準説といいます。
 
 
このように、被害者からみて、客観的にみて職務行為の外形を備えていれば、国家賠償責任を問えますから、制服着用していたり公務と騙ったりして外形上職務であるようにみえれば、「その職務を行うについて」にあたります。
 
 
そうすると、このまぐまぐの問題はどうなるでしょうか。
 
具体的にイメージしてみると、例えば、甲市を管轄として職務を執行している警察官が休憩等の非番の際に、隣の乙市で、警察官の制服を着たまま第三者に暴行するなどの犯罪行為をしたとしましょう。
 
 
そうすると、被害者の視点から、この警察官の行為を客観的に判断すると、この警察官が本当は甲市の管轄で非番であることは被害者にはわからないことですし、また制服を着たままの行為ですから、警察官の職務行為であると考えるのが通常ですね。
 
 
ですから、H15問題10肢5は、正しいです。
 
 
 
これと関連するのが、H16問題11の肢3で、ほぼ同じ問題ですから、これも正しいです。
 
 
 
◆ なお、これと関連する問題が、H17問題13肢ウ、H18問題20肢2で出題されているので、以下の解説記事も合わせて確認しておいてください。
 
 
H17問題13肢ウ
http://sakuradarimuseo07.blog110.fc2.com/blog-entry-147.html
 
H18問題20肢2
http://sakuradarimuseo07.blog110.fc2.com/blog-entry-54.html
 
 
 
 
<3>
 
 
H11問題38肢4です。
 
 
公務員の個人責任」の有無についての問題ですね。
 
 
仮に民法715条の被用者と同様に、直接的に個人責任を負うとしたらどうでしょうか。
 
 
公務員は自己の保身のために、本来期待される職務を萎縮してできなくなり、かえって国民の権利・自由が守られなくなりますね。
 
 
また、被害者にとっても国等が賠償責任を負ってくれれば問題はないはずです。
 
 
ですから、責任は国等が負い、公務員は個人的な責任を直接負わないこととしているのです。      
 
 
よって、H11問題38肢4は、誤りです。
 
 
これと関連するのが、H16問題11の肢5で、問い方は逆ですが、ほぼ同じ問題ですから、これも正しいです。
 
 
 
<4>
 
 
H20問題19肢1です。
 
 
取消訴訟等との関係」についての問題ですが、今年度も出題されていましたね。
 
 
今回は逆からのアプローチですが、H16問題11の肢4をやっていれば、この問題の正誤も判断できたことでしょう。
 
 
さて、なぜ今回のように国家賠償請求訴訟の前提に取消訴訟等の判決を得ておく必要があるかどうかの問題がでるのでしょうか。
 
 
国家賠償請求が認められるためには、行政処分の違法性があることが前提となります。
 
 
そのため、国家賠償請求訴訟では、行政処分の違法性の有無が審理の対象となるのです。
 
 
それならば、先に処分の取消訴訟等の判決を得ておく必要があるのでは?という疑問が生じるので今回のような問題が出題されるのです。
 
 
しかし、国家賠償請求訴訟では、訴訟物=何が求められているかというと、簡単に言えば「被告は原告に対して金○○を支払え」という金銭の支払いです。
 
 
この場合、この結論に至る過程で行政処分の違法性の有無が審理の対象にはなりますが、これ自体が直接の訴訟の目的ではなく、あくまでも金銭の支払いが目的です。
 
 
このように給付訴訟ですから、民事訴訟手続きでなされます。
 
 
これに対して、処分の取消訴訟等では、訴訟の目的は、処分の取消あるいは無効確認そのものの形成訴訟であり、行政事件訴訟手続きでなされます。
 
 
また、仮に取消訴訟等の判決を得ておく必要があるとすれば、出訴期間が過ぎてしまった場合は、国家賠償請求もすることができなくなり、被害者の救済という趣旨が妥当しなくなります。
 
 
このように、審理対象に共通する部分があっても、訴訟の目的が異なるので、別個独立の訴訟なのです。
 
 
そのため、前提として取消訴訟等の判決を得ておく必要はなく、直接国家賠償請求訴訟をすることができるのです。
 
 
よって、H20問題19肢1は、誤りです。
 
 
これと関連するのが、H16問題11の肢4で、問い方は逆ですが、ほぼ同じ問題ですから、これも正しいです。
 
 
ここまでくれば消去法で、H16問題11については、肢2が誤りだとわかりますね。
 
 
 
 
<5>
 
 
H14問題5肢1です。
 
 
法律上の争訟」に関する問題です。
 
 
上記の通り憲法17条を受けてできた法律ですので、その上位規範である憲法を思い出してみましょう。
 
 
司法権とは、法律上の争訟について、法を適用し、宣言することによって、これを裁定する国家の作用をいいます。
 
 
そして、法律上の争訟とは、当事者間における具体的な権利・義務または法律関係の存否に関する紛争であって(=事件性の要件)、法律を適用することによって、終局的に解決することができるものをいいます(=終局性の要件)。
 
 
この、(イ)事件性の要件 (ロ)終局性の要件 を満たしたものが、司法権の範囲となります。
 
 
そうすると、具体的事件を離れて抽象的に法律命令等の合憲性を判断することは、事件性の要件を欠きますね。
 
 
よって、H14問題5肢1は、正しいです。
 
 
これと関連するのが、H16問題11の肢2です。
 
 
上記の抽象的な訴えではなく、名誉毀損にあたるとする国家賠償の訴えですから、民法における名誉毀損による損害賠償請求を思い出していただければ、民事訴訟で解決しうる訴訟だろうということは分かると思います。
 
ですから、(イ)事件性の要件 (ロ)終局性の要件 を満たします。
 
よって、H16問題11の肢2は、誤りでこれが正解肢です。
 
 
◆ なお、もしかしたら司法権の限界のところで勉強する部分社会の法理の問題と考えて、町村議会の決議に司法権が及ぶのかと疑問に思った方もいらっしゃるかもしれません。
 
 
しかし、司法権の限界の話は、法律上の争訟があるのが前提の話ですから、仮に部分社会の話であっても法律上の争訟の要件を満たすことには変わりませんので注意してください。
 
 
以上ですが、来年度もまた国家賠償関連の問題が2問出題されるかもしれませんので、まずは今回のような過去問で基礎固めをしておきましょう。
 
 
今回は、この辺りで終わります。
 
 
 
 
これで今年最後の解説記事となりましたが、皆さんの今年一年はどんな年でしたか?
 
 
一年が経つのは本当に早いもので、今年もいよいよ終わりに近づいてきましたね。
 
 
今年も一年間お付き合いいただきまして本当にありがとうございました。
 
 
皆さんにとって来年もまたよい年になりますよう心からお祈り申し上げます。
 
 
また来年もよろしくお願いいたします。
 
 
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ストーリー化と比較! 16年度問題16 行政書士試験

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まぐまぐ問題
http://archive.mag2.com/0000260438/20081216113000000.html
 






今回は行政庁の不作為に対する不服申立てについて勉強しましょう。
 
 
過去問をお持ちでない方は以下のリンク先を参照してみてください。
 
H16問題16
http://www.sikakuyo.com/gyousho/honsiken/162mondai.html
 
 
皆さんは、過去問などの問題集の勉強をするとき、肢ごとに個別に正誤を判断してインプットしていると思います。
 
つまり、肢別問題集のように肢ごとに問題と解説を1対1の関係で勉強しているのが普通のやり方だと思います。
 
 
しかし、問題によっては、肢の順番を並べ替えて一つのストーリーにして内容を把握しておくと、その問題で出題されたテーマを理解しやすくなります。
 
 
肢ごとのバラバラの知識をインプットするよりも、テーマに沿って肢を関連付けてインプットしたほうがより記憶に残りやすいはずです。
 
 
そういった復習方法の一つを今回の問題を利用して、解説していきます。
 
 
ではまぐまぐの問題をみていきましょう。
 
 
<1>
 
 
(1)
 
 
例えば、前回お話したような飲食店の営業の許可を取得しようと、行政庁に対して法令に基づいて適法に申請したにもかかわらず、放置されたままであれば、手続きが全く進行しません。
 
 
これでは営業の許可を取得することが出来ず、事実上営業の自由(憲法22条)を奪われてしまうことになりかねません。
 
 
しかも放置しているならば、不利益な処分にもあたらないですから聴聞や弁明手続きもなされません。
 
 
そこで、「簡易迅速な手続による国民の権利利益の救済を図るとともに、行政の適正な運営を確保する」という行政不服審査法の目的を達成するために、このような行政庁の不作為も対象となるのです。
 
 
これと関連する肢は 2 であり、以上の理由から正しいとわかりますね。
 
 
 
(2)
 
 
行政庁の違法・不当な処分によって、国民の権利・自由が不当に制限されている場合に、このような違法・不当な処分を是正して、国民の権利・自由を保護しなければなりません。
 
ある意味、個人の尊厳(憲法13条)の具体化の一つとして、事後的な救済を図るために行政不服審査法があるのです。
 
行政事件訴訟と異なり、行政庁が判断権者なので、簡易迅速な手続きであり、また違法でなくても不当の場合も救済されるので、審理対象が広いという点でメリットもあるのです。
 
 
 
このように行政庁の処分または不作為によって、不当な制限を受けた国民の権利・自由を事後的に救済するために行政不服審査法があるのです。
 
 
 
<2>
 
 
(1)
 
 
不作為というのも、申請に対して対応しないという行政庁の判断ですから、消極的な意味での処分ともいえそうですが、放置されているだけでは行政庁の判断した時点が全く申請者にはわかりませんね。
 
そういう意味で、性質上申立ての期間制限を設けることができないのです。
 
 
これに関連する肢は 5 で正しいですね。
 
 
(2)
 
 
これに対して、申請に対して何らかの処分がなされれば、その処分された時点は通知や告知によって明確ですね。
 
 
簡易迅速な手続きなので処分があったことを知った日の翌日から起算して60日以内という不服申立ての期間制限が課せられているのです。
 
 
 
 
なお、審査請求に関しては、処分のあった日の翌日から起算して1年経過すると、正当な理由がない限り申立てができなくなります。
 
 
 
<3>
 
 
(1)
 
 
不作為の場合は、異議申立て、審査請求のいずれかを選択することができる自由選択主義でしたね。
 
 
上記の通り、放置されている申請に対して何らかの対応を促すのが目的ですから、処分庁に直接異議申立てをした方が簡易迅速な手続きが期待できる場合もあるのです。
 
ただし、直近行政庁がいなく審査請求が出来ない場合もあります。
 
 
これと関連する肢は 1 で正しいですね。
 
 
 
(2)
 
 
処分庁が一度した意思決定である処分について、再度同一処分庁に異議申立てをしても同じ判断をする可能性が高いですから、あまり実益があるとは思えません。
 
 
ですから、処分庁以外の行政機関に判断を求めたほうがより公正で客観的な審理を期待できますね。
 
 
それゆえ、処分の場合は、審査請求を原則とする審査請求中心主義が採用されているのです。
 
 
       なお、H17問題15の解説記事も合わせて参考にしてみてください。
 
 
H17問題15の解説記事
http://sakuradarimuseo07.blog110.fc2.com/blog-entry-107.html
 
 
 
<4>
 
 
(1)
 
 
不作為に対する異議申立てがなされた場合、何もしないで放置していたことについて正当な理由があれば、その旨を示す必要があります。
 
 
このような正当な理由がなければ、何らかの行為をしなければなりません。
 
何らかの行為とは、申請通りの処分あるいは申請を拒否する不利益処分等も含まれます。
 
行政庁の迅速な対応を求めるために不服申し立てがなされたわけですから、行政庁は、理由を示す場合も、何らかの行為をする場合も、異議申立てがあった日の翌日から起算して20日以内にしなければなりません(50条2項)。
 
 
これと関連する肢は 3 で正しいですね。
 
 
(2)
 
 
処分に対する異議申立てに理由がなければ、請求棄却されます。
 
処分が違法・不当であるとの理由があれば請求認容されます。
 
具体的には、処分庁が決定で処分の全部または一部を取消します。
 
 
<5>
 
 
(1)
 
 
不作為についての審査請求に理由がないときは、審査庁は、裁決で、当該審査請求を棄却します。
 
 
不作為についての審査請求に理由があるときは、裁決で請求認容します。
 
 
具体的には、審査庁は、当該不作為庁に対しすみやかに申請に対するなんらかの行為をすべきことを命ずるとともに、裁決で、その旨を宣言します。
 
 
ここでいう「なんらかの行為」も異議申立ての場合と同様に、申請の承諾処分あるいは申請を拒否する不利益処分等も含まれると解されています。
 
 
これに関連する肢は 4 で誤っていますね。
 
不作為であることを確認して、再度申請するわけではありません。
 
これは不作為の違法確認訴訟との混乱をねらった出題ですね。
 
 
これが正解肢です。
 
 
(2)
 
 
上記の異議申立てと同様に、処分に対する審査請求に理由がなければ、請求棄却されます。
 
処分が違法・不当であるとの理由があれば請求認容されます。
 
具体的には、審査庁が裁決で処分の全部または一部を取消します。
 
 
◆ なお、不服申立ての要件を欠いている場合は、不服申立ては内容を審理されることなく却下されることになります。
 
内容を審理される棄却との違いを押さえておきましょう。
 
 
以上で、不作為の不服申立てについて、その理由→期間制限→方法→異議申立て→審査請求という勉強しやすい順序で解説し、これと比較して押さえておくために処分についても合わせて解説いたしました。
 
 
簡単にまとめると以下のようになります。
 
 
                                    処分                     不作為
 
対象理由(肢2)       違法不当な処分の是正         不作為の是正
 
期間制限(肢5)         知った日の翌日から起算して       なし
60日以内      
 
方法(肢1)             審査請求中心主義           自由選択主義
  
異議申立て(肢3)       決定で処分の取消(認容)       理由の提示
                                                  何らかの行為
 
審査請求(肢4)        裁決で処分の取消(認容)       何らかの行為
 
 
 
以上の解説を前提に、肢も、肢2→5→1→3→4という順序で読むと、一つの流れ、ストーリーとして頭に入ってきやすいのではないかと思いますので、このような過去問のまとめ方を参考にしてみてください。
 
 
一題の過去問の肢を並び替えてストーリー化して整理し、さらに関連部分と比較してまとめておくと一題の復習で二題分、三題分の勉強をすることができ効率的だと思います。
 
 
◆ なお、今回は省略しましたが、できれば不作為の違法確認訴訟とも比較して勉強しておくと効果的だと思います。
 
 
不作為の違法確認訴訟については、H20問題16で出題されていますので、また時機をみて改めて解説することにします。
 
 
H20問題16
http://www.sikakuyo.com/gyousho/honsiken/202mondai.html
 
 
今回はこの辺りでおわります。
 



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行政手続法の必要性 16年度問題12 行政書士試験

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まぐまぐの登録をされていない方は、以下のリンク先を参照してみてください。
 
まぐまぐ問題
http://archive.mag2.com/0000260438/20081209113000000.html
 


今回まぐまぐで出題した問題は非常に簡単ですが、だからといって気を抜いてはいけません。
 
 
こういう基本的な問題をパーフェクトに理解した上で当たり前に解けることが今回の課題です。
 
 
 
◆ なお、解説記事はわかりやすさを優先させているので、細部を簡略化して解説してある場合もございますので、あらかじめご了承ください。
 
 
過去問をお持ちでない方は以下のリンク先を参照してみてください。
 
H16問題12
http://www.sikakuyo.com/gyousho/honsiken/162mondai.html
 
 
行政手続法は、平成5年に成立した法律ですから、人間にたとえるとまだ15歳に過ぎません。
 
明治生まれの民法からすると、ひ孫のような法律です。
 
 
一般法として制定されていなかった行政手続法をなぜ制定する必要があったのでしょうか。
 
 
例えば、行政手続法の成立前に、ある人が飲食店を経営しようと思っていたとしましょう。
 
 
しかし、いつでもどこでも自由に飲食店を営業することはできないのです。
 
 
食品の安全性を確保して国民の健康の保護を図るために食品衛生法上の営業許可をもらわなければならないのです。
 
 
(参考)食品衛生法1条
この法律は、食品の安全性の確保のために公衆衛生の見地から必要な規制その他の措置を講ずることにより、飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止し、もつて国民の健康の保護を図ることを目的とする。
 
 
そのため、飲食店を営業しようとする者は、通常行政書士に依頼して営業許可の申請をするのです。
 
 
その結果、何らかの理由で不許可処分の通知が届いたとしましょう。
 
 
その通知書には不許可の理由も何も書かれていませんでした。
 
 
申請者の意見なども全く考慮せずに一方的に判断されてしまったのです。
 
 
つまり、行政側がどのように意思決定をしたのか、その過程が全くみえないまま処分がだされたのです。
 
 
しかし、これでは行政側の独断と偏見で判断がなされたとしても処分が出る前には全くわかりません。
 
 
また、事後的に行政不服審査法や行政事件訴訟法で争うこともできますが、費用と時間がかかるためなかなか利用しにくいです。
 
 
その上、行政行為には公定力(取消されるまでは有効であるとされる効力)があるので、いわゆるお上の判断だから正しく逆らってはいけないという雰囲気もあるのです。
 
 
これでは、事実上行政の思いのままに従うことになって国民主権とはいえないですし、形式的には適法な処分であっても実質的には国民の権利・自由が不当に制限されるおそれもあるのです。
 
 
このように行政手続法が成立するまでは、一般的な事前の救済手続きがなかったのです。
(個別の法律ごとに事前の救済手続きがあったりなかったりしていた状態だったのです)
 
 
そこで、処分がでるまでの行政の意思決定過程がよくわかるように、意見を述べたり資料提出などもできたりするなど国民の目に見える行政手続きについての一般的な仕組みを作る必要性があったのです。
 
 
行政の恣意を排除し、公正かつ透明性のある手続きを経ることによって、国民の権利利益を保護するために行政手続法が制定されたのです。
 
 
こうした経緯が今回出題した1条の目的に、凝縮されているのです。
 
 
もっとも、行政手続というのは、多種多様ですから、全ての行政手続きについて一般的に規律することは難しいのです。
 
 
より慎重な手続きが必要であったり、あるいは性質上行政手続法の適用になじまないものもあったりするのです。
 
 
そのため、広く行政手続法の適用除外が認められています(3条)。
 
 
また、議論が成熟しないと立法化されることが難しいために、平成5年当初は、処分、行政指導及び届出に関する手続についての立法でしたが、平成17年改正では、行政立法過程の公正の確保、透明性の向上を図るために命令等の手続きも適用対象となり、意見公募手続き(39条~41条)が明文化されたのです。
 
 
上記の通り、行政手続法はまだ15年程度しかたっていない法律ですから、議論が成熟すれば今後も改正によって、命令等の手続きのように適用対象がより広くなる可能性があるのです。
 
 
以上が行政手続法の成立過程の核となる部分であり、行政手続法を勉強する上で基礎となる部分ですので、しっかり理解するようにしてください。
 
 
 
これがわかっていれば、H16問題12も簡単ですね。
 
 
それでは、まぐまぐの解説を簡単にしていきましょう。
 
 
<1>
 
 
(ア)申請に対する(イ)不利益(ウ)聴聞(エ)行政指導(オ)意見公募手続等
 
 
特に初学者の方に対してですが、法律を勉強する際には、いきなり個別の条文を読むのではなく、まず条文全体の構造を押さえることが重要ですので、この問題を出題してみました。
 
 
他の法律も同じですので、常にこの法律はどんな条文構造になっているんだろうということを意識して参考にしてみてください。
 
 
一通り勉強している方ならば瞬時に答えられなければならない問題ですから、ちょっと考えた方はしっかり確認しておくようにしましょう。
 
 
 
<2>
 
 
 
(カ)行政指導(キ)命令等(ク)公正(ケ)透明性(コ)国民の権利利益
 
 
上記の通り、目的はその法律の基礎を理解するためにとても重要です。
 
 
行政手続法の問題で迷ったら、この目的に立ち返るということをしてみると何かのヒントになるかもしれません。
 
 
他の法律も同じですので、参考にしてみてください。
 
 
 
<3>
 
 
肢1:「事後的救済手続」という部分が誤りですね。
 
行政手続法は、事前の救済手続きです。
 
 
肢3:「不服申立てに対する行政庁の裁決、裁判の執行としてされる処分、公務員の身分に関してされる処分」は適用除外とされていますから誤りですね(それぞれ3条15号・2号・9号)。
 
仮にこのことを知らなくても、不服申立てが事後的救済手続きであることを知っていれば、それだけでこの肢が誤りだとわかります。
 
肢4:「行政処分については事前聴聞手続」という部分が誤りですね。
   
<1>の条文構造からも分かるとおり、処分の中でも申請に対する処分と不利益処分とがありますから、事前聴聞手続が義務づけられているのは不利益処分だけですね。
しかも、弁明手続きでよい場合もあり、不利益処分すべてに聴聞が必要なわけではありません。
 
 
肢5:「~契約について、入札制などの手続規定を置いている~」
 
条文構造や1条の目的からも分かるとおり、今のところ行政契約は対象となっていませんね。
 
 
結論として、肢2が正解肢でした。
 
 
このように、条文の構造や目的の理解があれば簡単に解くことができる問題も実際に試験で出題されているのです。
 
 
そういう意味で、基礎というのは非常に重要ですので、初学者の方は、条文全体の構造や目的をまず押さえてから勉強し、またすでに勉強されている方も「木を見て森を見ず」の個別の条文の知識だけで問題を解いていないかどうかを改めて確認してみてください。
 
 
◆ なお、行政手続法で出題頻度が高いのは、聴聞・弁明に関する問題ですので、以下の解説記事もあわせて参考にしてみてください。
 
 
H17問題11の解説
 
その1
http://sakuradarimuseo07.blog110.fc2.com/blog-entry-127.html
その2
http://sakuradarimuseo07.blog110.fc2.com/blog-entry-128.html
 
 
H18問題11の解説
http://sakuradarimuseo07.blog110.fc2.com/blog-entry-43.html
 
 
H19問題11の解説
http://sakuradarimuseo07.blog110.fc2.com/blog-entry-227.html
 
 
 
今回はこの辺りで終わります。
 

テーマ:資格取得 - ジャンル:学校・教育

肢のヒントを見抜け!16年度問題4(2) 行政書士試験

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  <追記> 平成20年12月5日


 民法の法人部分が改正され平成20年12月1日に施行されました。


法人33条から84条まであった条文が33条から37条までの5条のみなり、他の部分は「 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」等で規律されることになりました。


これらの法律まで含めて試験範囲となるのかどうかは来年度の試験案内がでるまでは不確実です(民法のみとの試験案内がでても借地借家法のような扱いをされれば含まれる可能性もあります。)。


そのため、現状では民法43条→34条と変わっていますが、憲法の解説ということもあり、便宜上判例そのままの従前の条文で解説してありますのでご了承ください。






今回もまぐまぐの質問に従って解説していきます。
 
まぐまぐの登録をされていない方は、以下のリンク先を参照してみてください。
 
まぐまぐ問題
http://archive.mag2.com/0000260438/20081202113000000.html
 
 
過去問をお持ちでない方は、以下のリンク先を参照してみてください。
 
H16問題4
http://www.sikakuyo.com/gyousho/honsiken/161mondai.html
 
 
 
<1>
 
 
今回の判例問題を本番の試験で初めてみたとするなら、どのようにしてこのような問題を把握したらよいでしょうか。
 
 
(1)
 
これくらいの長さのものであれば、いきなり判例そのまま読んでも構いませんが、選択肢からざっと読むというのが定石です。
 
 
というのも、選択肢というのは、正誤の判断をさせるために出題者側が意図的に作成したものですから、正誤の判断ができるだけのヒントが必ずあるからです。
 
 
そこで、ざっと肢を読むと、肢4に「無効」、肢5に「有効」とありますね。
 
 
この有効・無効というところでピンときて欲しいのです。
 
 
憲法で違憲・合憲ではなく、有効・無効が問題になるものといえば、私人間効力の話かなと推測していただきたいのです。
 
 
前回解説したように、人権というのは対国家的な権利ですから、通常は人権を制限する法令などが作られたような場合は、違憲・合憲が問題となるのに対して、私人間効力の場合は、私人が私人の人権を制限する場面ですから、間接適用説からすると、有効・無効が問題となるのです。
 
 
このように、肢4に「無効」、肢5に「有効」という文言が、私人間効力の問題であることを示すヒントとなります。
 
 
◆ なお、「憲法に反する・反しない」となるところが、「法令等に反する・反しない」となっている場合も、私人間効力を疑ってみてください。
 
 
 
 
 
(2)
 
 
私人間効力の話かなという推測ができた上で、誰と誰の人権が問題となっているか判例を読むと、税理士会とその会員であることがわかりますね。
 
 
前回解説したように私人間効力は、大企業vs個人、つまり、社会的権力のある者vs個人なので、この場合、社会的権力のある者にあたるのは、税理士会となりますね。
 
 
これで税理士会がその会員の人権を制限している場面であるということがわかるでしょう。
 
 
そして、肢2、4、5を読むと、それらの正誤は別として、記載内容から、税理士会の政治献金の自由=政治活動の自由(憲法21条1項)と会員の思想・良心の自由(憲法19条)が衝突しているのだろうということがより具体的にわかりますね。
 
 
ここまでくると、私人間効力の問題であるとの推測が正しかったことも確信できますね。
 
 
(3)
 
これは少し難しいかもしれません。
 
前回解説したように、私人間効力は、私法の一般条項の解釈に憲法の趣旨を取り込むわけですから、私法の一般条項が直接的な根拠となります。
 
これは問題文の判例や肢に具体的に条文が示されていません。
 
しかし、ヒントがあります。
 
問題文の判例では、2段目に「~その目的の範囲を判断するに当たっては~」、肢1には「~法人であり、その目的の範囲については~」、肢4には「~目的の範囲外の行為~」、肢5には「~目的の範囲内の行為~」とありますね。
 
 
目的の範囲」という文言が多くのところで共通しており、しかも「法人」のものということがわかれば、民法の法人の条文を思い出せたのではないでしょうか。
 
この場合、民法43条が、私法の一般条項にあたるのです。
 
具体的な条文番号まで思い出せる必要はありませんが、法人は目的の範囲内で権利能力を有するということは、法人のところで最初に勉強したはずですから、これを思い出せればよかったわけです。
 
 
◆ なお、仮に思い出せなかった場合でも、具体的な条文が正解にかかわるものではありませんから、そういう場合は全て民法90条の有効・無効の問題として考えていただいても問題ないでしょう。
 
 
 
この民法43条の「目的の範囲」外であれば、法人の権利能力はないですから、無効となるのですが、その判断基準自体は、民法43条に何も書かれていませんね。
 
 
そこで、税理士会の政治献金が「目的の範囲」内なのか外なのかを解釈するにあたって、
税理士会の政治献金の自由とその会員の思想・良心の自由のどちらに重きをおくかを天秤にかけながら(これを利益衡量または比較衡量といいます)、判断するのです。
 
 
税理士会の目的は、問題文の判例の冒頭にあるように、「税理士会は、税理士の義務の遵守及び税理士業務の改善進歩に資するため、会員の指導、連絡及び監督に関する事務を行うことを目的」としており、現税理士法49条6項(改正前49条2項)に記載されています。
 
 
ですから、後は、この目的の範囲内か外かを具体的に判断するのです。
 
 
以上で、今回の判例問題の把握自体はできたのではないでしょうか。
 
 
税理士会の行為が民法43条の目的の範囲内か外か?
 
税理士会の政治献金の自由vsその会員の思想・良心の自由
 
利益衡量して有効・無効の判断
 
 
 
 
<2>
 
 
(1)
 
 
上記の通り、私人間効力の問題ということが把握できました。
 
 
その上で、この判例の趣旨に照らして妥当でないものを探し出さなければ正解となりませんが、どのようにして正解肢を探し出せばよいでしょうか。
 
 
オーソドックスな解き方としては、各肢を一つずつ問題文の判例に照らし合わせて検討するというやり方があります。
 
 
しかし、5度も判例を読み返すのに時間がかかる上、問題文の判例にないことが各肢で書かれており、それが正誤の判断材料だった場合は、どの肢も切ることができませんので、あまり効率的な解き方とはいえません。
 
 
今回の問題は、まさに問題文の判例から直ちに肢の正誤を判断できない問題なので、オーソドックスな解き方ですと、難しく感じることでしょう。
 
 
例えば、肢1「~会社とはその法的性格を異にする法人~」については、問題文の判例では直接言及されていません。
 
 
そこで、一つの解法テクニックとしては、H17問題4のように、方向性で肢を切るというものがあります。
 
 
つまり、本問のように、一肢選択問題では、見解や判例等と異なる考え方というのは1つしかなく、逆にいうと4つは同じ考え方ということになります。
 
 
ですので、任意の3つの肢から1つだけ方向性の違う肢がわかれば、他の2つの肢を検討するまでもなく、答えがでてしまいます。
 
詳細は以下の記事を参照してみてください。
 
 
H17問題4
http://sakuradarimuseo07.blog110.fc2.com/blog-entry-123.html
 
 
 
ところが、今回の問題は、肢1から3までは明確に結論が書かれていないため、ちょっと方向性がみえにくく、H17問題4のようには解けないかもしれません。
 
 
そこで、まずは結論の書かれている残りの肢4と5に着目してみましょう。
 
 
肢4は「無効」、肢5は「有効」となっています。
 
 
この2つの肢がどちらも正しいとするならば、両立する必要がありますね。
 
 
そうすると、肢4は原則として「無効」なのですから、肢5は例外として「有効」でなければ、両立しません。
 
 
もし両立しないのであれば、どちらかが誤っているということです。
 
 
これを念頭に両肢を読むと、まず肢4には、「~政治資金規正法上の政治団体~」と「政治資金規正法上の」という限定がついています。
 
 
これに対して、肢5には、「~税理士会に許容された活動を推進することを存立目的とする政治団体~」としか書かれていませんので、このような目的のある政治団体ならば政治資金規正法上の政治団体でもOKという意味にもとれますね。
 
 
これでは、肢4と5は両立する可能性が低い、つまり、矛盾している可能性が高いことになります。
 
 
(2)
 
 
ということで、このどちらかが誤っている可能性があるので、この2つの肢について、問題文の判例と照らし合わせてみましょう。
 
 
そうすると、肢5と、問題文の判例の3段目「~税理士会は~おのずから限界がある。」という部分が矛盾していますね。
 
 
つまり、問題文の判例の3段目を要約すると、「税理士会の多数決決定に原則として会員は協力義務があるが、会の意思決定が、会員それぞれの思想・良心の自由と衝突するときは、協力義務にも限界がある=会員の自由の方が優先される場合がある」ということですね。
 
 
ここで、<1>の民法43条の解釈に戻って両者を利益衡量してみると、税理士会の多数決会員の意思=税理士会の政治献金の自由会員の思想・良心の自由ということですから、正式な多数決がなされても、目的の範囲外として無効という結論になるのがわかりますね。
 
 
よって、肢5が誤りとなり、正解肢となります。
 
 
◆ なお、肢2「~自主的に決定すべき事柄~」から多数決より会員の意思の方が優先される結論づけられるなら、方向性で肢2と肢4が同じで、肢5が違うという判断で結論を出してもかまいません。
 
 
 
<3>
 
 
さて、なぜ税理士会の行為は無効とされたのでしょうか。
 
それは会社と比較することで明確になります。
 
 
肢1にもあるように、会社の政治献金は、政治活動の自由の一環として憲法21条1項によって保障されており、民法43条の「目的の範囲」は広く解されています。
 
 
会社に広く政治活動を認めることが、会社の円滑な業務遂行を促し、会社の目的に資する場合も多いからです。
 
 
もちろん、会社の内部で働く従業員等もいて、会社とは異なる政治団体を支持していることもあるでしょう。
 
 
しかし、従業員は、いつでもその会社を辞めて他の自分と同じ政党を支持している会社に勤めることも自由なのです。
 
それゆえ、会社の政治活動の自由を広く認めたとしても、内部にいる従業員等の思想・良心の自由に与える影響は少ないのです。
 
 
これに対して、税理士会の場合は、問題文の判例にもあるように、強制加入の団体であり、その会員である税理士に実質的には脱退の自由が保障されていないのですから、その地域で税理士として仕事をしていくためには、思想・信条が異なるからといって、その税理士会をやめるというわけにはいかないのです。
 
 
ですから、会社の従業員等よりも、税理士会の会員の思想・良心の自由の方がより強く制限されるおそれがあるため、その自由を保護すべき要請が強いのです。
 
 
それゆえ、税理士会の「目的の範囲」は会社よりも狭く解釈され、今回のケースでは、目的の範囲外として無効とされたのです。
 
 
このように同じ民法43条の「目的の範囲」の解釈であるのに、対象や人権制限の程度等が異なれば、事案ごとに解釈の幅に差が出てくるのです。
 
 
以上ですが、一つ注意していただきたいのは、この問題の解法からもわかるように、この問題を解く上では、この問題文の判例以上の知識は特別必要ではないということです。
 
 
解説集の中には、問題文の判例にはない他の判例部分を提示して解説しているものもあるかもしれません。
 
 
しかし、直接の根拠としては間違ってはいないものの、だからといって問題文の判例にはないところまで載っている判例全文までを理解していなければ解けない問題ではないのです。
 
 
ここを誤解すると、判例も細かいところまで勉強しなければならないという知識偏重型になりかねないので、まずは、私人間効力の意味や解法等について今回解説してある基本的なところをしっかり理解していきましょう。
 
 
今回はこの辺りで終わります。
 
 
 

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