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代理権の濫用 無権代理と他人物売買(8) 行政書士試験

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今回のまぐまぐの質問も、便宜上文言を少し変えていますが、すべて過去問です。
 
 
<2>の(1)がH8問題27の肢1で、(2)はH15 問題27の肢1となっています。
 
 
<3>がH11問題27の肢5です。
 
 
 
過去問がない方は下記のリンクで参照してください。
 
H8の過去問はリンク先にございませんのでお持ちの過去問集などで確認しておいてください。
 
 
H11問題27
http://www.sikakuyo.com/gyousho/honsiken/113mondai.html
 
 
H15問題27
http://www.sikakuyo.com/gyousho/honsiken/153mondai.html
 
 
 
 
それでは、今回のまぐまぐの質問を見ていきましょう。
 
 
登録されていない方は、以下のまぐまぐの質問をご覧になってください。
http://archive.mag2.com/0000260438/20080529113000000.html
 
 
 
<1>
 
 
110条の表見代理が成立するためには基本代理権の存在が必要でした。
 
 
つまり、基本代理権の範囲内で代理行為をしていれば通常の有権代理と同じ効果となります。
 
 
 
いわゆる代理権の濫用も、形式的には通常の有権代理と同じです。
 
 
このように両者ともに代理権があるというところに共通点があります。
 
 
 
そして、代理権の範囲内で濫用しているのが、代理権の濫用であり、代理権の範囲を逸脱してしまっているのが110条の表見代理なのです。
 
 
 
つまり、代理権の濫用逸脱であるかという点で両者は異なるのです。
 
 
 
この共通点と相違点をまず理解しましょう。
 
 
 
<2>
 
 
(1)
 
この問題は、典型的な心裡留保の問題ですね。
 
 
 
心裡留保とは、意思と表示の不一致につき表意者自身で認識していることをいいます。
 
 
つまり、表意者の真意は、自己に法律効果を帰属させようという意思はないけど、それを知りながら契約したということです。
 
 
表意者自身で認識しているので、原則として表示どおりの効果が生じても表意者の不利益とならないし、公平の観点から、表示どおりの契約であると信頼している相手方を保護する必要があります。
 
 
ですから、心裡留保は原則として有効であり、これを表示主義といいます。
 
 
これに対して、真意でないことに相手方が悪意または有過失の場合に、公平の観点から、そのような場合まで相手方を保護する必要がないので、例外的に無効となるのです。
 
 
 
そうすると(1)の場合、BはAの真意を知っていたわけですから、この自動車を譲るという契約は無効なので、Aには義務が生じません。
 
 
 
よって、(1)は誤りです。
 
 
 
◆ なお、心裡留保と異なり、錯誤とは、意思と表示の不一致につき表意者自身で認識していないことをいいます。
 
 
意思と表示が一致して初めて有効な意思表示となりますから、原則として無効となり、これを意思主義といいます。
 
 
意思主義=表意者保護
 
 
表示主義=相手方保護
 
 
ということはしっかり押さえておきましょう。
 
 
また、動機の錯誤についてよく理解できていない方は以下の記事を参考にしてください。
http://sakuradarimuseo07.blog110.fc2.com/blog-entry-101.html
 
 
 
 
 
(2)
 
 
代理権濫用の場合は、あくまでも代理行為自体は代理権の範囲内で行われたので、客観的にみると、通常の有権代理と同様に、原則として本人に有効に効果が帰属するのです。
 
 
 
しかし、代理人の真意は、専ら自己の借金の返済に使うという意図をもっていたわけですから、経済的な効果(=受領したお金)を本人に帰属させる意思はないですね。
 
 
にもかかわらず、常にそのような代理人を選んだ本人が悪いとして、契約の効果を帰属させるのは、本人をあまりにも犠牲にし過ぎで公平とはいえません。
 
 
 
常に本人の責任が問われるならば、常に代理人を監督してなくてはならず、本人の能力を拡大して取引をより円滑にするという代理制度自体が成り立たなくなってしまいます。
 
 
 
そこで、原則として有効であるのは、相手方の保護のためですから、相手方を保護する必要がない場合は無効と考えてもいいですね。
 
 
 
といっても、代理権濫用についての条文は規定されていませんから、何かしらの条文の根拠が必要になってきます。
 
 
 
上記のとおり、代理権濫用の場合の代理人には、経済的な効果を本人に帰属させる意思がないので、心裡留保における法律的な効果を自己に帰属させる意思がないという構造に類似していますね。
 
 
 
そこで、相手方が代理人の真意について悪意または有過失のときは、構造が心裡留保に似ているので93条を類推適用して無効と考えるのです。
 
 
 
「類推」適用なのは、心裡留保と異なり、代理人には、本人に法律効果を帰属させようという意思はあるので、直接適用することはできないからです。
 
 
そうすると、(2)の場合、相手方であるBは取引上相当な注意をしてもAのそのような意図を知ることができなかったので、原則どおり本人に契約上の効果が帰属するのです。
 
 
よって、(2)は正しいです。
 
 
 
このように、代理権の濫用は、代理権の範囲内の行為なので有権代理の一種であり、有権代理を基準として解釈されているのです。
 
 
これに対し、110条の表見代理は、代理権の範囲を逸脱した行為なので無権代理の一種であり、無権代理を基準として解釈されているのです。
 
 
 
代理権の濫用か逸脱かという相違点から、こうした両者のアプローチの仕方が異なっている点を理解してください。
 
 
 
 
<3>
 
 
この問題は、表見代理の基本 で解説したように、有権代理と表見代理の相違点を考えればいいですね。
 
 
 
表見代理が成立しても、ただちに本人との間で契約が有効になるわけではなく、第三者側の選択肢の一つなのです。
 
 
 
ですから、第三者が善意・無過失である場合、その他の要件を満たせば表見代理が成立し、無権代理人の責任を問うこともできるのです。
 
 
つまり、第三者が契約の維持を求めるなら、表見代理の成立を主張すればよいですし、また、契約はなかったことにしてお金の問題として処理したいのであれば、無権代理人の責任を追及して損害賠償請求すればいいのです。
 
 
 
よって、<3>は誤りです。
 
 
 
以上で代理関係の解説は終わりますが、民法総則で一番重要かつわかりにくい部分ですので、しっかりと基礎固めをしておいてください。
 
 
 
今回はこの辺りで終わります。
 




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表見代理の要件 無権代理と他人物売買(7) 行政書士試験

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今回のまぐまぐの質問は、すべて過去問です。
 
 
<2>の(1)がH12問題27の肢4で、それ以外はH15 問題27の肢2~5となっています。
 
 
 
過去問がない方は下記のリンクで参照してください。
 
H12問題27
http://www.sikakuyo.com/gyousho/honsiken/123mondai.html
 
 
H15問題27
http://www.sikakuyo.com/gyousho/honsiken/153mondai.html
 
 
 
 
それでは、今回のまぐまぐの質問を見ていきましょう。
 
 
登録されていない方は、以下のまぐまぐの質問をご覧になってください。
http://archive.mag2.com/0000260438/20080527113000000.html
 
 
 
まず、5つの問題をざっとみると、代理権消滅後の表見代理(112条)の問題はないですから、後は代理権授与表示による表見代理(109条)あるいは権限外の行為の表見代理(110条)が成立するかどうかを考えればいいわけです。
 
 
 
これらの表見代理が成立するためには、前回解説したように、以下の要件が満たされている必要があります。
 
 
 
109条の表見代理が成立するための要件
 
 
     本人が第三者に対して、他人に代理権を与えた旨の表示をしたこと
 
     その他人である無権代理人が、その表示された代理権の範囲内で代理行為をすること
 
     第三者の善意・無過失
 
 
 
 
110条の表見代理が成立するための要件
 
 
 
     基本代理権の存在
 
     代理人がその権限を逸脱した代理行為をすること
 
     第三者の善意・無過失
 
 
 
後は、これらの要件が満たされているか否かを問題ごとに検討していけば正誤の判断がつきます。
 
 
 
 
<1>
 
主に109条の問題として出題しました。
 
 
(1)
 
この問題のポイントは、「請負人とAとの間で下請負契約が締結」の部分です。
 
 
下請負契約が締結されると、下請負契約書が作成・交付されるのが通常ですが、これをもって109条の要件①の代理権授与表示があったといえるのかということです。
 
 
下請負契約と代理権授与契約というのは別個独立の契約であって、下請負契約をしたからといって、直ちに代理権の授与とはいえません。
 
 
 
もし工事材料の買い入れについて代理権の授与があるならば、別個に代理権授与契約を締結しているか、少なくともその下請負契約の中に特約として記載されているはずですが、そのような記述は問題文からうかがえないですね。
 
 
 
ですから、代理権授与表示があったとはいえず、①の要件を欠きますから、表見代理には成立しません。
 
 
 
また、そういう意味では、下請負契約によって、基本代理権を与えたことにもなりませんから110条の基本代理権にもあたりません。
 
 
 
この場合は、単なる無権代理行為となります。
 
 
よって、(1)は誤りです。
 
 
 
◆ なお、委任契約が締結された場合にも、それだけで直ちに代理権の授与があったとはいえませんので、代理権授与契約とは別個独立であるということを理解しておいてください。
 
 
 
試験との関係では、下請負契約や委任契約と代理権授与契約というのは別個独立の契約であるということを理解しておきましょう。
 
 
 
 
(2)
 
 
この問題のポイントは、「白紙委任状を偽造して提示」の部分です。
 
 
 
あくまでも「偽造」であって、本人が何かしらの代理権を授与するために白紙委任状を交付したものではないということです。
 
 
 
もしこの部分が「交付された白紙委任状を濫用して提示」となっていると、代理権授与表示であるといっていいでしょう。
 
 
 
「偽造」か「濫用」であるかという点で少し細かいと思われるかもしれません。
 
 
こういう場合は、前回の最後に紹介した表見代理のエッセンスの中の「本人の帰責性」という共通項的な要件で考えるとわかりやすいと思います。
 
 
 
本人が交付した白紙委任状を代理人が濫用した場合ならば、そのような代理人に委任状を交付した本人に帰責性がありますが、本人の全く知らないところで、他人に白紙委任状を偽造されたとなれば、本人に帰責性はありませんね。
 
 
 
この場合は、単なる無権代理行為となります。
 
 
よって、(2)は誤りです。
 
 
 
 
 
<2>
 
 
主に110条の表見代理についての出題です。
 
 
(1)
 
 
この問題は、一見すると正しそうに見えるかもしれません。
 
 
しかし、問題文にあえて「Bが、何の代理権もないのに」という文言がありますね。
 
 
 
ということは、AがBにA所有の絵画を預けた寄託契約(657条)自体には、基本代理権がなく、その契約書を提示することが代理権授与表示ともならないということを示唆しています。
 
 
 
これは、上記<1>の(1)と同様に、寄託契約も代理権授与契約とは別個独立であるということを意味しています。
 
 
 
ですから、たとえCがBに代理権ありと信じるにつき正当な理由があるとしても、基本代理権の存在の要件が欠けますから、110条の表見代理は成立しません。
 
 
この場合も、無権代理行為となります。
 
 
よって、(1)は誤りです。
 
 
 
◆ なお、この場合、CにはBに代理権ありと信じるにつき正当な理由があるので、善意・無過失であるということが推認されますから、Bに対して無権代理人の責任を追及することはできる事例です。
 
 
 
(2)
 
 
この問題のポイントは、「本人の実印を預かっていたにすぎない」という部分です。
 
 
 
通常、他人に実印を預けているというのは、代理権の授与となる可能性が高いので、判断が難しいかもしれません。
 
 
ただ、あえて「すぎない」という言葉があるということは、何かしらの代理権を与えるために実印を預けていたわけではないという意味でしょう。
 
 
◆ なお、同居している親兄弟・夫婦などが親や夫の実印で代理行為をした場合は、他人と異なり、実印を持ち出しやすいということから、実印を持っているというだけで代理権の授与があったとはいえないといわれていますので比較して押さえておきましょう。
 
 
 
仮に、この部分で判断を迷ったとしても、第三者の主観的な要件が全く記述されていませんから、第三者の善意・無過失がないということで肢を切ってもかまいません。
 
 
 
いずれにしても、この場合も、無権代理行為になります。
 
 
よって、(2)は誤りです。
 
 
 
 
(3)
 
 
この問題のポイントは「本人から投資の勧誘を行う者として雇われていたにすぎない」という部分です。
 
 
「投資の勧誘を行う」ことは、法律行為ではなく、事実行為ですね。
 
 
このような事実行為をするために雇ったということは、代理権を与えて本人に効果が帰属する何かしらの法律行為である代理行為をさせるつもりではないということです。
 
 
 
しかも「すぎない」という文言で強調していますね。
 
 
 
ですから、この場合、代理権の授与とはいえず、基本代理権の存在という要件が欠けるので表見代理は成立しません。
 
 
よって、(3)は誤りです。
 
 
 
以上のように、109条または110条の要件が満たされているかどうかを確認すればそれほど難しい問題ではありません。
 
 
 
もし、個々の表見代理の要件を本番で度忘れしても以下の表見代理のエッセンスを思い出して肢を切ってみてください。
 
 
     本人は代理権を与えていない
     本人の帰責性がある
     第三者の善意・無過失が必要である
 
 
 
例えば、代理権の授与表示か、基本代理権かで迷った場合は、「本人の帰責性」で考えて解いてみてください。
 
 
 
「本人の帰責性」を平たくいいますと、本人に責任を負わせてもいいかどうか、それだけ本人が代理権の授与に何かしら関与しているのか、ということです。
 
 
 
意外とこれだけで肢が切れることがありますので、エッセンスは最低限のお守りとして参考にしておくとよいでしょう。
 
 
 
◆ なお、H15問題27について、今回出題した肢2~5では、実は「第三者の善意・無過失」という要件が全て欠けているので、これだけでばっさり肢を切って正解を出すこともできます。
 
 
 
肢3の「Bがそれを信頼して」という部分では、善意であるかもしれませんが、正当な信頼ではないので、無過失であるとはいえませんね。
 
 
 
ただ、問題によっては、この主観的な要件は考えないことを前提にしている場合もあるので、一応「本人の帰責性」の要件の検討もして肢を切る方が確実です。
 
 
 
今回はこのあたりで終わります。




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表見代理の基本 無権代理と他人物売買(6) 行政書士試験

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今回は、表見代理の基本を解説していきます。
 
 
 
今回のまぐまぐの質問を見ていきましょう。
 
 
登録されていない方は、以下のまぐまぐの質問をご覧になってください。
http://archive.mag2.com/0000260438/20080524113000000.html
 
 
 
 
<1>
 
 
表見代理には3種類あります。
 
 
(1) 代理権授与表示による表見代理(109条)
 
 
(2) 権限外の行為の表見代理(110条)
 
 
(3) 代理権消滅後の表見代理(112条)


 
(1) の表見代理が成立するための要件
 
 
       本人が第三者に対して、他人に代理権を与えた旨の表示をしたこと
 
       その他人である無権代理人が、その表示された代理権の範囲内で代理行為をすること
 
       第三者の善意・無過失
 
 
 
 
(2) の表見代理が成立するための要件
 
 
 
       基本代理権の存在
 
       代理人がその権限を逸脱した代理行為をすること
 
       第三者の善意・無過失
 
 
 
 
(3) の表見代理が成立するための要件
 
 
 
     かつてあった代理権が消滅していること
 
       かつてあった代理権の範囲内で代理行為をすること
 
     第三者の善意・無過失
 
 
 
 
 
 
(1)~(3) の表見代理の効果
 
 
 
無権代理人と第三者との代理行為(例えば売買契約)が本人に帰属し、本人と第三者との間で契約が成立する。
 
 
 
 
以上の要件・効果からわかることは、何かしら代理権の存在をうかがわせる外観が存在している点が共通しています。
 
 
これをまとめて、本人の帰責性 といいます。
 
 
109条は、代理権を与えたかのような外観を作出した点に本人の帰責性があり、110・112条は、権限外の行為するような、または消滅後であっても代理行為をするような代理人を選任したという点に本人の帰責性があるということです。
 
 
 
そして、第三者に課せられる善意・無過失という要件と本人と第三者との間に契約が成立するという効果共通しています。
 
 
 
◆ なお、110条は「正当な理由」となっていますが、解釈上善意・無過失と同じことだと思ってください。
 
 
 
次に、表見代理は、無権代理の一種といわれていますので、その共通点と相違点をみていきましょう。
 
 
 
<2>
 
 
(1) の表見代理
 
 
共通点
 
 
本人が第三者に代理人がいないにもかかわらず、代理人がいるかのような表示を第三者に示した場合ですから、他人に代理権を与えていないという点で無権代理と共通する。
 
 
 
相違点
 
 
通常の無権代理の場合は、本人は追認権・追認拒絶権を有しているに過ぎず、それ以外何も行為をしていない。
 
 
これに対して、(1) の表見代理の場合は、本来具体的な代理権を与えていないにもかかわらず、例えば白紙委任状などを他人に交付してしまっているという行為をしている。
 
 
そのため、その白紙委任状などを他人が勝手に具体的な代理権を伴う委任状に書き加えて濫用し、第三者に表示することで、代理権があるかのような外観が作出されている。
 
 
このように取引の相手方である第三者からすると、委任状から本人が代理権を与えた旨の表示があるという外観の存在が無権代理と異なっている
 
 
 
 
(2) の表見代理
 
 
 
共通点
 
 
本人は、基本代理権を与えているものの、その代理権の範囲を超えて代理人が代理行為をした場合なので、代理権の範囲外においては、代理権を与えていないという点で無権代理と共通する。
 
 
 
例えば、土地の抵当権の設定契約について代理権を与えたに過ぎないのに、その代理人が土地を売却してしまった場合などがある。
 
 
この場合、土地の売買契約に関しては、代理権がないので、無権代理行為と同じであるということです。
 
 
 
相違点
 
 
(1)と同様に、通常の無権代理の場合は、本人は追認権・追認拒絶権を有しているに過ぎず、それ以外何も行為をしていないのに対して、(2)の場合は、基本代理権を与えている。
 
 
基本代理権を与えているので、取引の相手方である第三者からすると、土地の売買契約の代理権まであるような外観が存在している点が無権代理と異なるということです。
 
 
 
 
(3) の表見代理
 
 
 
共通点
 
 
代理権がすでに消滅しているので、現在は代理権がないという点で、無権代理と共通している。
 
 
 
相違点
 
 
(1)と同様に、通常の無権代理の場合は、本人は追認権・追認拒絶権を有しているに過ぎず、それ以外何も行為をしていないのに対して、(3)の場合は、本人がかつて同様の代理権を与えている。
 
 
 
そのため、取引の相手方である第三者からすると、現在もまだかつての代理権が存在しているのではないかという外観が存在している点が無権代理と異なっています
 
 
 
 
では、通常の有権代理との共通点と相違点は何でしょうか。
 
 
<3>
 
 
共通点
 
 
 
効果から考えてみるとわかりやすいですね。
 
 
 
通常の有権代理の場合、無権代理って何だろう の記事でも解説しましたが、その効果は、代理人と第三者との契約が本人に帰属し、本人と第三者との間で契約が成立することです。
 
 
 
(1)~(3) の表見代理の効果も、上記<1>で解説したとおり、無権代理人と第三者との代理行為(例えば売買契約)が本人に帰属し、本人と第三者との間で契約が成立することでしたね。
 
 
 
そうすると、本人と第三者との間で契約が成立するという点が共通しています。
 
 
 
このように、本来無権代理行為であるはずのものが、有権代理と同じような効果をもたらすわけですから、そのような効果を本人に負わせてもいいだけの要件が本人に課せられているのです。
 
 
これが、<1>でみた、本人の帰責性 という要件なのです。
 
 
 
 
 
相違点
 
 
 
通常の有権代理の場合は、単に本人と第三者との間で契約が成立するという効果が生じるだけです。
 
 
 
これに対して、表見代理の場合は、無権代理って何だろうの記事でも解説しましたが、第三者の取るべき手段の一つであるということです。
 
 
 
つまり、表見代理が成立するからといって、すぐさま本人と第三者との間で契約が成立するという効果が生じるわけではなく、第三者は、無権代理人の責任を追及してもいいですし、取消・催告をしてもいいわけです。
 
 
あくまでも、第三者のとるべき選択肢の一つであるという点が、通常の有権代理の場合と異なるのです。
 
 
 
そして、<1>の要件でわかるとおり、いずれの表見代理が成立するためには、第三者は善意・無過失でなければなりません。
 
 
 
これはどうしてかわかりますか。
 
 
 
無権代理人の責任 の記事でも解説したのと同じように、表見代理が成立すれば、本人と第三者との間に契約が成立し、契約責任という重い責任を負わなければなりません。
 
 
 
第三者も本当に有効な代理権があったかどうかについて調査・確認することもできたはずです。
 
 
 
それゆえ、善意・無過失という主観的要件が第三者に課せられているのです。
 
 
 
反面、このような第三者であれば、その信頼を保護して取引の安全を図ることが民法の公平の理念に合致するのです。
 
 
 
以上のように、無権代理や有権代理と比較することで、表見代理の要件・効果の意味が浮き彫りにされてくるのです。
 
 
 
 
(1)~(3)の表見代理のエッセンスを抽出すると、以下のようになります。
 
 
       本人は代理権を与えていない
       本人の帰責性がある
       第三者の善意・無過失が必要である
       表見代理の主張は、第三者の選択肢の一つである
 
 
 
 
今回は、表見代理の基本について解説いたしましたが、こういう基本的な理解を疎かにすると合格はおぼつかないです。
 
 
 
ですから、他人に説明できるくらい確実に理解して、知識化することが重要です。
 
 
 
そうすることで、仮に記述式問題でいずれかの表見代理の要件・効果が聞かれてもすぐ書けるようにもなっているはずです。
 
 
 
以上を前提に、次回過去問を解いていきましょう。
 
 
 
今回はこのあたりで終わります。



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NEW 一部誤った記述がありましたのでわかるように訂正いたしました、申し訳ございません。







今回は、前回解説した判例の結論と同じ結論になる導き方を紹介してきます。
 
 
 
今回のまぐまぐの質問を見ながら紹介していきます。
 
 
 
登録されていない方は、以下のまぐまぐの質問をご覧になってください。
http://archive.mag2.com/0000260438/20080522113000000.html 
 



まぐまぐ<1>
 
 
無権代理ってなんだろう でも解説しましたが、無権代理行為の場合、本人の取るべき手段として追認権と追認拒絶権がありましたね。
 
 
そして、この二つの権利は、どちらか一つしか行使できない相矛盾する二者択一的なものです。
 
 
追認すれば、無権代理人と第三者の法律行為が本人に帰属するのが確定します。
 
 
また、追認拒絶すれば、無権代理行為が本人に帰属しないことが確定します。
 
 
 
 
まぐまぐ<2>
 
 
<1>のとおり、追認すれば、本人と第三者との間に契約が成立するので、もはや第三者は無権代理人の責任を追及する必要はありません。
 
 
 
これに対して、追認拒絶すると、本人と第三者との間に契約が成立しないことが確定するので、第三者は善意・無過失であれば無権代理人の責任を追及することができます。
 
 
 
通常の無権代理を考えれば、両立することはわかりますね。
 
 
 
 
<1>と<2>をまとめると
 
 
無権代理行為が行われた場合、
 
 
本人は、追認権・追認拒絶権という二者択一的権利を保有し、
 
 
無権代理人は、無権代理人の責任という義務を負うことになります。
 
 
 
       なお、できるだけ単純に考えるため、第三者の主観的要件は後で考えることにします。
 
 
 
以上を前提に導き方を紹介していきます。
 
 
 
① 相続による足し算
 
 
 
相続というのは、ご存知のとおり、原則として被相続人の財産に属する権利・義務の一切を相続人が承継することです(896条)。
 
 
 
そうすると、まず相続が生じた場合、被相続人の権利・義務を相続人の財産に単純に足し算します。
 
 
 
 
単純相続の場合、相続人が本人か無権代理人かを問わず、相続人は、追認権・追認拒絶権・無権代理人の責任の3種類を持っていますね。
 
 
 
つまり、相続人の財産=追認権・追認拒絶権+無権代理人の責任 となります。
 
 
 
 
② 信義則による引き算
 
 
 
次に、相続人が無権代理人か否かを問題文から確認します。
 
 
 
相続人が本人であれば、上記の足し算の結果そのまま2つの権利と一つの義務を有すると考えます。
 
 
 
相続人が無権代理人であれば、無権代理人はいわば悪者なので信義則といういわば正義の味方から、権利の一つである追認拒絶権の行使を封じられてしまうと憶えます。
 
 
 
そうすると、この場合、無権代理人には、追認権と無権代理人の責任が残りますね。
 
 
 
つまり、追認権・追認拒絶権・無権代理人の責任の3つから追認拒絶権1つを引き算するわけです。
 
 
 
そして、上記のまぐまぐ<2>の解説のとおり、この追認権と無権代理人の責任の二つは矛盾するものです。
 
 
 
この①の足し算と②の引き算から、前回のまぐまぐ<1>の(1)と(2)を改めて解いてみましょう。
 
 
 
登録されていない方は、以下のまぐまぐの質問をご覧になってください。
http://archive.mag2.com/0000260438/20080520113000000.html 
 
 
 
(1)(2)共に、無権代理行為が行われて単純相続が生じていますから、相続人は追認権・追認拒絶権・無権代理人の責任の3種類をもっています。
 
 
 
① 相続による足し算 ですね。
 
 
 
そして、(1)は相続人が本人ですからそのままこの3種類を持っています。
 
 
ですから、追認拒絶できますね。
 
 
よって、(1)は正しいです。
 
 
◆ なお、追認拒絶後に善意・無過失である第三者から無権代理人の責任を追及された場合、相続人である本人は、履行または損害賠償をしなければなりません。
 
 
 
 
 
次に、(2)は、相続人が無権代理人ですから、追認権と無権代理人の責任はあるけれども、追認拒絶権は信義則上行使できません。
 
 
 
② 信義則による引き算 ですね。
 
 
 
よって、(2)は誤りです。
 
 
 


<訂正前>


◆ なお、この場合でも、第三者Cが無権代理行為につき善意・無過失であれば、Bに対して無権代理人の責任を追及することができます。
 
 



<訂正後>

◆ なお、上記のまぐまぐ<2>の解説のとおり、この追認権と無権代理人の責任の二つは矛盾するものです。


そうすると、追認拒絶できない結果、追認擬制されてしまうので、もはや無権代理人の責任を負う必要はありません。


ですから、第三者は悪意であろうと保護されてしまいます。


この訂正部分がよくわからない方は、とりあえず削除したものとして無視していただいても大丈夫です。
 





次に、前回のまぐまぐ<1>の(3)と<2>を解きながら解説していきます。
 
 
 
前回のまぐまぐ<1>の(3)
 
 
 
③ 本人の意思尊重による引き算
 
 
 
(3)は、本人が生前に二者択一である追認権・追認拒絶権のうち、追認拒絶権をすでに行使しています。
 
 
 
これは本人の意思によるものであり、この意思は、無権代理行為から本人を保護するために尊重されます。
 
 
 
この本人の意思を尊重すると、追認拒絶権の効果が確定し、この時点で追認権が消滅します。
 
 
 
つまり、追認権・追認拒絶権から追認権が引き算されます。
 
 
 
そうすると相続人は追認拒絶権しか相続しませんから、後はこれと無権代理人の責任が、① 相続による足し算 されるのです。
 
 
そして、この追認拒絶権の行使は本人の意思ですから、これが尊重され信義則によっても奪われません。
 
 
そのため、無権代理人には、追認拒絶権と無権代理人の責任があります。
 
 
ですから、無権代理人は追認拒絶することができるのです。
 
 
 
よって、(3)は正しいのです。
 
 
 
◆ なお、この場合でも、第三者Cが無権代理行為につき善意・無過失であれば、Aに対して無権代理人の責任を追及することができます。
 
 
 
 
 
前回のまぐまぐ<2>をみてみましょう。
 
 
 
④ 本人の意思は一つという足し算
 
 
 
本人の意思は、個人の意思決定ですから一つであるはずです。
 
 
 
そのため、追認権・追認拒絶権が共同相続されても、全員の意思が合致できて初めて、本人の意思の一つになるのです。
 
 
 
これに対して、共同相続した時点で、2種類の権利のうちどちらか一つしか相続されてない場合は、相続人全員の意思の合致ができませんから、もはや本人の意思ではなく、個々の相続人の意思として行使できるものとなったと考えてください。
 
 
 
<2>の問題文には具体的に書かれていませんが、例えば、無権代理人Aの他に共同相続人EとFがいたとしましょう。
 
 
 
まず、① 相続による足し算をします。 
 
 
 
 
相続人をみていきますと、
 
 
 
Aは無権代理人ですから、② 信義則による引き算 により、追認権・無権代理人の責任の2種類もっています。
 
 
 
EとFは無権代理人ではないので、無権代理人の責任を有していません。
 
 
しかもEとFは本人を相続したに過ぎませんから、それぞれ本人の有していた追認権・追認拒絶権の2種類のみをもっています。
 
 
要するに、① 相続による足し算 をしてもこの2種類だけということです。
 
 
この点が、本人と無権代理人だけの単純相続の場合と異なりますね。
 
 
そして、本人の意思は一つですから、A・E・F全員の意思が合致しないと一つにならないのです。
 
 
A=追認権・無権代理人の責任
 
E=追認権・追認拒絶権
 
F=追認権・追認拒絶権
 
 
 
本人の有する権利のうち、A・E・Fで共通しているのは、追認権のみですね。
 
 
そうすると、この追認権のみが本人の意思として残っていると考えてください。
 
 
これに対して、無権代理人の責任と追認拒絶権は、相続した時点ですでに全員で責任を負い、行使できるものではなくなっているので、これらはもはや本人の意思として一つに統合できるものではなく、個々の相続人の意思になると考えてください。
 
 
 
そのため、追認権のみ相続人全員の意思が合致して初めて、本人の一つの意思となるのです。
 
 
つまり、3人相続人がいれば、3つの追認権を足し算して初めて本人の一つの意思となるということです。
 
 
 
Aの追認権+Eの追認権+Fの追認権=本人Bの追認権
 
 
これを判例でいうと、追認権の不可分性ということになるのでしょう。
 
 
 
ですから、EまたはFのうち一人でも個人の権利となった追認拒絶権を行使すれば、もはや追認権を3つ足し算することはできなくなりますから、この場合、Aの行為が有効になるわけでもなく、共有持分ですらも当然に有効にならないのです。
 
 
 
よって、<2>は誤りです。
 
 
 
◆ なお、この場合でも、第三者Cが無権代理行為につき善意・無過失であれば、Aに対して無権代理人の責任を追及することができます。
 
 
 
 
以上をまとめると、
 
 
まず、問題文から単純相続か共同相続かを確認したうえで、
 
 
① 相続による足し算
② 信義則による引き算
③ 本人の意思尊重による引き算
④ 本人の意思は一つという足し算(共同相続のみ)
 
 
という足し算と引き算の基準で判断すれば、前回解説した判例の結論と同じ結論で解答が出せます。
 
 
 
ですから、前回の過去問を含むまぐまぐの問題もすべて解けてしまうので行政書士試験対策としては、この導き方で十分だと思います。
 
 
 
では、今回のまぐまぐ<3>の例題はどうでしょうか。
 
 
登録されていない方は、以下のまぐまぐの質問をご覧になってください。
http://archive.mag2.com/0000260438/20080522113000000.html 
 
 
 
これも上記の足し算と引き算の基準で考えてみます。
 
 
まず、今回はPの単純相続ですね。
 
 
最初にPは無権代理人Xを相続するわけですから、① 相続による足し算 から無権代理人の責任という義務を承継します。
 
 
 
次に、本人であるYを相続するので、① 相続による足し算 から追認権・追認拒絶権という権利を承継します。
 
 
 
ここで、何か気づきませんか?
 
 
 
上記で解説した、まぐまぐ<1>の(2)の例題である無権代理人が本人を相続した場合と類似していませんか。
 
 
 
先にPは無権代理人の責任を相続するので、本人を相続する時点で、Pが最初からあたかも無権代理人であったかのような構造になります。
 
 
 
ですから、Pは、① 相続による足し算 から無権代理人の責任および追認権・追認拒絶権を承継しますが、② 信義則による引き算で、追認拒絶権の行使を封じられてしまいます。
 
 
 
そうすると、Pに残るのは、無権代理人が本人を相続した場合と同じように、無権代理人の責任と追認権だけになります。
 
 
 
そのため、PはJの請求に対して追認拒絶権を行使できないのです。
 
 
よって、Pの追認拒絶は認められないのです。
 
 
 
これも判例(最判昭和63年3月1日)からの出題ですので、念のため押さえておきましょう。
 
 
 
このような導き方を取ったのは、この部分だけ判例を憶えるなら容易いのですが、行政書士試験の勉強方法 でも書いたとおり、試験の範囲が広くて深さがわかりにくいので、他の科目をやっているうちに忘れてしまうからです。
 
 
 
忘れたらまた判例の結論を個別に憶えなければならないですし、ややこしいこともあって、この部分は上記の4つの足し算と引き算の基準で事務的に処理することで本番でのケアレスミスや度忘れ対策としても活用しました。
 
 
 
私は以上の導き方で判例の結論と同じ結論を憶えていましたので、判例の結論そのままを憶えられない方は参考の一つとして活用してください。
 
 
 
今回はこのあたりで終わります。
 



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相続α 無権代理と他人物売買(4) 行政書士試験

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今回は、無権代理の中でも非常に理解しにくい部分である無権代理と相続について解説いたします。
 
 
まぐまぐの例題をみてみましょう。
 
 
登録されていない方は、以下のまぐまぐの質問をご覧になってください。
http://archive.mag2.com/0000260438/20080520113000000.html
 
 
 
まず、<1>の(1)は、H12問題27の肢5、<2>はH15問題28の肢5で、どちらも判例をベースにした過去問です。
 
 
過去問がない方は下記のリンクで参照してください。
 
H12問題27
http://www.sikakuyo.com/gyousho/honsiken/123mondai.html
 
 
H15問題28
http://www.sikakuyo.com/gyousho/honsiken/153mondai.html
 
 
 
 
そして、<1>の(2)と(3)はおそらく皆さんのお持ちのテキストなどにも載っている判例からの例題です。
 
 
 
すべて判例からの出題なのですが、これらの判例の理由と結論は、考えれば考えるほど難しく、学説も多岐にわたり錯綜している分野です。
 
 
 
とはいっても、過去問で出題されている以上、判例の結論を憶えていないと解けません。
 
 
 
後はどのように憶えるか、という点が試験との関係では重要になってきます。
 
 
 
まず今回は、まぐまぐの質問と関連する個々の判例についての理由と結論を簡潔に解説していきます。
 
 
 
その上で判例から導かれる結論から、まぐまぐの質問の解答をしていきます。
 
 
 
あくまでも解説の便宜のためですので、以下に出てくる判例の深い理解や学説の知識までは必要ないですから「ふ~ん」という感じで気楽に読んでください。
 
 
 
◆ なお、解説の便宜上、まぐまぐ<1>の(2)→(1)→(3)→<2>の順番で解説していきます。
 
 
 
 
 
まぐまぐ<1>の(2)
 
 
 
無権代理人が本人を相続した場合
 
 
<最判昭和40年6月18日>
 
 
無権代理人が本人を相続し本人と代理人との資格が同一人に帰するにいたつた場合においては、本人が自ら法律行為をしたのと同様な法律上の地位を生じたものと解するのが相当(大判・大正一五年(オ)一〇七三号昭和二年三月二二日判決、民集六巻一〇六頁参照)
 
 
 
 
 
この判例自体は昭和40年のものですが、上記のカッコにあるように引用は昭和2年という古い判例となっています。
 
 
 
この判例によると、無権代理人と本人の地位が相続によって一体になったということですね。
 
 
 
この場合、無権代理人はもはや代理人ではなく本人つまり契約当事者そのものになってしまうということです。
 
 
 
これを学説では資格融合説といいます。
 
 
 
ですから、まぐまぐ<1>の(2)の場合、相続によって本人A=無権代理人Bとなるので、Bの行為はA本人がしたことと同じになります。
 
 
 
そうすると、初めからAとCで絵画の売買が行われたと考えるわけですから、AつまりBは契約当事者なので、追認拒絶できるわけがないのです。
 
 
 


つまり、AC間の売買契約後にAが死亡しBが相続した事例と同じになるということです。



もはや無権代理行為はなかったことになりますので、本人の追認拒絶という場面すらなくなるということです。



よって、(2)は誤りとなります。
 
 
 
しかし、そうすると第三者Cは悪意でも絵画の履行を請求できて保護されますね。
 
 
 
本人Aの存命中に追認拒絶ができることと比べると相続前よりも第三者が有利になっています。
 
 
 
つまり、相続前に本人に追認拒絶されたなら、CはBに無権代理人の責任を追及するでしょうが、悪意ならそれもできませんね。
 
 
 
民法の公平の観点からすると不公平ではないでしょうか?
 
 
 
とりあえず、次を見ていきましょう。
 
 
 
まぐまぐ<1>の(1)
 
 
 
本人が無権代理人を相続した場合
 
 
 
<最判昭和37年4月20日>
 
 
無権代理人が本人を相続した場合においては、自らした無権代理行為につき本人の資格において追認を拒絶する余地を認めるのは信義則に反するから、右無権代理行為は相続と共に当然有効となると解するのが相当であるけれども、本人が無権代理人を相続した場合は、これと同様に論ずることはできない。
後者の場合においては、相続人たる本人が被相続人の無権代理行為の追認を拒絶しても、何ら信義に反するところはないから、被相続人の無権代理行為は一般に本人の相続により当然有効となるものではないと解するのが相当である。
 
 
 
 
この判例によると、前半部分の無権代理人が本人を相続した場合は、上記のまぐまぐ<1>の(2)と同様に、当然有効といっていますが、後半部分では、本人が無権代理人を相続した場合には、追認拒絶をしても信義則に反しないといっています。
 
 
 
つまり、本人が先に死亡した場合と無権代理人が先に死亡した場合とでは信義則の観点から結論が異なるといっています。
 
 
 
そうすると、(1)の場合、本人Aが追認拒絶をしても信義則に反しないわけですね。
 
 
 
よって、(1)は正しいのです。
 
 
 
しかし、そうすると、第三者CはBが存命中に追及できた無権代理人の責任をAに対していえないのでしょうか。
 
 
 
ここで、もう一つ判例をみてみましょう。
 
 
 
<最判昭和48年7月3日>
 
 
無権代理人を相続した本人は、無権代理人が民法一一七条により相手方に債務を負担していたときには、無権代理行為について追認を拒絶できる地位にあつたことを理由として、右債務を免れることができない。
 
 
 
 
この判例によると、本人は追認拒絶できるけれども、無権代理人の責任を負うことになりますね。
 
 
 
そうすると、本人が無権代理人を相続した場合には、無権代理人が本人を相続した場合と異なり、その法的地位は一体とならないで両方の地位を有するということになります。
 
 
 
これらの判例を合わせて学説では資格併存説といいます。
 
 
 
しかし、無権代理人が本人を相続すると法的地位が一体になるのに、その逆は法的地位が分離したままの状態と考えるのは矛盾しないのでしょうか?
 
 
 
なんかややこしくなってきましたが、(3)をみていきましょう。
 
 
 
まぐまぐ<1>の(3)
 
 
 
追認拒絶後の相続の場合
 
 
 
 
<最判平成10年7月17日 ①>
 
 
 
  本人が無権代理行為の追認を拒絶した場合には、その後に無権代理人が本人を相続したとしても、無権代理行為が有効になるものではないと解するのが相当である。
けだし、無権代理人がした行為は、本人がその追認をしなければ本人に対してその効力を生ぜず(民法一一三条一項)、本人が追認を拒絶すれば無権代理行為の効力が本人に及ばないことが確定し、追認拒絶の後は本人であっても追認によって無権代理行為を有効とすることができず、右追認拒絶の後に無権代理人が本人を相続したとしても、右追認拒絶の効果に何ら影響を及ぼすものではないからである。
 
 
 
この判例によると、本人が生前に追認拒絶をしたならば、その追認拒絶の効果が確定するので、その後に無権代理人が本人を相続しても追認拒絶できるということですね。
 


よって、(3)は正しいです。

 
しかし、上記(2)の判例では、法的地位が一体となって無権代理人は追認拒絶できないはずでしたよね。
 
 
 
そこで、この判例の続きを読むと以下の通りです。
 
 
 
<最判平成10年7月17日 ②>
 
このように解すると、本人が追認拒絶をした後に無権代理人が本人を相続した場合と本人が追認拒絶をする前に無権代理人が本人を相続した場合とで法律効果に相違が生ずることになるが、本人の追認拒絶の有無によって右の相違を生ずることはやむを得ないところであり、相続した無権代理人が本人の追認拒絶の効果を主張することがそれ自体信義則に反するものであるということはできない。
 
 
 
 
 
この判例からすると、相続前の本人の追認拒絶の有無によって法律効果に相違を生ずることはやむを得ないということになります。
 
 
 
そうすると、<1>(2)と同じように、本人=無権代理人という法律的に一体となる立場を前提にして、信義則の観点からやむをえないといっているように思えます。
 
 
 
ややこしいですが、裁判官がやむを得ないといっているのでこのまま憶えるより仕方がないのでしょうか?
 
 
 
まぐまぐ<2>
 
 
 
無権代理人と共同相続の場合
 
 
 
<最判平成5年1月21日 ①>
 
 
無権代理人が本人を他の相続人と共に共同相続した場合において、無権代理行為を追認する権利は、その性質上相続人全員に不可分的に帰属するところ、無権代理行為の追認は、本人に対して効力を生じていなかった法律行為を本人に対する関係において有効なものにするという効果を生じさせるものであるから、共同相続人全員が共同してこれを行使しない限り、無権代理行為が有効となるものではないと解すべきである。
そうすると、他の共同相続人全員が無権代理行為の追認をしている場合に無権代理人が追認を拒絶することは信義則上許されないとしても、他の共同相続人全員の追認がない限り、無権代理行為は、無権代理人の相続分に相当する部分においても、当然に有効となるものではない。
 
 
 
 
 
この判例によると、まず、無権代理人が本人を他の相続人と共に共同相続した場合、無権代理行為の追認権は、その性質上相続人全員に不可分的に帰属するといっています。
 
 
 
そして、この追認権が性質上不可分であるから、共同相続人全員が共同して追認権を行使しない限り、無権代理行為が有効となるものではなく、無権代理人の相続分に相当する部分においても、当然に有効となるものではないといっています。
 
 
 
要するに、無権代理人が本人を他の相続人と共に共同相続した場合、追認権の行使は全員でしないと有効にならないということですね。
 
 
 
見方を変えると、他の共同相続人のうち一人でも追認拒絶をしたら、たとえ無権代理人が相続人の中にいても、追認拒絶となってしまうということです。
 
 
 
そうすると、<2>の場合、本人Bの他の共同相続人の一人が追認拒絶をしたら、もはやCは絵画の所有権を全く取得できなくなります。
 
 
 
100%か0%ということですね。
 
 
 
よって、<2>は誤りです。
 
 
 
◆ なお、<1>と<2>の過去問では、本人と無権代理人がA→B ・B→Aというように入れ替わっているので注意してください。
 
 
 
 
しかし、この結論は絵画のように現実に分割できない不可分なものだからなのでしょうか。
 
 
 
金銭債務のように可分なものならどうなんでしょう。
 
 
 
そこで、この判例の続きをみてみましょう
 
 
 
<最判平成5年1月21日 ②>
 
 
そして、以上のことは、無権代理行為が金銭債務の連帯保証契約についてされた場合においても同様である。
 
 
 
この判例の続きからすると、相続の対象物が可分か不可分かということではないですね。
 
 
 
あくまでも追認権の不可分性ということでしょう。
 
 
 
しかし、これでは<1>の(2)のような単独相続か共同相続かで結論が全く逆になりますね。
 
 
 
第三者の保護はどうなるんでしょうか?
 
 
 
 
 
さて、以上の判例から結論はわかったとして、判例の理由の違いについて納得できましたでしょうか。
 
 
 
おそらくお持ちのテキストや教科書などでは、判例の結論くらいしか書かれていないと思います。
 
 
 
最初に書いたように、判例の理由に統一性がないので理解するのが非常に困難です。
 
 
 
思わず「ややこしや~」と言いたくなります。
 
 
 
そのため、学者の学説も錯綜していますので、結論を憶えるしかないといえばそうかもしれません。
 
 
 
ですから、すでにこの判例のまま憶えていて確実に肢が切れる自信のある方は、そのままの状態を保つようにしてください。
 
 
 
しかし、ご存知のとおり、<1>の(1)と<2>は過去問ですよ。
 
 
 
しかも、<1>の(2)と(3)の判例は過去問と非常に類似していませんか。
 
 
 
いずれも著名な判例ですので、いつ問われてもおかしくないと思っています。
 
 
 
私は何でもいいので理屈で憶えないと憶えられない性分なのです。
 
 
 
ですから、受験生時代この分野を理解するのに大変苦労しました。
 
 
 
いつものように民法の公平の観点から、と解説できたらと思うのですが、それは上記のとおり???マークいっぱいです。
 
 
 
法律的な理屈は、裁判官や学者にもよくわからないところなので、私にも法律的にわかりやすい理屈を考えるのは非常に難しいです。
 
 
 
上記の判例の変遷から以下のように学説がわかれています。
 
 
 
 
資格融合説
(2)(3)
 
           完全併存説
          
資格併存説             追認可分説 
                            
                   信義則説   
            (1)       ⇘ 
                       追認不可分説
                        <2>
 
 
 
 
 
<1>の(2)の判例は、資格融合説といわれています。
 
 
(1)の判例は、資格併存説の中の信義則説といわれています。
 
 
(3)の判例は、資格融合説に近いといわれています。
 
 
<2>の判例は、資格併存説の中の信義則説の中の追認不可分説といわれています。
 
 
 
民事事件の判例というのは、その時々の当事者の紛争解決のために妥当な結論を導こうとするものですから、理屈の統一性よりも結論の妥当性を重視しているようです。
 
 
 
ですから、上記の判例は、理屈はともかく個々の事案の結論としては妥当であると一般にいわれています。
 
 
 
もちろん、皆さんはこんな詳細を知らなくていいですし、理解する必要もありませんが、これらの判例の理屈のややこしさがわかっていただければ十分です。
 
 
 
大事なことは、試験で出題されている以上、これらの判例の結論をどう憶えるかということです。
 
 
 
そこで、私は試験との関係でいかにこの結論を憶えられるかという点に絞って、上記の判例をベースにできるだけ単純化して自分なりの憶え方を身に付けました。
 
 
 
次回、その憶え方について紹介しますので、憶えられない方は参考の一つにしてみてください。
 
 
 
今回はこのあたりで終わります。
 
 



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無権代理人責任 無権代理と他人物売買(3) 行政書士試験

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今回は、無権代理人の責任についての解説をしていきます。
 
 
 
また、最後に第三者の主観的要件のまとめとその意味も合わせて説明していきます。
 
 
 
 
H19問題27の過去問分析
 
過去問がない方は下記のリンクで参照してください。
http://www.sikakuyo.com/gyousho/honsiken/193mondai.html
 
 
 
登録されていない方は、以下のまぐまぐの質問をご覧になってください。
http://archive.mag2.com/0000260438/20080517113000000.html
 
 
 
【まぐまぐの解説】
 
 
<1>
 
 
本問はH19問題27の肢4の問題です。
 
 
無権代理って何だろう? でも解説したように、無権代理行為に対して第三者が取るべき手段としては無権代理人への責任追及がありましたね。
 
 
この無権代理人への責任追及をするためには、第三者の主観的要件として、善意・無過失が必要とされています。
 
 
なぜ、このような主観的要件が第三者に課されているのでしょうか。
 
 
これも民法の公平バランスという大きな視点から考えてみましょう。
 
 
無権代理人の責任追及には、履行または損害賠償請求という二つの選択肢があるのはお話したとおりです(117条)。
 
 
そうすると、問題27のように、AがB所有の土地をCに売却した場合、無権代理人Aに対して第三者Cが履行または損害賠償請求をすることになります。
 
 
 
土地は不動産であってB所有の特定物ですから、AがBから土地を買い取るなどをしない限り、AはCに対して土地を明け渡すことができません。
 
 
そうすると、後はAがCに対して損害賠償責任を負うことになります。
 
 
本来契約当事者ではなく何ら債務を負っていない無権代理人との間であたかも契約が当初から結ばれていたということが擬制されるのですから、契約から生じた責任つまり債務不履行に基づく損害賠償(415条)に近いですね。
 
 
この場合の損害賠償には、履行利益まで含みます。
 
 
ここで少し履行利益について説明します。
 
 
履行利益について
 
 
履行利益というのは、契約が履行されていたならば債権者が得られたであろう利益をいいます。
 
 
例えば、上記の例で、Cが不動産業者だったとして、Aと土地について1000万円で買う契約をした後に新たなDに対してその土地を1200万円で転売しようとしてDと契約していたとしましょう。
 
 
その後に、無権代理行為であることが発覚して、CがDに対して土地を売ることができなかったとしたら、本来Cに入ってくるはずの200万円の転売利益も得られなくなってしまいます。
 
 
この場合、CがすでにAに対して1000万円を支払っていたとすると、CはAに対して1200万円の損害賠償請求できるのです。
 
 
この200万円という転売利益も含んだものが履行利益なのです。
 
 
話を戻してまとめると、CがAに対して無権代理人の責任を追及する場合、それには履行と損害賠償請求がある。
 
 
今回の土地のようなケースは損害賠償請求をするのが通常である。
 
 
そして履行利益まで含んだ損害賠償請求をすることができるのです。
 
 
 
契約当事者であるならば債務不履行責任として当たり前の話なのですが、このようにAは無権代理とはいえ代理人であるにもかかわらず契約当事者と同じような重い責任を負うのです。
 
 
 
もし、Cが土地を取得できるかどうかわからない無権代理行為について知っていた悪意の第三者であった場合にも、Aにこれだけ重い責任を負わせるのは公平ではないですね。
 
 
知っていたならCにも非があるではないかということです。
 
 
ですから、無権代理人の責任を追及するためには、まず善意であることが必要なのです。
 
 
 
また、CはAがBの代理人であることを名乗って(顕名)契約していますから、契約する前にB本人に本当に土地について売買契約をするのかどうかを確かめることはできたはずですね。
 
 
◆ なお、これは契約後の催告とは別の話ですので誤解しないようにしてください。
 
 
もし、CがBに確かめもせずにAの言っていることを鵜呑みにして注意深く契約しなかったならば、それはCにも非難されるべき落ち度がありますね。
 
 
にもかかわらず、無権代理人の責任という重い責任を追及することは公平ではないのです。
 
 
ですから、無過失まで要求されるのです。
 
 
 
以上からすると、無権代理行為したAは確かに悪いですが、無権代理人の責任は契約当事者と同じ重い責任が課せられ、またCが契約前に確かめていれば回避できたことも考慮にいれると、CがAに対して無権代理人の責任を追及するためには、その重い責任に比例した要件を課すことが公平なのです。
 
 
 
ですから、無権代理人の責任を追及する場合、第三者には善意・無過失という主観的な要件が課せられているのです。
 
 
 
この主観的な要件について取消と対比するとより明確になります。
 
 
 
次に、まぐまぐ<2>を見ていきましょう。
 
 
 
<2>
 
 
前回解説したように、第三者は善意であれば取消権を行使することができました。
 
 
では、なぜ過失の要件が課されないのか。
 
 
取消の効果を考えてみましょう。
 
 
取消をすることによって、契約が最初からなかったことに確定します。
 
 
もし、CがBに確かめもせずにAの言っていることを鵜呑みにして注意深く契約しなかったという過失があったとして、Cが取消権を行使することが無権代理人Aに何か不利益になるでしょうか。
 
 
契約前と同じ状態に戻るだけのことですから、無権代理人には何も不利益は生じません。
 
 
これに対して、無権代理人の責任追及は、上記の解説のとおり当事者と同じだけの重い責任が課せられます。
 
 
 
ですから、取消には無過失までは要求されないのです。
 
 
 
このように、効果の大小比例して要件の軽重も決まるのです。
 
 
 
以上から、催告・取消・無権代理人の責任における第三者の主観的な要件をまとめてみましょう。
 
 
 
 
 
まとめ
 
 
催告の効果は、本人に委ねられますから本人への影響が小さいです。
 
そのため、主観的要件は課せられず、悪意でも催告できるのです。
 
 
 
取消の効果は、行使したと同時に本人の追認権を奪うので、催告よりも本人への影響が大きいです
 
そのため、善意の要件が課せられます。
 
 
 
一方で、取消の効果は、契約を元の状態に戻すだけのことです。
 
そのため、無過失の要件までは課せられません。
 
 
 
無権代理人の責任追及の効果は、契約当事者と同じような重い履行利益までの損害賠償責任まで負うので無権代理人への影響は大きいです。
 
 
そのため、善意だけでは足りず、無過失の要件まで課せられます。
 
 
 
◆ なお、第三者の取るべき手段によって、その効果が本人に影響するのか、無権代理人に影響するのか異なりますが、公平という天秤で量る場合は、本人VS第三者、無権代理人VS第三者というように相対的に公平性を比べるようにしてください。
 
 
 
ここまで理解できると、解説書などでまとめられている以下のような表の意味がわかると思います。
 
 
 
 
           善意    無過失
 
催告       不要    不要            
 
取消       必要    不要
 
無権代理    必要    必要
 
 
 
 
万が一試験本番中にこの表を忘れてしまっていても、もう皆さんなら考えてわかるはずです。
 
 
最低限《まとめ》にあることだけは押さえておいてください。
 
 
 
 
要件と効果について
 
 
どうして、長々と主観的要件にこだわって解説してきたかといいますと、上記のように民法の公平の観点から、効果の大小に比例して要件の軽重も決まるという考え方が、他の分野の主観的要件にも応用できるからなのです。
 
 
 
例えば、虚偽表示の第三者はなぜ善意だけでいいのか(94条2項)、あるいは、即時取得の第三者はなぜ善意・無過失まで要求されているのか(192条)なども同じような考え方で応用できるのです。
 
 
 
民法の公平の観点から、効果の大小に比例して要件の軽重も決まるというのは、逆に言うと、要件の軽重に比例して効果の大小が決まるといってもいいでしょう。
 
 
ある意味、原因に比例して結果が決まるといっているだけですので当たり前なのですが、なぜか試験の勉強をしていると結論ばかり気にして、要件と効果について意外と意識していなかったりするものなのです。
 
 
どの法律であっても、要件と効果が骨組みなのです。
 
 
とりわけ民法ではこの要件と効果が問われることが多いです。
 
 
要件と効果の関係を意識していれば、民法の理解の仕方はもちろん試験における民法も得意にする武器になるはずです。
 
 
要件と効果の関係ってこんな感じなんだって意識していただければ十分です。
 
 
 
前回と今回のブログ解説については、少し難しかったかもしれませんが、ブログ解説を読んで理解でき、その上で上記のようなまとめと表の知識が身についていれば十分ですので安心してください。
 
 
 
今回はこのあたりで終わります。
 
 
 



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催告と取消 無権代理と他人物売買(2) 行政書士試験

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今回は催告と取消についての基本的な知識と理解の確認をしていきます。
 
 
H19問題27の過去問分析
 
過去問がない方は下記のリンクで参照してください。
http://www.sikakuyo.com/gyousho/honsiken/193mondai.html
 
 
 
登録されていない方は、以下のまぐまぐの質問をご覧になってください。
 http://archive.mag2.com/0000260438/20080515113000000.html
 



まぐまぐの解説
 
 


今回のまぐまぐの例題は、共に第三者の善意・悪意という主観的要件を問うています。
 
 
もちろん知っていれば簡単に解けますが、民法は勉強が進むとあちこちで主観的要件がでてきます。
 
 
例えば、制限能力者、意思表示、時効、即時取得、担保責任、不当利得などで問われるので、丸暗記していると善意だけだったか、無過失まで必要だったかなどと迷うことも結構あります。
 
 
そこで、迷わずに思い出せるように理解しておく必要があるのです。
 
 
(1)(2)において主観的な要件が異なる理由がわかるでしょうか。
 
 
前回解説したとおり、民法は、当事者間または当事者および第三者との間との公平バランスを確保するための法律です。
 
 
この民法の公平バランスという大きな視点から考えてみましょう。
 
 
無権代理行為の場合、原則として、本人には責めるべき帰責性がありません。
 
 
そうすると、この本人を犠牲にしてまで第三者を保護するためには、それに見合った要件を課すのが公平ですね。
 
 
つまり、この民法の公平バランスを保つための第三者の主観的要件は何かを問うているのです。
 
 
天秤をイメージしていただければわかりやすいと思います。
 
 
 
<1>
 
主観的要件
 


(1)は、H11問題27の肢4の問題です(過去問は以下を参照してください)。
http://www.sikakuyo.com/gyousho/honsiken/113mondai.html
 
 
この問題のポイントは「代理権のないことを知らなかったときに限り」の部分です。
 
 
つまり、第三者が催告をする場合に、善意でなければならないのかという主観的要件を聞いています。
 
 
前回の解説のとおり、無権代理の場合、帰責性のない本人には追認または追認拒絶をするという手段があります。
 
 
催告とは、第三者が本人に対して追認するか否かについて意思を問うにすぎない手段です。
 
 
催告された後に、本人が追認するか否かを決定するのです。
 
 
そうすると、第三者による催告によって、本人が決断すればいいのですから、本人にとって何も不利益は生じません。
 
 
つまり、本人の追認または追認拒絶という意思によって、無権代理行為の効果が確定するのです。
 
 
ですから、催告の場合は、第三者の善意・悪意という主観的要件を課さなくても公平を害することがないのです。
 
 
よって、(1)は誤りです。
 
 
◆ なお、催告がされなくても、本人が無権代理行為を知って追認・追認拒絶することは、可能であって、必ずしも追認するには催告が必要というわけではないので誤解されないようにしてください。
 
 
 
追認拒絶とみなす
 
 


まず、催告したまま長期にわたって何も返答がなければ、契約の成立・不成立が確定しませんね。
 
 
これでは、第三者にとって、その法的地位の不安定な状態が続くことになるので不利益となります。
 
 
そのため、民法では、第三者が本人に対して、相当の期間を定めて催告した場合、その期間内に本人から確答がない場合は、追認を拒絶したものと規定されています(114条)。
 
 
この場合、契約の不成立が確定します。
 
 
では、「追認を拒絶したものとみなす」(114条)にしたのは、なぜでしょうか。
 
 
前回の解説のとおり、追認すれば、無権代理人と第三者との契約が本人に帰属しますから、契約成立という効果が契約時に遡って生じます(116条)。
 
 
つまり、本人の追認によって、法律関係に変動が起きるわけです。


これに対して、本人が追認拒絶をしても、無権代理行為によって当初から本人に帰属していない契約の不成立が確定するだけです。
 
 
つまり、本人の追認拒絶によって、法律関係に変動が起きないのです。
 
 
契約不成立の確定は、本人にとって何も不利益になりません。
 
 
本人が相当期間内に催告に対して確答しないということは、平たくいうと、見ず知らずの他人が勝手に代理人と名乗って契約したものに関して返事くれといわれても私は関係ございません、という意思の表れなのです。
 
 
にもかかわらず、追認が生じるという効果になれば、本人の意思が無視され、契約が成立してしまうわけですから、何ら帰責性のない本人の利益を害することになって民法の公平バランスを崩してしまいます。
 
 
ですから、本人と第三者の保護を図るために、本人が相当期間内に催告に対して確答しないということは、本人が法律関係の変動を望まない=追認拒絶とみなす、ということにしたのです。
 
 
これにより、契約の効果が帰属せず、契約不成立となるので本人は保護され、契約不成立が確定することで第三者の法的地位も不安定な状態から脱却することになります。
 
 
 
 
<2>
 


(2)は、H19問題27の肢3です。
 
取消権と追認権
 
 


第三者が取消権を行使すると、契約不成立が確定します。
 
 
確定した以上、法律関係の安定のため、それを覆すような追認を本人はもはやすることはできません。
 
 
逆に、本人が追認してしまえば、本人と第三者との間で契約が有効に成立することが確定するので、法律関係の安定のため、もはや第三者は取消すことができなくなります。
 
 
このように、第三者の取消と本人の追認は相矛盾する行為・二者択一的な行為なのです。
 
 
 
善意の要件
 
 


取消権を行使するには、善意でなければなりません(115条)がどうしてでしょう。
 
 
無権代理行為でも本人にとって利益となるものは、本人は追認できるので、その追認権を奪えるだけの要件を第三者に課さないと公平ではありません。
 
 
 
例えば、(2)の事例で、本人Bが土地を売却したがっていたとして、そのことを親友Aに話をしていたとしましょう。
 
 
その後、Aがたまたま土地を欲しがっている第三者と出会って、Bによかれと思って代理権を与えてもらっていない状態で第三者と売買契約してしまった。
 
 
AはBにその事を事後的に話して、Bも乗り気になって追認しようと思っていた。
 
 
ところが、Cは最初から無権代理行為であることを知っていて、Bの追認の前に「やっぱりやめた」と手のひらを返したように契約を取消したとしたらとどうでしょうか。
 
 
最初から知っていてあえて契約したのに、何も落ち度がないBの追認権を奪って前言撤回して取消す行為は、信義則にも反する行為であって民法の公平の理念に反します。
 
 
要するに、民法の公平バランスからすると、何ら落ち度のない本人を犠牲にしてまで、最初から無権代理行為と知っていて契約した第三者に取消権を与えてまで保護する必要はないということです。
 
 
 
ですから、第三者の取消には、善意という主観的要件を課して本人との公平を保とうとしたのです。
 
 
以上より、取消には、善意の要件が必要であり、善意である第三者の取消によって、もはや本人は追認できないことになるのです。
 
 
よって、(2)は正しいです。
 
 
 
このように、催告は、原則として本人の意思によって法律効果が確定するのに対して、取消は第三者の意思によって法律効果が確定するので、何ら帰責性のない本人を保護するために第三者に善意という主観的な要件が課されるのです。
 
 
つまり、催告・取消という行為によって本人に与える影響の大きさが異なりますから、その大きさの程度に比例して、第三者の主観的要件の軽重が決まるということです。
 
 
 
催告は、本人に与える影響が小さい=第三者に主観的要件が課せられない。
 
 
取消は、催告より与える影響が大きい=第三者に善意という要件を課した。
 
 
 
これを理解できていたら、催告と取消に課せられる主観的要件の違いが明確になったと思います。
 
 
今回はこのあたりで終わります。
 
 
 
◆ 次回は、5月19日(月)に記事をUPいたしますが、都合により夜8時以降になる予定ですのでご了承ください。



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無権代理って?無権代理と他人物売買(1) 行政書士試験

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出題形式別の順番からすると、次は問題37の株式買取請求権についての解説になるのですが、この問題を理解するには、ある程度の会社法の基礎的な知識と理解が必要です。
 
 
そのため、勉強を始めて間もない方にとっては難しく感じるかもしれませんので、もう少し時期を遅らせてから解説いたします。
 
 
そこで、今回から一肢選択問題を解説していきますが、中でも過去問で頻出であり、非常に重要であるにもかかわらず理解しづらい分野である民法の無権代理と他人物売買について解説していきます。
 
 
無権代理と他人物売買は、今までの過去問においても、本問のように同一の問題の中で問われていることが多く、また他の分野である、相続・即時取得・債務不履行などと絡んで出題されています。
 
 
そのため、数回にわたって平成19年度の過去問以外の過去問も一緒に勉強して、これらの分野および関係する範囲の基本的な知識理解を身につけることを目標にしていきます。
 
 
 
まず、今回は無権代理についての基本的な知識と理解の確認をしていきます。
 
 
 
◆ なお、他の過去問では、H15問題27・28、H12問題27、H11問題27・28、H9問題30で無権代理と他人物売買に関連した問題が出題されています。
 
 
それでは、以下のまぐまぐ質問について解説していきましょう。
 
 
H19問題27の過去問分析
 
過去問がない方は下記のリンクで参照してください。
http://www.sikakuyo.com/gyousho/honsiken/193mondai.html
 
 
 
登録されていない方は、以下のまぐまぐの質問をご覧になってください。
http://archive.mag2.com/0000260438/20080513113000000.html
 
 
 
【まぐまぐの解説】
 
 
<1>
 
種類と相違点
 
 
代理の種類には、法定代理と任意代理があります。
 
 
法定代理は、未成年者に対する親権者のように、本人の意思に関係なく法律上当然に代理権が発生するものです。
 
 
これに対して、任意代理は、本人が他人に対して代理権を授与することによって発生するものです。
 
 
このように、両者は、代理権の発生原因が異なるのです。
 
 
まず、この相違点をしっかり押さえてください。
 
 
そして、法定代理の場合には、単独で法律行為をすることができない制限行為能力者が法律行為できるように、その能力を補充するという役割があります。
 
 
これに対して、任意代理の場合には、本人も単独で法律行為をすることができるが、その活動範囲を広げるために、その能力を拡大するという役割があります。
 
 
この能力の補充と拡大という両者の役割の相違点も合わせて押させておきましょう。
 
 
要件
 
 
代理が成立するための要件は3つあります。
 
(1)有効な代理権の存在
(2)代理権の範囲内における有効な法律行為
(3)顕名(けんめい)
 
 
(1)は、本人と代理人との間に有効な代理権が存在しているということです。
 
 
(2)は、代理人と第三者である取引の相手方との間に代理権の範囲内での有効な法律行為があるということです。
 
 
(3)は、本人に法律効果を帰属させる意思が代理人にあって、その意思を第三者に示すことです。
 
 
 
効果
 
 
3つの要件が満たされると、代理人と第三者における法律行為の効果が本人に帰属します。
 
 
例えば、H19問題27と同じように、AがB所有の土地をCに売却した場合、以下の図でいうと、AC間の法律行為がBに帰属するということです。
 
 
この場合、BC間に売買契約の成立という効果が生じます。
 
 
B(本人)
↓    
A(代理人)⇔C(第三者)
 
 
 
◆ なお、以上の要件・効果は、法定代理・任意代理に共通ですが、今後は説明の便宜上、原則として任意代理の場合を念頭において解説していきます。
 
 
 
<2>
 
 
要件
 
無権代理となるのは、上記3つの要件のうち、「無権」という文字通り
 
(1)有効な代理権の存在
 
の要件が欠けている場合です。
 
 
 
 
そうすると、下図のように、本人が他人に対して代理権を授与していませんから(任意代理の場合)、上記の図と異なり、BからAへの → がなく、AC間の法律行為がBに帰属しないため  もありません。
 
 
B(本人)
 
A(無権代理人)⇔C(第三者)
 
 
つまり、AC間の法律行為は、このままではBに帰属しませんので法律行為の効果が確定せずに不安定な状態になっています。
 
 
この状態でAC間の法律行為がBに帰属しないことになると、一番不利益を被るのは誰でしょうか。
 
 
もちろん、第三者Cですね。
 
 
Cにしてみれば、せっかく土地を買ったのに、本人Bに土地を引き渡せといえないのです。
 
 
また、Aは当事者としてではなく、あくまでもBの代理人として契約したことになるので、このままの状態では、Aにも契約の履行として土地を引き渡せとはいえないですね。
 
 
 
そこで、第三者Cには何かとるべき手段がないでしょうか?
 
 
第三者の手段
 
民法は、当事者間または当事者および第三者との間との公平を確保するための法律です。
 
これを
 
真の権利者の保護VS取引の相手方の保護あるいは
 
静的安全の保護VS動的安全の保護
 
ともいいます。
 
 
そこで、このような公平の観点から取引の相手方の保護として、第三者のとるべき手段は以下の4つが考えられます。
 
 
(1)     催告(114条)
(2)     取消(115条)
(3)     無権代理人の責任追及(117条)
(4)     表見代理の主張(109・110・112条)
 
 
(1):本人に問い合わせてみれば、もしかしたら事後的に売買契約を承諾してくれるかもしれないことから第三者に与えられた権利です。
 
 
つまり、Aの無権代理行為をそのまま放っておけば、契約したとはいえ土地を取得できなくなるというように第三者Cの法的地位が不安定な状態になることから、不安定な状態を解消し第三者を保護するためにとるべき手段の一つとして催告権が与えられているのです。
 
 
この場合の効果は、本人のとるべき手段に委ねられますから、以下の<3>で解説します。
 
 
 
(2):催告権と同じように、Aの無権代理行為をそのまま放っておけば、Cは不安定な状態に置かれますから、Cの保護のためにAC間の売買契約がBに帰属しないことを確定させるために取消権が与えられているのです。
 
 
取消権を行使すれば、AC間の売買契約がBに帰属しないことが確定します。
 
 
つまり、BC間での売買契約は成立しないという効果が生じます。
 
 
(3):例えば、本人に効果帰属する見込みがないなら、もう土地のことはあきらめて、実際に契約を交わした無権代理人の責任を追及するという手段です。
 
 
本来、契約当事者ではないですから、無権代理人に対して契約責任を追及することはできないのが原則です。
 
 
しかし、一番悪いのは無権代理行為をした者ですから、責任逃れをさせるわけにはいきません。
 
 
そこで、第三者の保護のため無権代理人に対して責任を追及できるのです。
 
 
この場合、第三者は、無権代理人に対して、履行または損害賠償請求のどちらか選択できますが、土地のような不動産の場合は、無権代理人に履行できませんから、損害賠償請求をするのが通常です。
 
 
例えば、不動産ではなく、市場で調達できる代替的な動産のような場合ならば、履行を求めることも可能でしょう。
 
 
この場合の履行は、契約が当初から無権代理人と結ばれていたということが擬制されるのです。
 
 
このように無権代理人の責任を追及すると、履行または損害賠償請求することができるという効果が生じます。
 
 
(4):一定の要件を満たせば、第三者保護のために本人に効果を帰属させることができます。
 
 
つまり、本人と第三者との間に売買契約が成立するという効果が生じます。
 
 
表現代理については、これだけで重要な部分なので、また機会を改めて解説いたします。
 
 
 
◆ なお、解説書によっては、取消によって「無効」になるという表現もありますが、試験との関係では「効果不帰属」と同じような意味だと思ってください。
 
 
試験との関係では、どちらの表現で理解されても大丈夫です。
 
 
 
 
<3>
 
本人の手段
 
公平の観点から本人の保護として、本人のとるべき手段は以下の2つが考えられます。
 
 
(1)     追認(113条)
(2)     追認拒絶
 
 
本人は、放っておいても法律的には特に不利益は生じませんが、事実上第三者から請求されたり、場合によっては訴訟されたりしますから、法律関係を明確にしておく必要があります。
 
 
そのため、第三者からの催告などで無権代理行為を知った場合、追認あるいは追認拒絶するという手段をとることができます。
 
 
無権代理行為であっても、土地の売買が本人にとって利益になれば追認してもいいですし、不利益となるならば追認を拒絶してもいいのです。
 
 
いずれにしても、第三者との法律関係は、追認した場合は契約が帰属しますし、追認拒絶すれば、契約が帰属しないことに確定します。
 
 
つまり、本人Bが追認した場合は、契約時に遡ってBC間に売買契約が成立するという効果が生じます(116条)。
 
 
これに対して、本人Bが追認拒絶した場合は、BC間に売買契約が成立しないということが確定します。
 
 
 
以上より、無権代理の要件、その場合の本人と相手方の手段、手段から生じる効果について基本的な理解ができたと思います。
 
 
次回から過去問を使って解説していきます。
 
 
 
◆ なお、代理権の消滅・自己契約・復代理に関しては、H11 問題27、H9問題27で出題されているので復習しておいてください。
 
 
復代理については、法定代理人と任意代理人の場合の比較について、能力の補充と拡大の役割、それに伴う権限と責任の範囲の相違という視点から考えると理解しやすいと思います。
 
 
今回はこのあたりで終わります。
 



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