なぜ あなたは 行政書士試験に 合格できないのか?

どの法律系資格であっても、その確実なGETに必要なのは徹底的な過去問分析と方法論なのです。

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ノーマライゼーション!?  平成17年度 問題24の過去問分析 その1

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今回は、制限行為能力者に関する問題です。

総則の部分だけなら、法定代理人の権限を丸暗記することで対処することもできますが、本問のように身分法の分野とも関連した出題がなされると途端に混乱しがちなので、まずは基本をしっかり理解して押さえておきましょう。

問題24を分析していきましょう。
過去問がない方は下記のリンクで参照してください。
http://www.sikakuyo.com/gyousho/honsiken/173mondai.html

制限行為能力者とは、単独で有効に法律行為をし、または受けることができない者をいいます。

高齢者や判断能力の低下している方々が、できるだけ通常人と同じような社会生活を送ることができるような理念(ノーマライゼーション)のもとで、本人にまだある能力を活かしつつ、本人の自己決定の尊重本人の保護の調和を図るために成年後見制度ができました。

この制度を取引の安全という側面からみると、能力が補充されていない段階では、制限行為能力者本人の保護が重視されます(制限行為能力者>取引の相手方)。

具体的には、本人がした法律行為の取消権(120条)などがあげられます。

これに対して、法定代理人によって能力が補充されれば、取引の相手方と対等の関係で法律行為ができることから両当事者の取引の安全も図られるのです(制限行為能力者+法定代理人=取引の相手方)。

具体的には、相手方の催告権(20条)、詐術による取消禁止(21条)があります。

つまり、本人の保護と能力の補充というのは、民法の公平バランスを保つための制度なのです。

そして、その補充の程度(代理権、同意権など)は、成年被後見人、被保佐人、被補助人それぞれの残存能力によって異なります。

成年被後見人とは、精神上の障害によって事理弁識する能力を欠く常況にあるものをいいます。

定義の言葉のとおり、事理弁識能力を常に欠いている情況にありますから、法定代理人の同意の意味すら把握できないことが多いと考えられます。

ですから、法定代理人たる成年後見人には、代理権、取消権、追認権はありますが、同意権はないのです。

これに対して、被保佐人または被補助人とは、精神上の障害によって事理を弁識する能力が著しく不十分または単にその能力が不十分な者をいいますから、同意の意味は理解できる程度の能力があるものです。

ですから、彼らの自己決定権がより尊重され、その法定代理人たる保佐人、補助人には、同意権、取消権、追認権があり、原則として代理権がないのです(例外として、876条の4および9を参照)。

以上の成年後見制度の基本を押さえた上で、次回問題を解いていきます。

今回はこの辺りで終わります。


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直近行政庁ではないですが… !?  平成17年度 問題19の過去問分析 その2

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前回の続きです。

問題19を分析していきましょう。
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http://www.sikakuyo.com/gyousho/honsiken/172mondai.html

長に対する不服申し立てに関する肢オをやりましょう。

地方公共団体の政治は、その長が執行し、責任を持ちますから、公の施設=住民の財産の利用に関する処分に対して不服がある場合、その地方公共団体のトップは長ですから、長が不服を認めないと裁判や解職請求によらざるを得なくなってしまいます。

このように公の施設の利用に関する処分に対して、常に異議申し立てしかできないことになると住民の財産であるはずの公の施設の利用に住民の意思が適切に反映されにくいですね。

また、公の施設=住民の財産で、地方政治は住民意思の尊重という視点からすると、地方公共団体における不服申し立て制度は、できるだけ処分権限者以外の第三者に判断してもらうほうが、より公平で客観的な判断ができるのは明白ですね。

そこで、地方自治法では、異議申し立てできるのと同時に、市町村長の処分に不服がある場合は都道府県知事に、都道府県知事の処分に不服がある場合は、総務大臣に審査請求できるとしているのです(244条の4 第1項)。

もっとも、市町村長と都道府県知事には法律的には上下関係はなく、むしろ対等の関係です。

また、これら地方公共団体の長と大臣では、地方と国の政治なので、その役割も違い、上命下服の関係にはありません。

にもかかわらず、このような審査請求制度を認めたのは、一つにはより広域行政を担っている代表者ならば、多角的に客観的に判断できると考えられるからです。

もう一つには、間接的であるが、その住民の意思が反映して選挙された代表者ならば、その判断を信用できると考えられるからです。

つまり、その市町村を含む都道府県の長ならば、同一都道府県内の他の市町村のケースも考慮に入れて、より公平で客観的な判断ができますし、その都道府県の長の選出には、その市町村の住民の意思も反映しているので、その判断に信用できると考えられるのです。

また、全国の地方公共団体についての担当大臣である総務大臣であれば、全国的な見地から、より公平で客観的な判断ができますし、総務大臣が国会議員であれば、その住民の意思が国政選挙を通じて反映していますし、国会議員でなくても、その任命権者である内閣総理大臣は必ず国会議員ですから、その住民の意思が国政選挙を通じて反映していますから、その判断に信用できると考えられるのです。

よって、肢オは正しいです。

通常の行政不服審査法とは異なりますが、直近行政庁に対する審査請求に類似しているので理解しやすいのではないでしょうか。

今回はこの辺りで終わります。


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公の施設=住民の財産 !?  平成17年度 問題19の過去問分析 その1

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今回は地方自治法上の公の施設に関する問題ですね。

地方自治法の問題を解くときには必ず、地方の政治は住民の意思に基づいてなされるべきという視点を頭に入れておいてください。

憲法で勉強した住民自治という視点です。

ほとんどの場合それが問題を解く手がかりとなります。

さて、公の施設というのは、例えば、市営の運動場や図書館など住民の税金によって地方公共団体が設置・管理するものですから、いわば住民の財産となるべきものです。

ですから住民の意思の尊重に加えて、公の施設=住民の財産という視点から考えれば、それほど難しくはないでしょう。

わかりやすくするために根拠条文を付加していますが、仮に条文がわからない場合でも上記の視点から正誤が判断できるようにしておきましょう。

◇ なお、平成12年度問題19でも公の施設に関する問題が出題されているので確認しておいてください。

問題19を分析していきましょう。
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公の施設=住民の財産ですから、公の施設を設置・管理する場合には、それを利用する住民の税金を無駄にせず、住民の意思をできるだけ尊重するように、できるだけ明確な根拠がなければなりません。

ですから、原則として議会による慎重な審議を経て制定される条例で明文化することが要求されているのです(地方自治法244条の2 第1項)。

よって、肢アは正しいです。

また、公の施設は多種多様あって、その管理をその道のプロに任せた方が、より設置目的を達成でき、住民にとって利益になる場合もあります。

ですから、条例で定めれば、指定管理者に任せることもできるのです(地方自治法244条の2 第3項)。

よって、肢エは正しいです。

◇ なお、この肢アとエは、それぞれ平成12年度問題19の肢1と4で類似問題が出題されていますので確認しておいてください。

そして、重要な公の施設を廃止したり、特定人に独占利用させたりする場合は、住民の利用が著しく制限されます。

その場合は、住民の意思が最もよく効果的に反映する議会の意見を尊重すべきですね。

ですから、重要な公の施設を廃止したり、特定人に独占利用させたりする場合は、議会の同意(出席議員の3分の2以上)が必要なのです(地方自治法244条の2 第2項)。

よって、肢ウは誤りです。

さらに、その住民の利用のためにあるべき公の施設を、その自治体の区域外に設置するということは、住民にとって不便ですし、住民の意思に反するのが通常です。

しかし、その自治体の所有する土地などが不足して、どうしても他の自治体の協力を得ないと公の施設の設置が出来ない場合もあります。

ですから、その場合には、他の自治体と協議するのと同時に、あくまでも住民の意思が尊重されなければなりませんから、住民の意思が最もよく効果的に反映する議会の議決が必要なのです(244条の3 第1項、3項)。

よって、肢イは誤りです。

このように、住民の意思の尊重を念頭に入れて、公の施設=住民の財産という視点から考えれば、仮に条文を知らなくても何とか上記4つの肢については答えをだせるのではないでしょうか。


残りは、肢オですが、不服申し立てに関する問題なので次回続きをやります。

今回はこの辺りで終わります。


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新たなる出発!? 平成19年度行政書士試験 発表

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平成19年度の合格率は、8.64%と平成10年度以降3番目に高い数字でした。


行政書士試験は、合格基準点以上とれば人数調整することなく合格できるものですから、この数字の意味するところは、問題が去年度、一昨年度に比べて簡単であったということです(母集団のレベルが1,2年で相対的にアップすることは確率・統計的にみて通常ありません)。

とはいえ、100人の受験者のうち91人が不合格となる試験ですから、厳しい試験であることは間違いないでしょう。

ですから、来年度の試験に合格を勝ち取るためには、平成19年度の過去問を含めて、過去問の徹底的な分析がますます必要となってきています。

平成19年度の問題を見ても、過去問に関連する出題が多く、この過去問の徹底的な分析が合格のための必要かつ十分条件といえるでしょう。

平成19年度の過去問の分析については、現在の平成17年度の過去問の分析が一段落ついた後、2月の後半~3月の前半くらいから始める予定です。

<合格された方へ>

合格おめでとうございます!

喜びガッツポーズを取っている方、ホッと胸をなでおろしている方、新たなステップへと闘志を燃やしている方、とそれぞれいらっしゃると思います。

この1年間ご自分のやってきたことが結果に現れて本当によかったですね。
合格後も色々考えることがあるでしょうが、今はとにかく大いに喜びましょう!

何事も一つ一つのハードルを乗り越えて次に進むわけですから、ご自分の日々の努力の積み重ねによって、その一つのハードルを乗り越えたことに誇りを持ちましょう!

そして、今後、行政書士として活躍するのか、別のさらに難関な資格を目指して頑張るのか色々道はございますが、それぞれの方の新たなる出発を祝福させていただきたいと思っております。

本当に合格おめでとうございます!

なお、もしよろしかったら、簡単な合格体験記といいますか、どのような勉強をして、特に何を意識して勉強してきたかなどについて、一言でもいいので私のブログ記事の方に書いていただけたら幸いです。

コメント欄でもいいですし、管理者宛に送っていただいてもかまいません。
来年度の受験生のために、それを記事にさせていただけると幸いです。
今後ともよろしくお願いいたします。


<惜しくも涙をのんだ方へ>

本当に残念でした。 受験番号がないという結果は非情ですね。
とりわけボーダーにいた方は、おそらく今は何も考えられないでしょう。

しかし、結果が全てではありません。行政書士試験の勉強を始めてからものの見方が随分変わったと思いませんか?

一般常識と法律とでは随分違うものであると感じられているはずです。

今後ますますアメリカ型の契約社会になっていきますから、法律的な見方ができるというだけで安心感が違うはずですから、ご自身の役にたっていることは間違いないはずです。

ですから無駄な1年を過ごしたなどとは思わないでください。

私も一度落ちた経験があります。
そのときは、ショックでしばらく何をしてよいのかわかりませんでした。

何がいけなかったのか…ありとあらゆるネガティブなことばかり考えてしまいました。
もう一度受けるのか、違う道に進んだほうがいいのか、とずいぶん悩みました。

最初の記事にも書いたように、私は、過去問や予想問題集は5回くらい解き、予備校の模試も人並み以上に受けて復習しました。

一般にやるべきこととされていることは全てやったつもりでした。
しかし、結果は出ませんでした。

それでも人生に無駄なことはないと思って、発表後1ヶ月くらいたってから「なぜ自分は行政書士試験に合格できないのか?」をもう一度客観的に徹底的に分析しようと思ったのです。

そこから過去問を自分なりに様々な角度から分析し、この問題を解くために必要な知識と理解、しかも最小限度のものはないだろうか、と試行錯誤しながら勉強したのです。

結果として、翌年度にかなりの高得点で合格できました。

同じ悩みをかかえるより多くの受験生に伝えられないだろうかと、この分析したものを形にしたのが今のブログです。

まだまだ未熟な分析ですが、もし惜しくも涙をのんだ方の中に、来年度の受験も考えている方がいらっしゃったら、一緒に勉強させていただければと思っております。

すぐに今年度の本試験を振り返るというのはなかなか精神的に辛いとは思いますが、1ヵ月後くらいから、平成19年度の過去問分析をしていく予定ですので、またお付き合いいただけたら幸いに思います。

もし、今年度の試験について自己分析されたい方は、コメント欄か管理者宛に正解問と不正解問を送っていただければ、個々人に合わせた今後の勉強方針を一緒に考えていきたいと思いますので、遠慮なく送ってください。

今後も少しずつですが、ブログの記事を更新してまいりますので、来年度の合格を目指して頑張っていきましょう!これも新たなる出発なのです!

溝部 太郎

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国家賠償法は得点源!?  平成17年度 問題13の過去問分析

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今回は国家賠償法についての問題ですね。


今回は肢5つのうち4つが過去問で出題されていますから、個数問題とはいえ間違ってはいけない問題の一つです。


特に肢イとウは頻出で、平成18年度問題20の肢1と2で類似問題聞かれているので、平成18年度問題20の解説記事も参照してみてください。


問題13を分析していきましょう。


過去問がない方は下記のリンクで参照してください。
http://www.sikakuyo.com/gyousho/honsiken/172mondai.html

国家賠償法は民法の不法行為法のいわば特則であって、極めて類似していますし、条文数が6条と少ないので一度目を通されることをお勧めします。


とりわけ1条に関しては使用者責任(民法715条)のところと、また2条に関しては工作物責任(民法717条)のところと一緒に勉強すると効率的だと思います。


平成18年度の使用者責任に関する解説記事も参考にしてみてください。


今回は、国家賠償法1条について主に聞かれていますから、民法の使用者責任(民法715条)と比較すれば、簡単に肢が切れるはずです。


公務員による不法行為に対する国家による損害賠償責任ですから、公務員に故意・過失が必要であるのは当然ですね。


よって、肢エは誤りです。


◇ なお、平成9年度問題37の肢5に類似問題がありますので確認しておいてください。


では、国家賠償法1条の「公権力の行使に当たる」とはどういった場合であるのでしょうか。


憲法17条を受けてできた法律ですので、国の過ちに対して損害を受けた国民の人権保障を守るものです。


そうであるなら、国などが関わった違法行為に対しては広く損害賠償できることが望ましいです。


ですから、行政行為、強制執行、即時強制などの本来的な権力作用のほか、行政指導や、国公立学校での教育活動のような非権力的な行政活動や公的事実行為も含まれます。


よって、肢イは誤りです。


◇ なお、平成15年度問題10の肢2と4、平成16年度問題11の肢1、平成18年度問題20の肢1に類似問題が出ていますので確認しておいてください。


そして、この公権力の行使には、作為の他に不作為も含まれます。


行政事件訴訟法に処分に対する取消訴訟、不作為に対する無効確認の訴えがあるのと同じ感じです。


つまり、行使と不行使は表裏一体的なものですから、条文には「行使」としか書かれていなくても、公務員の違法な不行使によって損害が発生すれば、国家賠償責任を負う場合があります。


ただ、不行使の場合は、行使よりも損害との因果関係が明確ではないですから、常に不行使によって、直ちに国家賠償が生じるわけではないことに注意しましょう。


よって、肢オは正しいです。


残りは、肢アとウですが、両方とも民法の使用者責任の話と似ているので、一緒に解説していきます。


まず、ウでは「その職務を行うについて」の解釈と認定が問われていますが、これは過去問で頻出ですので絶対に間違わないでください。


使用者責任(715条)の「事業の執行について」と同じような解釈をとります。


つまり、国家賠償は、公務員の違法行為によって、いわれなき人権侵害を救済するものですから、公務員の違法行為の有無は、被害者を基準に判断すべきなのです。


ですから、公務員の主観は問わず、公務員の行為が、客観的にみて職務行為の外形を備えているかどうかで判断すべきと解されています。


使用者責任(715条)も、損害を受けた第三者を保護するものですから、客観的に行為の外形を基準として、事業に執行に含まれるかどうかを判断しますので、似ていますね。


ですから、被害者からみて、客観的にみて職務行為の外形を備えていれば、国家賠償責任を問えますから、制服着用していたり公務と騙ったりして外形上職務であるようにみえれば、「その職務を行うについて」にあたります。


よって、肢ウは正しいです。


◇ なお、平成18年度問題20の肢2、平成16年度問題11の肢3、平成15年度問題10の肢5、平成10年度問題37の肢2、平成9年度問題37の肢4に類似問題があるので確認しておいてください。


最後にアですが、代位責任の問題ですね。


国が公務員に対して求償できる場合があることから、国家賠償は、代位責任といわれており、民法の使用者責任と類似しています。


代位責任というのを貫けば、確かに違法行為をした公務員が特定されなければ、責任の所在が不明ですから、国家は責任を負わないとも考えられます。


しかし、国家賠償法は、公務員の違法行為によって損害を受けた国民の人権を国家が保障ものです。


そうであるなら、被害者救済のために国などが広く損害賠償できることが望ましいです。


また、行政などは組織的に行動しますから、どの段階で違法行為が生じたか特定するのが極めて困難です。


誰かは特定できないものの、いずれかの公務員の違法行為によって損害が生じたことが明らかである場合に、国家賠償責任を問えないというのは、国民の人権保障の趣旨に反します。


ですから、加害者が特定されなくても国家賠償が認められると考えるのが妥当でしょう。


民法の使用者責任も同様の考え方が妥当するでしょう。


◇ なお、平成16年度問題11の肢5、平成15年度問題10の肢1に類似問題があるので確認しておいてください。


以上のように、国家賠償法に関する問題は、類似問題が過去問で頻出ですし、民法の使用者責任を応用すれば理解しやすいので、国家賠償法は得点源になりますから間違えないようにしましょう。


今回はこの辺りで終わります。



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基本概念だけで解ける!?  平成17年度 問題10の過去問分析

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今回は行政手続法における申請についての問題ですね。

これも前回と同じように、法律による行政および「個人の人権保障」と「円滑・迅速な行政サービスの実現」のバランスの視点からから考えれば、容易に解けるはずです。

問題10を分析していきましょう。
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行政手続法における申請は、主権者たる国民が、行政庁による許認可等の処分がなされることを期待してする申請ですから、いわば国民の自由・権利を、行政庁が実現する手続きです。

それゆえ、国民の自由・権利が行政によってむやみに制限されず、かつ円滑・迅速に実現できるように、行政手続法で規定されているはずです。

ですから、国民の自由・権利を必要以上に制限しないように、行政庁は、申請が形式的要件を満たせば、拒否事由がない限り、それを受理し、処分に向けて審査・応答しなければならないのです(行政手続法7条)。

また、行政庁が、申請を受理した以上、円滑・迅速な行政サービスの実現のために遅滞なく申請の審査を開始しなければならないのです(行政手続法7条)。

このように、申請は、国家からの自由=自由主義的要請および国家による自由=福祉主義的要請のバランスが図られているのです。

よって、肢ウとエは正しいのです。

また、行政手続法における申請は、許認可等の行政処分に向けられているので、申請と行政処分は表裏一体、密接不可分の関係にあります。

その申請に対する行政処分は、法律による行政によって、法律の根拠に基づいてなされなければならないですから、密接不可分の関係にある申請もまた法令に基づかなければならないのは当然のことです。

よって、肢アは誤りです。

そして、行政処分=行政行為と一般に解されていますから、行政処分に行政行為の分類にある許可・認可の他に、特許の一種である免許等が含まれるのは当然ですね。

ですから、行政処分が、許認可に限られるわけではありません。

よって、肢イは誤りです。

さらに、申請に対する許認可という行政処分=法律行為的行政行為ですから、それに付する附款の一種である条件を付すことも可能な場合があるのです。

よって、肢オは誤りです。

以上より、妥当なものは、肢ウ、エの二つですから、2が正解ですね。

このように、法律による行政および「個人の人権保障」と「円滑・迅速な行政サービスの実現」のバランスという行政法の基本概念から正解が導けることができるので、参考にしてみてください。

今回はこの辺りで終わります。


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円滑・迅速な行政サービスの実現の具体化!?  平成17年度 問題9の過去問分析 

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今まで何度も解説してきましたが、行政を担う国・地方公共団体の重要な役割は、個人の人権保障を守のと同時に、国民全体に対して円滑・迅速な行政サービスを実現することです。


この円滑・迅速な行政サービスの実現の具体化の一つが、行政指導なのです。


このことがわかっていれば、容易に正解を出せると思います。


◇ なお、平成18年度問題11および問題12のブログ解説記事も参照してみてください。


問題9を分析していきましょう。


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行政指導は、行政手続法2条6号に、その定義があり、32条で一般原則が規定されています。


条文からもわかるように、行政指導は、指導、勧告、助言等のソフトな方法で、相手方の任意の協力に基づいて、一定の行政目的達成の実現をしていくものです。


ですから、一般の行政運営などと違い、法律の委任などは不要で、むしろ法律できちんと整備されていない部分を補って、社会状況に応じて臨機応変に行政サービスを実現していくものなのです。


このように、行政指導は、法律の根拠なく自由にできるものですから、法的拘束力がないのは当然なのです。


よって、肢アは正しいです。


また、社会状況に応じて臨機応変に行政サービスを実現するのが行政指導の役割なのですから、行政指導をするのに、あえて円滑性・迅速性を阻害するような行政機関の行政処分権限の有無は問われません。


よって、肢ウは誤りです。


さらに、行政指導をする際は、その相手方に対して、当該行政指導の趣旨及び内容並びに責任者を明確に示さなければならないものの(行手法35条1項)、行政指導自体は、口頭でも書面でもできるのです。


行政指導の内容によっては、簡潔・迅速にしなければならない場合もあり、相手方にも容易なことであるならば、口頭でも十分だからです。


よって、肢オは誤りです。


◇ なお、平成18年度問題12の肢3で類題が出ているので確認しておいてください。


このように、行政指導は、臨機応変に自由にできるのはメリットなんですが、法律の根拠に基づいてないので、特に複数人に対して同種の行政指導をする場合、個別に行政指導の趣旨及び内容並びに責任者を示しても、他者と同じ内容かどうか明確にされませんし、第三者にとっても不透明なものです。


ですから、行政指導の明確性、複数人間の公平性、第三者への透明性を確保するために行政指導の共通内容について、公表しなければならないのです。


よって、肢エは正しいのです。


◇ なお、平成18年度問題12の肢2で類題が出ているので確認しておいてください。



また、行政指導は、法律の根拠に基づかないで臨機応変に自由にできる反面、行き過ぎた行政指導をすることもありえます。


そのため、個人の人権保障を守るために、当該行政機関の任務又は所掌事務の範囲を逸脱して違法となるような行政指導に対しては、規制的であろうと受益的であろうと、これも公権力の行使にあたりますから、国家賠償請求できるのは当然なのです。


よって、肢イは誤りです。


このように、円滑・迅速な行政サービスの実現の具体化の一つが行政指導であることがわかっていれば個数問題でもそれほど難しくはないと思います。


今回はこの辺りで終わります。



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何でもないような知識がヒントに?!  平成17年度 問題1の過去問分析 

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今回から個数問題です。




今回は基礎法学の問題ですが、過去問は繰り返し出題されることの
いい問題例です。


例えば、肢イは、平成19年度問題1の肢5で、肢エは、平成15年度問題2の肢3および平成18年度問題1で、肢オは、平成15年度問題2の肢5で、それぞれ類似問題が出題されています。


このように何度でも同じような問題が出るので、過去問の分析は非常に重要なのです。


ですから、本問の出題当時は平成15年度問題2を解いていれば、少なくとも肢エとオは簡単に正誤の判断をつけられたはずですから、後は常識的に考えて解けばよかったわけです。


問題1を分析していきましょう。


過去問がない方は下記のリンクで参照してください。 http://www.sikakuyo.com/gyousho/honsiken/171mondai.html

まずは、過去にも類似問題が出題された肢エとオから簡潔に解説していきましょう。


<肢エ>


調停などの裁判以外の紛争解決方法=ADRで、平成18年度問題1でずばり聞かれていますね。


この肢エが布石となって、出題されたのでしょう。


示談(和解契約)等で当事者の意思に基づいて紛争解決をしますから、法の基準によらない場合もあります。


よって、肢エは、正しいです。


◇ なお、平成18年度問題1のブログ解説記事も確認しておいてください。


<肢オ>


上告審は法律審ですから、原則として、事実認定はしません(刑事訴訟法405条参照)。


しかし、重大な事実誤認があった場合は、法律違反に匹敵しますから、上告裁判所でも審理の対象となります(刑事訴訟法411条3号)。


よって、肢オは誤りです。


次に、平成19年度問題1の肢5とほぼ同じ問題である肢イを見ていきましょう。


<肢イ>

平成19年度問題1の肢5にもあるように、法令等の憲法違反の判断や最高裁判所の判例を変更する判断をするときは、大法廷で裁判しなければなりません。


これは、単純知識問題ですので、知っているかどうかだけの問題です。


ただ、この知識は別のところで役に立つことがあるのです。


おそらく気にもしなかったところだと思います。


以下のように、本試験の問題文の最後に「」という字が書かれているときがあります。


平成19年度問題34
(最二小判平成16年11月12日民集58巻8号2078頁以下)

平成16年度問題4
(平成8年3月19日 最高裁判所第三小法廷判決)

これらの場合は、小法廷で判決されていますから、出題されている判例が、憲法違反や判例変更ではないことを示唆しています。


ですから、例えば、未知の判に基づく出題がされて、最後に上記のように「小法廷」などがついていたら、その判例が憲法の判例ならば、違憲判決ではないことがわかりますし、最新の判例だとしたら、変更がないので、従来の判例の考え方に従えばよいということになります。


前者のように出題された判例が憲法判例の場合、例えば、「この判例の考え方と異なるものを選べ」というような問題だとしたら、判例を読まなくても、違憲になりそうな内容の肢を選べば、もうそれで答えが出てしまいますね。


また、後者のような場合、最新の判例を知らなくても、それに類似する過去の有名判例は必ずあるはずですから、それを思い出して、同じように理由と結論を考えて解けばよいのです。


このように、実は、この何でもないような知識が問題を解くヒントにもなるのです。


今度から問題文を注意深く確認してみてください。



 

加筆





もっとも、H19問題1の肢5と異なるのは、「大審院」が問題文に含まれているところです。


「大審院」とは現在の最高裁判所ができるまで、それに相当する裁判所でした。


しかし、「大審院」は、明治憲法下における裁判所、すなわち主権天皇にある時代の裁判所です。


これに対して、最高裁判所は、第二次世界大戦後にできた日本国憲法の下で機能する裁判所です。


つまり、主権国民にある現代の裁判所です。


わが国の場合は、単に憲法が改正されたというレベルのものではなく、国家の主権そのものが天皇から国民に変わった、ある意味革命的な憲法の制定だったのです。


ですから、最高裁判所と大審院では、その考え方の根本が異なります。


明治憲法では、いわゆる個人の尊厳にあたる人権思想などはなく、あくまでも天皇に与えられた臣民権にとどまり、違憲審査権などもありませんでした。


考え方の根本が同じである最高裁の従前の考え方を変更するために、大法廷で最高裁判所の裁判官全員の判断に委ねられるのです。


ですから、そもそも考え方の根本が異なる大審院の考え方を変更することは、従前の最高裁の考え方を変更することと同じとはいえません。


それゆえ、「大審院」のした裁判と異なるときには、大法廷で裁判をする必要がないのです。


よって、肢イは誤りとなります。



加筆終了

 






最後に、肢アとウを見ていきましょう。


<肢ア>

裁判拒否ができるとしたら、裁判を受ける権利(憲法32条)を害しますし、終局的に裁判所での紛争解決することができなくなりますから、裁判制度そのものの意義が失われます。


よって、肢アは、正しいです。


<肢ウ>


これは、常識問題ですね。


民事裁判の審理の対象が、給付請求権等の権利の存否等であるのに対し、刑事裁判の審理対象は被告人の刑事責任の有無ですから、両者の審理対象が異なります。


そうすると、民事裁判では、不法行為が成立し、損害賠償請求が認められたとしても、刑事裁判では、処罰に値する違法行為がなかったとして無罪になることもあるのです。


これは、民事裁判では、50%を超えて、裁判官に権利の存否の確信を与えれば、訴えが認められるのに対して、刑事裁判では、裁判官に合理的な疑いを超えて有罪であるとの確信を与えなければならないということからも、両裁判では異なる事実認定がなされる根拠になるでしょう。


例えば、有名どころでは、アメリカですが、O・J シンプソン事件などは、まさに民事裁判で負けて、刑事裁判で無罪を勝ち取ったという裁判でした。


日本の裁判制度は第二次大戦後に整えられましたから、民事訴訟法も刑事訴訟法も英米法の影響を強く受けているので、同じことがいえるのです。


よって、肢ウは正しいです。


赤字部分訂正

以上より、誤っているのはとオの2つですね。

平成20年度の試験にもまた類似した問題が出題されるかもしれませんので、基礎法学の問題はおろそかにせずにしっかりやっておいてください。


今回はこの辺りで終わります。



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最後までねばる!?  平成17年度 問題34の過去問分析

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今回は商法上の営業等に関する問題です。

本問は、単純知識問題ですから、あまり解説するところがありません。

しかし、このような問題でも何とかヒントがないか探ってみるのも解き方の実践的な勉強になります。

ですから、今回は、全く知識がなかったときでも、最後までねばる一つの方法を紹介したいと思います。

問題34を分析していきましょう。
過去問がない方は下記のリンクで参照してください。
http://www.sikakuyo.com/gyousho/honsiken/174mondai.html

このようなマイナー分野の単純知識問題では、似て非なるもの、あるいは似てないようで似ているものが正解に関わってくることが多いです。

問題文でそのようなものを探すと、肢3と5が似ていますね。

3 商法上の仲立人とは、~代理または媒介をなすことを業とする者である。

5 商法上の代理商とは、~の代理または媒介を行う独立した商人である。

どちらかが誤っているとして、「代理または媒介」の意味を考えると、代理と媒介では、
代理の方が基本的に権限の範囲が広いですから、代理ができれば媒介もできそうと推測できますね。

そうすると、代理商というからには、代理ができるのは当然でしょうから、媒介もできるのではと推測できます。

このように推測せずとも、代理商については、平成13年度問題33で出題されていますから、代理商の意味くらいは知っている方も多いでしょう。

これに対して、仲立人というのは、文言からも媒介はできそうだけど、代理までの権限が与えられているんだろうか?となりそうですね。

だから肢3が誤り、と何も知識がなかったら、このように肢を切ってしまうのも、問題文すらきちんと読まないで適当にマークをつけるよりも正解率はあがると思います。

本番では全く知識がない問題も出題されますから、このように未知の問題に対する対策も自分なりに考えておくとよいでしょう。

どんな問題が出ても正解率だけでもあげてやろうという気構えで普段から勉強すると、本番で未知の問題が出ても焦ったりしませんので心意気だけでも参考にしてみてください。

残りの肢の、問屋、場屋取引、匿名組合契約については、別の形で出題される可能性もありますので、まず本問で出題されている定義くらいは押さえておいてください。

その上で余力があれば、それぞれを条文などを比較して理解しておくとよいでしょう。

今回はこのあたりで終わります。

 


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肢の流れがストーリー?!  平成17年度 問題33の過去問分析 その2

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前回の続きです。

問題33を分析していきましょう。
過去問がない方は下記のリンクで参照してください。
http://www.sikakuyo.com/gyousho/honsiken/174mondai.html

取締役の行為に対する事前・事後の監視・監督についての流れがわかりやすい肢で構成されていますので、肢2→1→3→4の流れで説明していきます。

<肢2>
前回の通り、会社の合理化の要請から、取締役は、会社から委任を受けて会社の利益のために行動する役割を担っています。

そのため、取締役は、取締役会の構成員として業務執行の決定をしたり、代表取締役となれば、具体的な業務執行をしたりするので強大な権限を与えられています。

そうすると、その強大な権限を背景に、取締役が会社の利益を犠牲にして自己の利益を図ろうとすることは、委任の趣旨に反して許されないことになります。

これを前提に肢2を検討すると、取締役が自己または第三者のために会社の営業の部類に属する取引、つまり競業取引を行う場合、市場において会社の取引先を奪って会社に損害を与える可能性がありますね。

ですから、競業取引を行う場合は、会社の適正化の観点から、事前に取締役の監督機関でもある取締役会において当該取引に関する重要な事実を開示して、その承認を受けなければならないのです(365条1項 356条1項1号)。

よって、肢2は正しいです。

◇ なお、平成15年度問題34の肢4でほぼ同じ問題が出題されているので確認しておいてください。

<肢1>
肢2のように競業取引を行う取締役は、会社と自己の利益が衝突する関係にあり、自己の利益を図るために委任契約違反(善管注意義務違反・忠実義務違反)をするおそれがありますから、特別利害関係人にあたります。

競業取引を行うためになされる取締役会の承認決議に、この特別利害関係人たる競業取引を行う取締役が参加すれば、自己の利益のために議決権を行使することはありがちなことです。

ですから、会社に不測の損害が生じないように、このような特別利害関係人の議決権行使を排除するために決議自体に参加させない必要があるのです。

よって、肢1は正しいです。

◇ なお、株主が特別利害関係人にあたる場合は、株主総会に出席できるのでしょうか?
平成16年問題34の肢4で問われているので、その違いを確認しておいてください。


<肢3>
上記のように競業取引を行おうとする取締役が、取締役会の承認を得ないで競業取引を行うことで、会社の回復することができない損害が生ずるおそれがあるとき、取締役会が何も対処しようとしなければ、株主の利益が害されますね。

そこで、この場合は、もはや取締役会が監督機関としての役割を怠っていますから、株主は、会社に代わって、競業取引を行わないように差止め請求をすることができるのです(360条1項、3項)。

ただし、この場合、濫訴の防止のために、株式の保有期間が6ヶ月の株主に限定されています(会社の自治により、定款でこの保有期間を短縮可)。

よって、肢3は正しいです。

<肢4>
上記のように株主が差止めしようとしたが、間に合わず、取締役が、取締役会の承認を得ないで競業取引を行った結果、会社に損害を与えてしまった場合、この取締役の行為は、法令違反(365条1項 356条1項1号)行為であって、任務懈怠にあたります。

つまり、取締役は、会社から委任を受けて会社の利益のために行動する役割を担っているにもかかわらず、法令違反行為をしたならば、その委任契約違反(善管注意義務違反・忠実義務違反)であって、それが任務懈怠にあたるのです。

その任務懈怠によって、その取締役が会社に損害を与えたのですから、会社に対して損害賠償責任を負うのは当然ですね(423条1項)。

もっとも、会社の実質的所有者である株主全員が同意して、その取締役の責任を免除することに決めたなら、それがその会社の意思であり判断ですから、その場合は、取締役が会社に対して損害賠償責任を負わなくてもいいのです(424条)。

よって、肢4は正しいのです。

◇ なお、新会社法により、問題文の「法令または定款に違反する行為」とは「任務を怠った行為」と読み替えるのが適当でしょう。

以上のように、肢2→1→3→4の流れで説明すると、取締役の行為に対する事前・事後の監視・監督についての流れが一定のストーリーを持つのでわかりやすいですね。

仮に肢5が分らなかった場合でも、この流れが隠れたヒントになって消去法でとけるでしょう。

このように、会社の合理化と適正化のバランスという視点をいつも持っていれば、会社法の問題を解くときに必ず役に立ちますので参考にしてみてください。

今回はこの辺りで終わります。


 


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会社法の視点だけで解ける!?  平成17年度 問題33の過去問分析 その1

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今回は取締役に関する問題です。

平成19年度の本試験から新会社法で出題されていますが、新会社法の下でも、今回の問題は正解に影響がほとんどないところです。

会社の機関の問題の中でも取締役に関する問題は頻出ですし、何度も同じような問題が出題されているので過去問をしっかり押さえておきましょう。

問題33を分析していきましょう。
過去問がない方は下記のリンクで参照してください。
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従来の株式会社は、新会社法における公開会社であり取締役会・監査役設置会社であればほぼ同じですから、これを前提に会社の機関が分化している理由を考えて見ましょう。

会社は、株主が出資することで、その経営がなりたっているので、株主が株式会社の実質的所有者といわれています。

そうすると、本来的には実質的所有者の集まりである株主総会で会社のあらゆる業務執行を決定して、会社経営をすればいいはずです。

しかし、日々大量かつ大規模の取引を行っている株式会社の経営の判断をするのに、いちいち全国にいる多数の株主を集めていたら時間も費用もかかって非合理的ですね。

そこで、株主総会では会社の根本に関わる基本的な事項だけを決議し、日常的な業務執行については、取締役を選任し、経営のプロである取締役に委任しているのです(会社法330条)。

そして、取締役が構成員となっている取締役会で業務執行の決定と監視をします(362条)。

さらに、取締役会で代表取締役を選任し、代表取締役が具体的な業務執行をします(362条3項 349条4項)。

このように、会社の機関が分化して、それぞれの役割を分担することで、機動的な商取引ができるようになるのです。

これを会社の合理化の要請といいます。

もっとも、取締役に任せたはいいものの、会社の資金を悪用したり、経営判断にミスが多かったりすれば、会社は利益を増やすことが出来ず、せっかく出資した株主にも配当がこないことになり、株主にとって不利益となります。

そこで、株主、株主総会、取締役会、監査役は、取締役の経営判断などを監視、監督する役割を担っています。

これを会社の適正化の要請といいます。

会社法はこの会社の合理化適正化バランスを考慮して規定されているものです。
民法における公平のバランスと同じくらい重要な視点です。

ですから、会社の合理化と適正化のバランスという視点は、会社法の問題を解くときに
必ず手がかりとなるものですから、しっかり理解してください。

◇ また、会社法の機関構成は憲法における三権分立に類似していますので
以下のようにイメージして覚えておくとよいでしょう。

株主総会=国会
取締役会=内閣
代表取締役=内閣総理大臣
監査役=裁判所

上記の会社の合理化と適正化のバランスという視点があれば、正解はすぐにでてしまいますので、先に肢5を解説しましょう。

<肢5>
上記の通り、会社の合理化の要請から、会社の機関が分化されていると同時に、会社の適正化の要請から、取締役の行為に対する事前・事後の監視・監督がなされていましたね。

ですから、法律により取締役会が決定すべきものとされている事項についても、定款の定めによって代表取締役に決定権限を委譲することができるとすると、代表取締役の独壇場ですから、取締役会の監督機能が全く奪われてしまいます。

そうすると、取締役会における取締役の行為に対する事前・事後の監視・監督が全くできない状態になりますから、会社の適正化の要請に反しますね。

よって、肢5は誤りなのです。

これで正解はでましたが、残りの肢も会社の適正化の観点からみていけば、それほど難しい問題ではありません。

残りの肢は、取締役の行為に対する事前・事後の監視・監督について問われており、その流れがわかりやすい肢で構成されていますので、次回、肢2→1→3→4の流れで説明していきます。

今回はこの辺りで終わります。

 


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今後の出題を見据えて!? 平成17年度 問題29の過去問分析

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遺留分の問題は、相続の後半部分であるため、あまり押さえていない受験生が多いこと、過去10年では出題がほとんどされていないこと(平成11年度問題32の肢オで出題)、その上判例からの出題ということからすると、平成17年の出題当時では捨て問だったかもしれません。

しかし、一度過去問で出題された以上今後も出題される可能性はあります。

だからといって、この問題に出てきた判例の原文を読んで勉強しなければならないわけではありません。

そういう知識を増やす勉強方法は、百害あって一利なしです。

本問をたたき台にして、遺留分減殺請求について、今後どこを押さえておけばよいかを今回は解説していきたいと思います。

問題29を分析していきましょう。
過去問がない方は下記のリンクで参照してください。
http://www.sikakuyo.com/gyousho/honsiken/173mondai.html

肢1と2は、遺留分減殺請求に関する基本的な知識で解けるものです。

実はこれらの肢さえ押さえておけば、肢5が誤りだとわかる問題なのです。

ですから、肢1と2についての基本的な知識をまず身につけましょう。

そもそも、遺留分減殺請求するのはどういう場合なのでしょうか?

例えば、Xが被相続人、YがXの妻、AおよびBがXの子供、Zが第三者だとして、Xが遺言で全財産をZに贈与したとしましょう。

Xが自己の財産をどのように処分するかは全くの自由ですから、妻Yや子供ABに財産を残さずに、第三者Zに全財産を遺贈しても何ら問題がないはずです。

しかし、例えば、妻Yが専業主婦で子供ABがまだ小さいような場合、Xの財産だけが生活の基盤になりますから、全く財産を得られないと、相続人の生活に支障をきたします。

そこで、被相続人Xの意思を尊重しつつ、相続人Y、A、Bの生活の安定等を図ために、相続人に遺留分減殺請求権を認めて両者の公平バランスを保っているのです。

とはいえ、被相続人Xの意思を尊重するのが前提なので、遺留分の割合は本来の相続分よりも少ない割合で認められています(1028条)。

①直系尊属のみが相続人である場合は、被相続人の財産の3分の1
②それ以外の場合、被相続人の財産の2分の1

ですから、本来の相続分に3分の1または2分の1を乗じた額が具体的な遺留分の額になります。

上記の例ですと、②になります。

そして、被相続人Xの意思を尊重するのが前提なので、遺留分減殺請求権を行使するかどうかは、相続人個々人の判断に任されています。

例えば、上記の例とは違って、Y、A、Bそれぞれに収入があり、財産をもらわなくても特に困らない場合は、Xの意思を最大限尊重しようと、遺留分減殺請求権を一切行使しない場合もあります。

他方で、Bだけが生活の安定のために遺留分減殺請求権を行使する場合もあります。

このように、遺留分減殺請求権を行使するかどうかは、相続人のそれぞれの意思に任されており、これを一身専属的な請求権といいます。

ですから、他人の意思に反してまで財産権行使に干渉する債権者代位権にはなじまないのです。

よって、肢1は正しく妥当なのです。

そして、遺留分減殺請求権は、行使するかどうかは相続人のそれぞれの意思に任されますから、取消すか否かが取消権者に委ねられるように、取消権等と同じで、いったん行使したら、単独の意思表示のみによって法律関係が変動する形成権なのです。

ですから、裁判外で行使しても法律効果が生じるのです。

よって、肢2は正しく妥当なのです。

このように、遺留分減殺請求権が一身専属的な形成権であることがわかると、肢5が誤りだと判断できるはずです。

まず、形成権ですから、遺留分減殺請求権を行使すれば、すぐに遺留分にあたる財産を得られますね。

もし、その得られたものが遺産分割の対象となる相続財産になるなら、遺留分減殺請求権を行使した相続人の財産になるだけでなく、その他の相続人の財産にもなってしまいます。

これでは、遺留分減殺請求権を行使するかどうかが、相続人のそれぞれの意思に任されていることにならず、一人の相続人の意思で、他の相続人の意思まで代替されることになってしまいますから、保存行為のようになって、一身専属的な請求権とはいえませんね。

ですから、遺留分減殺請求権を行使した場合、行使した相続人の個別具体的な財産になるのです。

よって、肢5は誤りで妥当でないです。

これで本問の正解がでましたね。

問われていることは、遺留分減殺請求権が一身専属的な形成権であるということで、肢1と2がそのヒントになっており、その知識を使って肢5を解答させるという問題なのです。

判例を知らないから解けないという問題ではないのです。

以上より、本問を通じて学ぶべき基本的な知識は、遺留分減殺請求権が一身専属的な請求権であって、形成権であるということになります。

とりあえず、解説を理解したうえで、この知識だけ押さえておきましょう。

残りの肢3と4ですが、肢4は常識で判断できると思います。

特別受益者だけが、贈与当時の物価で算定され、他の相続人が相続開始時の物価で算定されれば、物価の変動等で不均衡になるのは当たり前で、民法における公平の理念に反します。

ですから、相続開始時を基準に算定されるのです。

よって、肢4は正しく妥当なのです。

肢5は少し難しいかもしれません。

相続人間で話し合って相続分を決める遺産分割協議と個々的に遺留分減殺請求権を行使することは全く別ものです。

しかし、被相続人の全財産が相続人の一部の者に遺贈され、遺贈の効力を争ってない場合、他の相続人がこの遺贈された財産から、自己の財産を得ようとする方法は、法律上遺留分減殺請求権を行使するしかないのです。

そして、協議による遺産分割も遺留分減殺請求権の行使も、元々の相続財産から相続人が何らかの財産を得るという点では共通しています。

ですから、この場合に遺産分割協議の申入れをしたということは、法律的な主張は異なるものの、元々の相続財産から相続人が何らかの財産を得たいという意思の表れであることは間違いありません。

そうすると、この場合は法律上遺留分減殺請求権を行使するしかないのですから、遺産分割協議の申入れによって、遺留分減殺請求権を行使したと推認できるのではないでしょうか。

くだけた言い方をすると、裁判官からすれば、あなたは遺産分割協議の申入れっていっているけど、遺留分減殺請求権を行使するって言いたいんでしょう?ということです、

ですから、遺産分割協議の申入れによって、遺留分減殺請求の意思表示も含まれるといってもいいのではないかということです。

よって、肢4は正しく妥当なのです。

肢4は少し難しいかもしれませんので、理解できなければあまり気にしなくてもいいでしょう。

このように、過去問から何を学び取るかによって、勉強の労力や方法が変わってきますから、できるだけ最低限の基本的知識だけで正解を導けないだろうか、ということを常日頃考えてみてください。

今回はこの辺りで終わります。

 


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プレゼントは返してもらえるのか?!  平成17年度 問題28の過去問分析 

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今回は、主に贈与の撤回に関する問題ですね。

550条では、書面によらない贈与ということで、原則と例外がわかりにくく書かれていますが、要するに、贈与はプレゼントです。

プレゼントしたいという気持ちが形に表れれば、もう「やっぱりやめた」と撤回はできないということです。

これだけわかっていれば、肢1~3までは簡単に正誤の判断がつきます。

◇ なお、条文上は「取消」となっていますが、これは撤回の意味です。

問題28を分析していきましょう。
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プレゼントしたいという気持ちが形に表れるとは、書面にしたためたり、動産なら引渡したり、不動産なら登記や引き渡したりすることです。

気持ちが目に見える形で表れた以上、もう相手はいただいたと信頼していますから、その相手の信頼を裏切ることはできませんので、撤回できないのです。

これに対して、プレゼントしたいという気持ちを、口頭でついうっかり言ってしまった場合は、本心ではありませんし、相手もまだ実際に受け取ったわけではないですから、半信半疑の状態ですね。

この場合は、「あげるって言っちゃったけど、やっぱりやめとく、ごめん」と撤回できるのです。

この理解を前提に、肢1~3まで見ていきましょう。

肢1は、建物を引き渡していますから、もう気持ちが目に見える形で表れていますね。

肢2も、書面によらなくても、現物の建物を引き渡していますから、もう気持ちが目に見える形で表れていますね。

肢3も、書面によらなくても、建物を引き渡していなくても、登記して公示されていますから、もう気持ちが目に見える形で表れていますね。

ですから、肢1~3は全て取り消し=撤回することはできません。

よって、肢1~3は全て正しく、妥当です。

残りは、肢4と5ですが、肢5は552条にあるのですが、細かいし知らなくてもいいです。
ただ、考えればわかりますので最後にみていきましょう。

肢4は既存の知識で解けるはずです。

贈与契約というのは、諾成、無償、片務契約です。

ところが、負担付贈与契約というのは、文字通り、受贈者が何かしら負担する代わりに、贈与する契約ですから、負担部分の限度で対価関係にあることになります。

例えば、明日一日家事を手伝ってくれることを約束に、10万円の商品券をプレゼントしたという負担付贈与の場合に、家事の手伝いに来なかったらどうなるでしょうか。

すでに動産たる10万円の商品券を引渡して贈与していますから、もう撤回はできません。

しかし、このような負担付贈与は、売買契約のように、例えば、売主が不動産の引渡債務を負い、買主が代金支払債務を負うという双務契約に類似しますね。

ですから、双務契約に関する規定が準用されます(553条)。

そうすると、この負担部分に関して、その義務を受贈者が履行しない場合は、債務不履行になりますから、贈与者は解除することができるのです。

よって、肢4は妥当です。

これで消去法により、正解が肢5とわかりましたね。

肢5を少し解説しておきます。

定期的に贈与するということは、例えば、毎月生活費を5万円贈与するという契約ですから、当事者間に何かしら一定の特別な関係があって、互いの気持ち=意思が尊重されます。

ですから、当事者の一方が死亡した場合は、その関係が崩れたのと同じことですから、効力を失うことにしているのです。

このように、本問は、贈与者の気持ち=意思が表面に現れているか否かで判断できれば難しくない問題ですから、考え方を参考にしてみてください。

今回はこの辺りで終わります。

 


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背信性までは移転しない!?  平成17年度 問題25の過去問分析 その4

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残り肢2と肢5ですが、まず肢5からやりましょう。

遺贈は、相手方のいない単独行為ですから、契約ではありません。

しかし、死因贈与契約と類似しているので、対抗関係の場面では同じように考えれば
よいのです。

問題25を分析していきましょう。
過去問がない方は下記のリンクで参照してください。
http://www.sikakuyo.com/gyousho/honsiken/173mondai.html

肢5を見ると、Aは甲土地という特定の財産をBに遺贈していますから、これは特定遺贈です。

これにより、甲土地の所有権は、Aの死亡と同時にBに帰属します。

ですから、理屈からすると、Aの唯一の相続人Cは、甲土地を相続しないですし、Aの包括承継人であるので、CとBは当事者の関係にあります。

そうすると、Cは甲土地については無権利者ですから、Cの債権者Dが甲土地につき、Cへ所有権移転登記をした上で差押えたとしても、Dは保護されないようにも思えます。

しかし、所有権を取得したことと、他人にその所有権を主張しうるかとは別の話です。

また、第三者からすると遺贈の事実はわかりませんから、Aが死亡し、甲土地の登記がAの所有のままであれば、甲土地はCが相続したものと通常思うかもしれません。

そこで、民法の公平バランスを図るために、このような場合も二重譲渡類似の関係として登記なくして対抗できないと177条で処理することにしたのです。

つまり、CはAの包括承継人ですから、A=Cといえ、差押も実行されれば、抵当権の実行と同じように、第三者に譲渡されますから、ある意味譲渡の前段階になるので、A→B C(=A)→Dと考えれば、二重譲渡類似の関係になりますね。

ですから、Bは登記なくしてDに対抗できないのです。

よって、肢5は誤っているのです。


最後に肢2をやりましょう。

この問題は瞬殺できるのがわかりますか?

平成15年度問題40と全く同じ問題なのです。

記述式問題が2年後に択一の肢の一つとして出題されただけですね。

ですから、肢2が誤っているのはすぐわかるでしょう。

しかし、平成15年度問題40の判決文を見ても結論しか書いてありませんから、
なぜ、A→C→Dと有効に所有権が移転するのか理由がわかりません。

わかりやすいように、少しくだけた表現で説明いたします。

まず、二重譲渡の場合、公平の観点から、譲受人の善悪にかかわらず、自由競争の範囲内で先に登記を備えた方が勝つ、つまり登記の有無で画一的に処理されるのはもうおわかりですね。

単純な悪意者と背信的悪意者は、その程度に差があるものの、どちらも主観的要件です。

主観的要件というからには、その個々人によって判断しなければなりません。

背信的悪意者は単なる事情を知っているだけでなく、第一譲受け人を困らせる目的で譲渡を受けている者です。

ある意味、短距離走でヨーイドン!で走ったら、少し前を走っている隣の走者に後ろから足をかけて転ばすみたいな者と同じですから、これでは自由競争の範囲を超えていますね。

このような者を保護する必要はありませんから、AはCに対しては登記なくして対抗できるのです。

しかし、例えば、リレー競争をやっていて、途中で人に足をかける悪いやつがいたとしても、バトンを持って走って、次の走者に渡していますから、次の走者がこのような悪いやつでなければ、一所懸命ルールの範囲内で走ったのですから、次の走者まで咎めることはないですね。

この場合のバトンを甲土地の所有権だと思えば、甲土地の所有権はDまで移転している。

ただ、Cが性格的にとっても悪いやつだから、こんなやつは信義則上保護する必要はないが、ルールを守っているDは保護すべきなので、Dに対しては、Bは登記なくして対抗できないとしたのです。

つまり、所有権は移転しても、それと共に背信性までは移転しないのです。

このように、背信的悪意者の背信性というのは、個々人に属する性格みたいなものですから、背信性を有する者だけ排除すればいいのです。

以上で問題25の解説を終えますが、過去問でも頻出ですし、理屈で考えると難しい部分もあるので、できるだけ詳しく解説いたしましたので参考にしてみてください。

わかりにくい箇所があれば、いつでもご質問ください。

今回はこの辺りで終わります。

次回は、14日(月)が休日のため、15日(火)に記事をUPいたします。

 


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解除前の第三者  平成17年度 問題25の過去問分析 その3②

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前回の続きです。

問題25を分析していきましょう。
過去問がない方は下記のリンクで参照してください。
http://www.sikakuyo.com/gyousho/honsiken/173mondai.html

AがBとの売買契約を解除する前に、BがCに甲土地を売却し、その後Aが解除したとしましょう。

そうすると、解除によって遡及効が生じるのが原則ですが、第三者の権利を害することができない(545条1項但書)と規定されています。

そうすると、遡及効によって、第三者の権利を害する場合は、遡及しないと読めますから、この条文の規定からすれば、Cは登記なくしてAに対抗できそうです。

しかし、一般に登記が必要であると解されています、なぜでしょうか?

今まで何度も出てきた民法の公平バランスを図るためなのです。

Aに何らかの落ち度があるでしょうか?

一番悪いのは債務不履行をしたBですよね。

Bの債務不履行によってAは解除することにしただけですから、Aには落ち度はありません。

にもかかわらず、BがCに転売したというだけで、Aのもとに甲土地が戻ってこないというのは明らかに公平を欠きます。

ですから、Cには保護されるだけの要件を課すほうが公平なのです。

そこで、公示によって法律関係を明確にするため、解除前の第三者に登記の具備を要求したのです。

つまり、545条1項但書には直接規定はされていませんが、解除者と第三者の公平を図るために解釈によって、帰責性のない解除者を犠牲にしてまでも、解除前の第三者が保護されるためには、保護されるだけの要件を備えていなければならないとしたのです。

解除される前に第三者が登記をしたということは、自己が所有者であることを公にしたということですから、所有権が第三者に対しても確定したと主張できる立場にあります。

それならば、先の例ですと、もはや所有者はCに確定したわけですから、この場合は解除者であるAを犠牲にしてもやむをえないとするのが公平なのです。

Aは不動産を失うもののBに対して損害賠償という形で解決すればいいわけです。

このように、登記が必要であっても、解除前と解除後の第三者ではその意味合いが異なるのです。

ここで注意しなければならないのは、解除前の第三者は、解除される前に登記を具備していなくてはならないのに対して、解除後の第三者は、とにかく解除者本人よりも早く登記を具備すれば対抗できるので、この違いを理解しておきましょう。

◇ なお、取消前の第三者は、登記は不要ですが、善意でなければなりません(96条3項)。

なぜ解除のときと異なり、主観的な要件が課されているのでしょうか?

これも取消権者と第三者との公平バランスを図るためなのです。

詐欺取消の場合、詐欺されたXは、詐欺を知っていれば売買しなかったでしょうから、
法律行為自体に瑕疵があり、Xを保護する必要性が高いのです。

つまり、詐欺の場合は、自己の意思表示が有効でありませんから、取消す蓋然性が高いですね。

その上、詐欺の事実を知っているZを保護する必要性は低いです。

ですから、取消前の第三者に善意という主観的要件を課しているのです。

解除の場合は契約には何ら問題なく、債務不履行のように事後的に問題が生じた場合に解除するわけですから、有効に取引した解除前の第三者は、解除権者と同じくらい保護すべき要請があるのです。

また、仮に解除前の第三者が債務不履行の事実を知っていたとしても、解除権者が、もう少し支払い時期を猶予したりするかもしれませんし、それだけでは解除するかどうかはわかりませんね。

ですから、解除前の第三者には主観的要件が課されていないのです。

このように、解除前の第三者と取消前の第三者とでは、契約が有効に成立しているか否の違いにより、第三者保護の要件が異なりますので、ここで合わせて理解しておきましょう。

以上より、解除前・解除後の第三者および取消前・取消後の第三者について解説してきましたが、一度理解してしまえば、結論を丸暗記する必要はないと思います。

このような登記に関連する問題は行政書士試験では頻出ですので、少し深い話しまでさせていただきましたが、理解したうえで以下の点に注意しておけば大丈夫でしょう。

まず問題を解く際に、解除前(取消前)の第三者の問題か、解除後(取消後)の第三者の問題かをまず見極めましょう。

そのうえで、解除ならば、登記が必要といっても、解除前後で第三者が登記を具備しなければならない時期が異なり、取消ならば、取消前後で第三者の保護の仕方が全く異なるという点に注意して肢を切れば、これらに類似する問題はほとんど解けるはずですので参考にしてみてください。

今回はこの辺りでおわります。

 

 


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解除と登記、取消と登記! 平成17年度 問題25の過去問分析 その3①

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今回は肢4の解除と登記について解説していきます。

結論から申し上げますと、解除については、解除前であろうと解除後であろうと第三者が保護されるためには、対抗要件としての登記が必要です。

しかし、その意味合いが多少異なるのです。

◇ なお、これと似ているのが取消と登記です。

解除後の第三者と取消後の第三者は同様の保護要件であるのに対し、解除前の第三者と取消前の第三者とでは保護要件が異なるのでここで一度に解説しておきます。

取消と登記については、平成12年度問題28の肢ウで出題されているので確認しておいてください。

問題25を分析していきましょう。
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まず、肢4と関連する解除後の第三者から解説いたします。

AB間の甲土地の売買契約が、Bの債務不履行によって、Aに解除された場合、解除には遡及効がありますので(545条1項本文)、甲土地の所有権はBからAへと戻りますね。

そうすると、前回と同じように、理屈で考えると、この時点でBは無権利者となり、Cへ売却してもCは無権利者からの承継人にすぎず、所有者となりえないのではないかという疑問が生じるかもしれません。

しかし、所有権を取得したことと、他人にその所有権を主張しうるかとは別の話でしたね。

そうすると、Aにすでに甲土地の所有権が復帰していたとしても、それをCに主張できなければ、確定的な所有権者とはいえないのです。

この場合、BからAに戻る所有権と、BからCへ移転する所有権とが、あたかもB→A B→Cという二重譲渡類似の関係になるのです。

BからCへ所有権が移転することが、通常の物権変動であるのに対して、BからAに戻る所有権の移転は、復帰的な物権変動と考えることもできるのです。

ですから、AとCは対抗関係にたち、AはCに対して登記なくして対抗できないのです。

よって、肢4は正しく、これが正解です。

◇ なお、この関係は、取消した本人と取消後の第三者との関係も同様です。

例えばXがYの詐欺によって乙土地を売買した場合、Xが詐欺取消した後に、YがZに乙土地を売却したとしましょう。

この場合も、Xの詐欺取消によって乙土地の所有権が復帰的にXに移転するので、あたかもY→X、Y→Zという二重譲渡類似の関係になります。

後は解除の場合と同様にXとZは対抗関係になるのです。

次回、解除前の第三者および取消前の第三者について解説いたします。

今回はここまでで終わります。

 

 


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時効完成の前後で判断せよ! 平成17年度 問題25の過去問分析 その2

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前回の続きです。




今回は肢3の時効と登記について解説していきます。




単なる時効と登記の問題ではなく、二重譲渡がからんでいるので少し複雑な問題となっております。




問題25を分析していきましょう。




過去問がない方は下記のリンクで参照してください。
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まず、時効と登記の基本的な例題から解説していきます。




<例題1>


肢3のAからBへの譲渡というのを今は考えないことにして、


「BがA所有の甲土地を自己の土地だと思って、善意、無過失に10年以上占有を継続していた場合、Bは登記なくしてAに所有権を対抗できるか。」

この場合、まずBは10年で甲土地を時効取得します(民法162条2項)。




そうすると、物権の排他性から導かれる、一つの所有権の客体は一つの物という一物一権主義から反射的にAは所有権を失いますね。




Bは所有権を取得したものの、取得したことと、他人にその所有権を主張しうるかとは別の話です。




この場合、BはAに対して甲土地の所有権を主張するのに登記が必要でしょうか?

前回解説したとおり、対抗関係は、当事者または包括承継人以外の第三者との関係で問題となります。




そうすると、甲土地の所有権の得失という側面からAとBは当事者にあたりますから、対抗関係にはなりません。




ですから、登記なくしてBはAに対して取得時効による甲土地の所有権を主張できますね。




次に、この状況下でCが加わった場合の例題を見ていきます。




<例題2>


「BがA所有の甲土地を自己の土地だと思って、善意、無過失に10年以上占有を継続していた場合、Bが甲土地を占有してから5年後に甲土地をAがCへ売却したとすると、BはCに対して登記なくして甲土地の所有権を対抗できるか。また、10年後に甲土地をAがCへ売却した場合はどうか。」

確かに、Bが甲土地を占有してから5年後に甲土地をAがCへ売却した時点で、甲土地の所有権者はCですね。




しかし、Bが甲土地を善意、無過失に10年以上占有を継続するまでBが無権利者に過ぎないというのは、その間誰が甲土地の所有者であっても異なることはありません。




つまり、Aが10年経過するまでに、自己で所有していようとも他人に売却していようとも、さらに転売されていようとも、Bが甲土地を10年以上占有継続するまでBが無権利者であることは何も変わらないのです。




そうすると、Bが10年以上の占有継続で甲土地を時効取得した時点で、甲土地の所有者であったものが誰であるかは問題になりません。




時効取得したBにとっては、当初からAが所有者であろうが、売却されていようが関係ないですから、Bが時効取得するまでに、Aから承継取得した者もAと同じ立場、すなわち当事者として扱ってかまわないわけです。




時効取得というものは、事実状態を尊重し、権利の上に眠る者を保護しないという制度ですから、AであろうとCであろうと権利の上に眠る者は保護されないのです。




ですから、Bが時効取得するまでに、AからCに甲土地が売却されても、BからするとCはAと同じ当事者と同様の立場ですから、例題1と同様に登記なくして所有権を主張できるのです。




では、10年後に甲土地をAがCへ売却した場合はどうでしょうか?

この場合、Bはすでに甲土地を時効取得しています。




理屈で考えると、この時点でAは無権利者となり、Cへ売却してもCは所有者となりえないのではないかという疑問が生じるかもしれません。




しかし、上記の通り、所有権を取得したことと、他人にその所有権を主張しうるかとは別の話です。




もう少し具体的に言いますと、法律上観念的に所有権を取得していたとしても、例えば、裁判で時効を援用して、その主張が認められなければ、所有権を取得したことにはならないということです。




そうすると、Bがすでに甲土地を時効取得していたとしても、それをCに主張できなければ、確定的な所有権者とはいえないのです。




結果として、この場合、A→B、A→Cという二重譲渡類似の関係になるのです。




このような関係になるのは、第三者である裁判官の視点で考えると理解しやすいと思います。




CはAと有効な売買契約によって、甲土地を取得しているのでBの登記の欠けつを主張するのに正当な利益を有する第三者になるのです。




ですから、BはCに対抗するためには登記が必要となるのです。




このように登記で画一的に処理しても、Bは時効取得している以上早期に登記することが可能ですから、登記で優劣を決しても民法の公平性を害することはないのです。




逆に、Bが時効取得する前は、Bは無権利者ですから、登記することができません。




にもかかわらず、Bに登記を要求することは民法の公平性を害し妥当でないのです。




以上より、10年後に甲土地をAがCへ売却した場合、Bは登記なくしてCに対抗できないのです。




◇ なお、前回、第三者対抗要件として登記が必要とされるのは、不動産取引の安全を図るためであると書きました。




しかし、時効による取得の場合、それは原始取得であって、承継取得を予定する不動産の取引ではありませんね。




にもかかわらず、時効取得の場合に登記が要求されるのは、登記で画一的に所有権者の優劣を確定するほうが民法の公平性に資するからなのです。




以上を踏まえて、肢3を見ていきましょう。




<肢3>


例題2と異なる部分は、AがBに甲土地を売却しているという部分です。




これは、二重譲渡と時効では、どちらが優先するのかについて正しく理解しているかを問うているのでしょう。




時効を考えなければ、A→B、A→Cという二重譲渡になっていますね。




本来はこの時点で、登記を先にしたほうが勝ちなのです。




ところが、Bは甲土地を10年以上占有の継続をしており、CはBの時効完成前の第三者です。




例題2で解説したとおり、この場合、Cは当事者と同じですから、Bは登記なくしてCに対抗できます。




これに対して、CがBの時効完成後の第三者であった場合、Bは登記なくしてCに対抗できないのです。




ですから、肢3は誤っているのです。




以上のように理解できて初めて、時効と登記は、時効完成前後で判断するという意味がわかるのです。




つまり、時効完成前の第三者に対しては登記なくして対抗できる、時効完成後の第三者に対しては登記なくして対抗できないのです。




このように単に結論だけ丸暗記するのではなく時効と登記を理解していれば、少し複雑な時効に関する問題がでてきても混乱することはないでしょう。




◇ なお、類似問題として平成12年度問題28の肢アがあるので確認しておいて下さい。




今回はこの辺りで終わります。






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あなたは登記していませんね!? 平成17年度 問題25の過去問分析 その1

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今回は民法177条の不動産登記に関する問題です。

なぜ不動産の所有権等を第三者に対抗するには登記が必要なのでしょうか?

一言で言うと、不動産取引の安全を図るためです。

動産に比べて不動産は、その価値が高く、重要な財産です。

そのため、登記という公示の制度によって不動産に関する情報を公開することで、不動産取引の安全を図る必要があるのです。

また、登記という画一的な処理で優先関係が判断されることで法的安定性も保てるので、不動産取引の安全を図ることができるのです。

さらに、有効に権利取得した者であれば誰でも、登記さえすれば、原則として第三者に自己の権利を主張することができるという点で、民法の公平の理念が反映しているともいえるでしょう。

登記による対抗関係に関する問題は、過去問でも頻出の部分ですので、数回にわけて解説していきます。

問題25を分析していきましょう。
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不動産の所有権等を第三者に対抗するには登記が必要であるということは、逆に言うと、不動産の売買契約等の当事者に対しては、登記がなくても対抗できるということです。

つまり、当事者間では売買契約等の意思表示のみで売主から買主へ不動産の所有権が移転するのですから、ある意味当然ですね。

これを、意思主義といいます(民法176条)。

ですから、対抗関係は、当事者または当事者とみなしてもよい相続人などの包括承継人以外の第三者との関係で問題となります。

では、この第三者というのは、具体的に何者を指すのでしょうか?

一般に民法177条の「第三者」とは、登記の欠けつを主張するのに正当な利益を有する者と言われています。

しかし、これでは「あなたは登記していませんね!」と主張するのに正当な利益を有する者といっているだけで抽象的過ぎてよくわかりません。

そのため、その第三者の具体例が判例で明らかにされています。

だからといって、判例百選などを読む必要はなく、出るところはほぼ決まっていますから、過去問を通じて理解していけば十分でしょう。

おそらく、お持ちのテキストなどにも具体例が出ていると思いますが、結論だけでなく理由もしっかり理解してないとちょっと複雑な問題が出ると対処できなくなります。

そこで、対抗問題については、過去問で頻出ですので、次回以降一つ一つ関連する部分も含めて解説していきます。

その前に、対抗問題とは直接関係のない肢1を先に解説しておきます。

A→B→Cと甲土地が売買されて、いまだ登記がAの下にある場合に、BはAに対して移転登記請求できるのかという問題ですから、契約当事者AB間の問題であって、対抗問題とは関係ありません。

さて、確かに、甲土地の所有権は現在Cにあり、Bは所有権を喪失していますから、所有権に基づく移転登記請求権をAには主張できませんね。

しかし、AB間には売買契約がありますから、この契約に基づいて移転登記請求権をAに主張することはもちろん可能です。

つまり、売買契約によって、BはAに対して、契約に基づく移転登記請求権と、売買契約によって取得した所有権に基づく移転登記請求権を主張できるのです。

一つの不動産の売買契約で、少なくともこの2つの請求権が発生することを理解しておきましょう。

ですから、Bに所有権がなくとも契約に基づく移転登記請求権をAに主張することができるのです。

よって、肢1は誤りです。

残りの肢は次回以降見ていくことにします。

◇ なお、行政書士の次のステップとして司法書士を目指している方がいらっしゃるなら、民法177条に関する問題はとりわけ重要になってきますので、しっかり理解する必要があります。

この民法177条を具体化した法律が不動産登記法で、司法書士試験の必須科目になっていますので参考にしてみてください。

今回はこの辺りでおわります。

 


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謹賀新年!

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あけましておめでとうございます!

昨年はたくさんの方にブログ記事を読んでいただきまして本当に感謝しております。

今年も受験生の皆さんと共に私も勉強させていただきたいと思っております。

どうぞこの一年も過去問の解説にお付き合いいただけたら幸いです。

今年の試験合格を目指している方にとってすばらしい一年であるようお祈り申し上げます。

1月7日(月)から過去問の解説を始めたいと思います。

本年もよろしくお願いいたします。

溝部 太郎

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