なぜ あなたは 行政書士試験に 合格できないのか?

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監査委員は地方の裁判官?! 平成17年度 問題18の過去問分析

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今回は監査委員の問題です。

監査委員の役割を考えれば、細かい条文を知らなくとも簡単に正解できます。

問題18を分析していきましょう。
過去問がない方は下記のリンクで参照してください。
http://www.sikakuyo.com/gyousho/honsiken/172mondai.html

前回も勉強したように、地方公共団体では、より民意を反映するという地方の特殊事情があるため大統領制に類似した制度がとられていますが、基本的には地方も国と同じように三権分立の考え方があてはまります。

司法を司るのは、裁判所だけですが、行政などから独立して政治を監視するという側面では、監査委員も裁判官とある意味同じポジションにおります。

そして会社法においては、取締役等の業務執行を監視する監査役が裁判官に近い存在です。

ですから、三権分立という相互の抑制・均衡が地方自治法や会社法にも反映されていると考えるとその役割が理解しやすいので参考にしてください。

<国>       <地方>     <会社>

立法=国会     地方議会     株主総会
行政=内閣     首長       取締役会
司法=裁判所    監査委員     監査役

上記の通り、監査委員は、住民のために行政などから独立して政治を監視する役割を担っています。

そうすると、できるだけ地方政治の広範囲に監査委員が目を光らせているほうが、より効果的ですね。

ですから、監査委員の役割はできるだけ制限されていない方が、住民のためになるのです。

このような大雑把な理解でも、肢1~3まで正誤が判断できます。

(肢1)
地方公共団体の事務には自治事務と法定受託事務があります。

自治事務だけでなく法定受託事務にも監査委員の権限が及んだ方がより監視対象が広がるわけですから、それだけ住民のためになりますね。

ですから、原則として法定受託事務にも監査委員の権限がおよぶのです(地方自治法199条2項)。

例外について、地方自治法199条2項かっこ書きに規定されており、それを反対解釈すると原則およぶと考えられますね。

念のために条文の確認もしておいてください。

よって、肢1は誤りです。

◇ なお、平成18年度問題21の肢3とほぼ同じ問題ですので確認しておいてください。

(肢2)
住民が支払っている税金がどのように使われているかが、住民にとって一番の関心事ですから、監査委員は、主に財務監査をします。

しかし、上記の通り、監査委員の権限はできるだけ広い方が、住民の意思に合致するので、財務監査だけでなく、原則として行政一般の事務監査にも及ぶのです(地方自治法199条2項)。

よって、肢2は誤りです。

(肢3)
裁判官の独立(憲法76条3項)と同じように、監視するものが、監視されるものと馴れ合っていたら、適切な監査ができませんね。

ですから、監査委員は、独立して権限を行使できるのです。

よって、肢3は正しいです。

これで正解が出てしまいましたね。

このように、憲法の三権分立を地方にスライドさせて考えれば、細かい条文知識は不要なのです。

残りをやりましょう。

(肢4)
外部監査制度は、より客観的に行政運営を監査するために、弁護士や公認会計士等の法律の専門家との契約によってなされる制度です。

しかし、あくまでも契約ですし、法律等の専門家ですから、行政の内部事情全てに明るいとはいえません。

それゆえ、行政全般の内部事情に精通した監査委員の役割が重要なのです。

また、監査委員は裁判官と似た立場にいますから、恒常的にその役割を果たす必要があります。

ですから、外部監査制度は、より適切かつ客観的に行政運営を監査するために、従来の監査制度に付け加えられたオプションだと理解しておけばよいでしょう。

よって、肢4は誤りです。

◇ なお、平成12年度問題20の肢4とほぼ同じ問題ですので確認しておいてください。

(肢5)
住民訴訟の意義さえわかっていれば、簡単に解けますね。

住民が支払っている税金が自治体に不当に使われていないか、について監査委員に住民監査請求して、なおその結果に不服がある場合に住民訴訟をするわけですから、一般事務を監査する事務監査請求とは異なりますね。

よって、肢5は誤りです。

◇ なお、平成19年度問題25、平成18年度問題24で住民監査請求および住民訴訟の問題が2年連続で聞かれているので、合わせて確認しておいてください。

以上のように、地方自治法の問題は、憲法を基礎に理解すれば、それほど個別の条文知識に振り回されることはないはずですので参考にしてみてください。

今回で今年度の過去問解説を終わりにいたします。

7月からはじめて、あっという間に半年が経ってしまいました。

私のつたない解説にお付き合いいただきまして、本当に感謝しております。

ブログの更新は私にとっても法律を勉強するいい機会ですので来年も少しずつですが、更新していきますのでお付き合いいただけたら光栄です。

来年は、1月7日(月)から過去問解説の記事を更新したいと思っておりますのでよろしくお願いいたします。

質問等はいつでもお待ちしております。

受験生の皆さんがよい年を迎えられることを切に願っております。

 


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憲法との連動を意識せよ!  平成17年度 問題17の過去問分析 

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今回は地方自治法の問題です。

地方自治法の条文を覚えてないと解けない問題ではありません。

地方自治法は憲法92条の具体化です。

ですから、憲法で勉強する地方自治を理解していれば、かなりの部分で問題を解く際の手がかりになるのです。

問題17を分析していきましょう。
過去問がない方は下記のリンクで参照してください。
http://www.sikakuyo.com/gyousho/honsiken/172mondai.html

憲法で、地方自治の本旨を勉強したと思います。

地方自治の本旨とは、住民自治と団体自治です。

住民自治とは、地方の政治は住民の意思に基づいてなされるべきという民主主義的な要素をいい、中央の議会制を補完する役割を果たしています。

なぜ、中央の議会制を補完する役割を果たしているのでしょうか。

国政では、民意の反映よりも民意の統合、つまり統一的な国家意思の形成の方が重視されます。

すなわち、国政では中・長期的な政治問題の解決が要請されますから、国民の代表者からなる国会で様々な議論をして、統一的な国家意思を形成していくほうが重要なのです。

もっとも、民意の統合を重視する国会に任せていると、個々の地方の特殊事情があるにもかかわらず、そういった民意が反映されにくくなりますから、地方公共団体では民意の統合の補完的な役割として民意の反映が重視されているのです。

長の直接選挙(憲法93条2項)などはその現われなのです。

団体自治とは、地方の政治が国から独立して、各地方自らの意思と責任で行われるという自由主義的な要素いい、中央に対する抑制と均衡の役割を果たしています。

抑制と均衡の役割とは、今まで解説してきた三権分立と同じ役割です。

つまり、中央集権的な政治では、中央の行政に権力が集中しますから、その権力をできる限り分散させて、中央と地方とがバランスの取れた社会にする役割なのです。

この地方自治の本旨である、住民自治と団体自治をまず理解しましょう。

今回の問題は、主にこの住民自治が理解できていれば解答できるでしょう。

上記の通り、自分たちの町の政治やあり方は自分たちで決めていくべきですから、自治事務に関して法律の範囲内で条例の制定ができます(憲法94条)。

法律の範囲内という制限があるのは、いくら地方の特殊事情があるからといって、各々の地方で法律を無視した条例が制定されれば、国会での立法が無意味となって、統一的な国家意思の形成が図れず社会秩序が混乱するからなのです。

逆に言うと、統一的な国家意思の形成を壊さない範囲であるならば、地方の特殊事情によって、条例を自由に制定してもよいということになります。

ここまでわかれば、全ての肢が解答できるはずです。

(肢2)
聞いているのは、条例の制定は、法律の範囲内であるということだけです(地方自治法90条 91条参照)。

よって、肢2は正しいです。

(肢5)
自治事務に関して、法律の範囲内であれば、地方の特殊事情によって、条例を自由に制定してもよいのが原則です。
しかし、住民の直接選挙による首長制を採用しているので、議会の権限は、地方公共団体の事務全てにおよぶのではなく、法律または条令で規定された特に重要な事務に限られるものとされています(限定列挙 96条2項)。

よって、肢5は誤りです。

(肢4)
住民自治からすると、できるだけその住民の意思が地方政治に反映された方がいいわけですから、町村のように住民の規模が小さい場合は、わざわざ代表者を定めなくても、有権者全員で話し合って決めたほうが、より住民意思が地方政治に反映されます。

ですから条例によって、選挙権者による議会に代わる総会の設置も認められているのです(地方自治法94条参照)。

よって、肢4は正しいです。

(肢3)
地方議会の議員は、地方公共団体ごとの住民の意思が反映した選挙での代表者ですから、他の地方公共団体の議員を兼職できないのは当然ですし、また民意の統合という国政を担う国会議員とは自ずとその役割が違います。

住民の代表者が、地方議会の議員が地方公共団体の職員という行政側の職責を担うとすれば利益が相反しますから、兼職禁止は当然です(地方自治法92条参照)。

よって、肢3は正しいです。

(肢1)
地方議員が無報酬の名誉職ならば、自ずと議員になる人が地方の名士というような富裕層に限られてきます。

これでは住民の意思が適切に反映されるわけがありません。

ですから、条例によって、報酬および期末手当の支給と費用弁償を受けることができるのです(地方自治法203条)。

よって、肢1は正しいです。

以上のように、憲法における地方自治の本旨を理解していれば、地方自治法の問題にも対応できることがおわかりになったのではないでしょうか。

地方自治法の勉強をする際にも、必ずこの地方自治の本旨から考えると、条文の意味がより理解しやすいと思いますので、参考にしてみてください。

今回はこの辺りで終わります。

 


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平成16年改正の確認?!  平成17年度 問題16の過去問分析

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今回は、平成16年に行政事件訴訟法が改正されて初めて行政書士試験に出題された問題ですから、平成16年改正って知ってますか?という感じで簡単な知識問題を出したのでしょう。

問題16を分析していきましょう。
過去問がない方は下記のリンクで参照してください。
http://www.sikakuyo.com/gyousho/honsiken/172mondai.html

今回は、改正点についての単純な知識を聞いた問題ですので、覚えておくしかないですね。

また、これから勉強する上では当然の基本的な知識ですから、押さえておいてください。

他の改正点には、確認の訴えの明示(4条)、管轄裁判所の拡大(12条4項)、出訴期間の延長(14条)、教示制度の新設(46条)がありますので確認しておいてください。

正解は肢5ですが、なぜ、肢5の処分性についての要件が緩和されなかったのかについては、かなり深いところまで勉強しないと理由がわかりません。

そこまでの深い理解は行政書士試験では必要ないですから、あまり気にしないでください。

ただ、抗告訴訟の対象となる行政庁の処分の定義は判例で確定していますので、この定義の範囲で処分性が認められるということは知っておいてください。

定義=公権力の主体たる国又は公共団体が行う行為のうち、その行為によって、直接国民の権利義務を形成しあるいはその範囲を確定することが法律上認められているもの

また、原告適格は処分によって決まりますから、処分という審理の対象物の範囲が広がると、原告適格も広がってしまいます。

そうすると、裁判所の事件数が膨大になりすぎるので、原告適格の範囲を広げるにとどめ、処分の範囲を広げなかったともいえます。

いずれにしても、この問題は、改正点のチェックという程度でいいでしょう。

今回はこの辺りで終わります。


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緊張関係  平成17年度 問題12の過去問分析 

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今回は行政代執行法に関する問題です。

行政代執行法は、いかに「個人の人権保障」と「円滑・迅速な行政サービスの実現」のバランスを図るかという緊張関係がわかりやすい法律です。

問題12を分析していきましょう。
過去問がない方は下記のリンクで参照してください。
http://www.sikakuyo.com/gyousho/honsiken/172mondai.html


代執行とは、行政庁等が、義務者本人に代わって、本来その本人がすべき義務を実現し、その費用をその本人から徴収する手続きをいいます。

行政庁が課した義務を、自ら実現する手続きですから、自力救済禁止の原則の例外です。

自力救済禁止の原則とは、民事法でとられる原則で、例えば、金を貸した債権者が、履行期に債務者の家にいって、直接勝手に金目のものをとってくることを許すのを禁止した原則です。

自力救済できるとすると、過酷な取立てが予想され、社会秩序が混乱しますから、民事法では権利者が権利を実現するためには、裁判手続きによるのです。

このような自力救済禁止の原則があるにもかかわらず、行政が自力救済できるとしたのは、行政に円滑・迅速な行政サービスの実現の役割があるためです。

例えば、違法建築物の除去命令に従わない者に対して、常に裁判手続きで執行するとすれば、費用と時間がかかり、行政運営に支障をきたし、かえってその他の国民に不利益となるのです。

そこで、代執行が認められ、行政代執行法でその手続き要件等が定められているのです。

もっとも、自力救済というのは、代執行を受ける義務者にとっては、その自由の干渉の程度が強いですから、個人の人権保障を不当に害するおそれがあります。

そのため、代執行は厳格な要件のもとでなされなければなりません。

このように、代執行は、円滑・迅速な行政サービスの実現と個人の人権保障がもろにぶつかり合って、緊張関係にある手続きなのです。

ですから、行政代執行法の手続き要件等については、原則として個人の人権保障の観点から定められていると理解すればよいのです。

以上の緊張関係がわかれば、本問の肢2、5、3がすぐにわかるはずです。

(肢2)
行政処分による告知と、代執行の手続きは別であり、代執行をするには、個人の人権保障の観点から、必ずその旨を相手方に伝えなければなりません。

ですから、代執行実施の予告通知として「戒告」が必要となります。

よって、肢2は誤りです。

(肢5)
上記の通り、代執行は、あくまでも自力救済禁止の原則の例外ですから、個人の自由に干渉できるだけの大義名分がなければできません。

ですから、義務の不履行が著しく公益に反する場合でなければできないのです。

よって、肢5は誤りです。

(肢3)
もっとも、危険が切迫した緊急事態に代執行をする場合にも、戒告や代執行令書などの通知をしなければならないとすると、かえって公益を害する場合もあります。

ですから、そのような緊急事態では、義務者の人権保障のための制限が解除され、代執行令書などの通知をしなくとも、早急な行政サービスの実現のため、例外的に代執行できるのです。

よって、肢3は正しいです。

このように、円滑・迅速な行政サービスの実現と個人の人権保障の緊張関係がわかっていれば、行政代執行法の細かい条文知識を知らなくても、原則として慎重な手続きが要件とされ、緊急時にそれが解除されることがわかるので、正解できますね。

何度も言いますが、行政法の問題が、「個人の人権保障」と「円滑・迅速な行政サービスの実現」のバランスという行政法の視点から解ける問題が多いので常に意識してください。

正解はでましたが、最後に残りの肢2つを見ていきましょう。

(肢1)
この問題は、常識問題ですね。

行政代執行法は、代執行についての一般法であって、行政上の強制執行の一方法です。

また、上記の通り、行政代執行法の定める手続的要件は、個人の人権尊重が重視されますから、憲法上の要請と解されますが、個別の法律で簡易代執行を認めるかどうかは立法政策です。

ですから、法律で、その他の行政上の強制執行を定めても問題ありません。

よって、肢1は誤りです。

(肢4)
行政手続法上の不利益処分とは、特定の者を名宛人として、直接にこれに義務を課し、又はその権利を制限する処分をいいます(2条4号)。

この定義からすると、行政代執行法の定める手続のうち、戒告は、履行期日経過後に代執行の受忍義務を課すものですから、不利益処分にあたりそうです。

しかし、代執行は、不履行義務の実現という事実上の行為であって、代執行をするにあたって、戒告は法令上必要とされている手続きとしての処分ですから、不利益処分から除外されています(2条4号イ)。

よって、肢4は誤りです。

◇ ただし、戒告は、準法律行為的行政行為の「通知」にあたりますから、これに対して、行政不服申立てや取消訴訟をすることができます。

肢4は、ちょっと細かいので、むしろ戒告が、準法律行為的行政行為の「通知」にあたるということを押さえておきましょう。

なお、行政代執行法は、平成10年度の問題35にも出題されていますので確認しておいてください。

今回はこの辺りで終わります。


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主宰者は、イルミネーションではない!? 平成17年度 問題11の過去問分析 その2

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前回の続きです。


問題11を分析していきましょう。


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前回解説した通り、聴聞手続きには、不利益処分に先立って弁明の機会を提供し、十分な防御権を行使させることで個人の人権保障を図るという側面があります。


被処分者の弁明の相手方は、不利益処分をした行政庁ですから、非公開の密室の現場に両者しかいなければ、ある意味おいて刑事ドラマに出てくる刑事と被疑者の関係に類似してしまう可能性もあります。


これでは、「言いたことがあるなら言え、聞くだけは聞いてやる」という形式的な手続きになってしまい、十分な防御権を行使させるという聴聞手続きの趣旨が没却されます。


そのため、聴聞手続きの趣旨が全うされるように、当事者および当事者の関係者以外の主宰者に聴聞手続きを主宰させることにしたのです(19条1項2項)。


被処分者のために主宰者を関与させることにしたのですから、単に主宰者に聴聞調書や聴聞終結後の報告書を作成する役割を与えるだけであれば、主宰者が、クリスマスのイルミネーションのようなお飾りになってしまい、意味がありません。


ですから、被処分者等の主張に理由があるか否かについて、主宰者の意見が行政庁に報告されるべきですね。


よって、肢4は誤りです。


その上、その意見が、全く無視されても意味がないですから、行政庁が不利益処分の決定をする際に、尊重されなければなりません(行手法26条参照)。


よって、肢5は正しいです。



このように、聴聞手続きの趣旨からすれば、少なくとも不利益処分と全く関係のない立場にある職員等が主宰者に相応しいのは明らかです。


しかし、主宰者は、当事者および当事者の関係者以外は明文上で制限されていません。


ですから、当該不利益処分に関与した担当者を主宰者として指名することも不可能ではないのです。


よって、肢2は正しいのです。


主宰者を行政庁が指名する職員その他政令で定める者に限ったのは、被処分者のために円滑・迅速に聴聞手続きができるようにしたためでしょう。


また、当該不利益処分に関与した担当者を主宰者として指名することが法律上制限されていないのは、実際上そのようなことがなされないことからなのでしょう。


とはいえ、聴聞手続きの趣旨からすれば、法律上制限しておくべきですよね。


これが、現行法の聴聞手続きの限界なのです。


どうやらこの肢2は、その限界について示唆している問題といえそうです。


後は行政不服審査法や行政事件訴訟法で争うしかありません。


そのため、行政不服審査法がより公正かつ迅速な手続きになるよう来年度に改正されるようです。


改正については、また確定した際に記事にしたいと思います。


以上のように、「個人の人権保障」と「円滑・迅速な行政サービスの実現」のバランスという行政法の視点から考えると、一見「主宰者」という細かそうな事柄でも簡潔に理解できるのではないでしょうか。


今回はこの辺りで終わります。






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3年連続! 問題11は「聴聞手続き」 平成17年度 問題11の過去問分析 その1

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今回は聴聞手続きに関する問題です。




類似問題として平成18年度の問題11があります。


また、平成19年度の問題11も聴聞手続きに関する出題ですから、3年連続ですね。


3問とも似たような出題がされていますから、平成17年度と18年度の問題11をきちんとやっていれば、平成19年度の問題11を間違えることはなかったでしょう。


来年も出るかもしれないので、問題11は3年分しっかりやっておきましょう。


◇ なお、平成19年度の問題11の解説は、2月以降にしていく予定です。


今回の解説に重複する部分もありますので平成18年度の問題11の解説を参照してみてください。


問題11を分析していきましょう。


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行政法の視点は押さえていますか?

前回も解説したように、三権分立の意義からすると、行政というのは内閣を頂点として、強大な権力作用ですから、その権力が不当・違法に働くときは、国民の権利・自由を守らなければなりません。


反面、そうした個人の人権保障を守るのと同時に、国民全体に対して円滑・迅速な行政サービスの実現をすることも行政の重要な使命なのです。


ですから、行政法の視点は、「個人の人権保障」と「円滑・迅速な行政サービスの実現」のバランスなのです。


この視点が、聴聞手続きにも表れているのです。


この視点から考えれば、本問は難しくないでしょう。


まず、この視点からすぐに正誤を判断できる肢1と肢3から見ていきましょう。


<肢1>

行政庁が不利益処分をしようとする際に、行政庁の恣意・偏見・独断によって誤った処分がなされて、個人の自由・財産などに不当な不利益を与えてしまう場合もあります。


そこで、処分されようとしている相手方に対して、その不利益処分に先立って弁明の機会を提供し、十分な防御権を行使させることで個人の人権保障を図るために聴聞手続きが与えられたのです。


この個人の人権保障の側面から考えれば、被処分者に十分な防御権を行使させるためには、少なくとも通知文書に、予定される不利益処分の内容、聴聞期日、場所等が必ず記載されていなければなりませんね(行政手続法15条1項各号)。


よって、肢1は正しいです。


<肢3>

確かに、上記の通り、聴聞手続きが個人の人権保障の観点から与えられたことからすると、
裁判と同じように、口頭かつ公開の審理を原則としたほうが良さそうです。


しかし、円滑・迅速な行政サービスの実現の観点からすると、公開の審理はその行政サービスの実現を停滞させてしまうおそれがあります。


例えば、一般国民を傍聴させるためには、傍聴できるだけの空間と傍聴席を用意し、傍聴人の手荷物検査などもしなければなりませんから、行政の事務処理に負担がかかるのです。


また、聴聞手続きの結果が不服ならば、改めて公開の裁判で争う道(行政事件訴訟)もあります。


ですから、聴聞手続きの段階で公開の審理まで要求しなくてもよいので、非公開が原則となっているのです(行政手続法20条6項)。


もっとも、事案によっては、公開させて第三者の監視の下で、被処分者に十分な防御権を与えた場合が適切といえる場合もあるでしょう。


そして、公開されるか否かの判断を行政側がするならば、円滑・迅速な行政サービスの実現を後退させることにもならないでしょう。


それゆえ、例外的に行政庁が相当と認めるときは、その裁量により公開して行うことができるのです(行手法20条6項)。


よって、肢3は正しいのです。


◇ なお、この問題は、平成18年度の問題11の肢1と表裏の関係にありますので参照しておいてください。


残り3つの肢は、主宰者に関する問題ですから、次回まとめて解説していきましょう。


今回はこの辺りで終わります。


 

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三権分立で瞬殺!?  平成17年度 問題6の過去問分析

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今回の問題は、一見すると条文問題に思えます。

しかし、実は条文の知識を全く聞いてない問題なのです。

三権分立という憲法の基本原則が出題意図であり、
これさえ知っていれば正解できるのです。

問題6を分析していきましょう。
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本問のテーマは「身分保障」です。

これに直接関連するのは、肢2以外の肢全てです。

肢1、3、4、5の主体は、各々「両議院の議員」「裁判官」「公務員」ですね。

これらを、三権分立の側面から見ると、各々「立法」「司法」「行政」を担う主体になりますね。

これがわかるだけで、実は正解が出てしまうのですが、おわかりでしょうか?

少し簡潔ですが、三権分立が生まれた歴史的なお話をさせていただきます。

日本国憲法は、英米法がその根幹にありますが、さらにその英米法は、ヨーロッパの絶対王政時代を経て徐々に創り上げられてきたものです。

絶対王政下では、国王が「立法」・「司法」・「行政」の全てを担ってきました。

そのため、国民の権利・自由は、国王の意のままでした。

そこで、このままでは国王の悪政に耐えられない貴族や国民等が、国王の絶大な権力を奪って、出来る限り自分たちの手で政治ができるように、国王と闘ったのです。

その結果、マグナカルタ・権利の章典・アメリカ独立戦争・フランス革命等で、現在の三権分立の基礎ができたのです。

◇ なお、三権分立の思想に影響を与えたのは、イギリスのジョン・ロックの『市民政府二論』や、フランスのモンテスキューの『法の精神』などでした。

三権分立の基礎とは、国王から「立法」・「司法」の権力作用を奪って、議会、裁判所に担わせたことです。

これによって、国王の恣意によって政治ができなくなり、国民の権利・自由が保障されるようになったのです。

つまり、三権分立とは、国民の権利・自由が保障を目的とする手段だったのです。

ですから、国王=行政から国民の権利・自由を守るために、「立法」を担う国民の代表者、すなわち両院の国会議員が、議会において自由な発言ができ、不当に身柄拘束されず、また政治活動に専念できるように生活保障がなされる必要があるのです。

これが、いわゆる議員の特権というもので、免責特権(51条)・不逮捕特権(50条)・歳費受領権(49条)が日本国憲法で保障されているのです。

また、「司法」を担う裁判官も、政治に巻き込まれず、適正かつ公平に判断できるように、「立法」・「行政」から独立し(76条)、裁判に専念できるように生活保障がなされる必要があるのです。

このように、国王=行政から身を守るために、「立法」・「司法」を担う者には、身分保障が必要であったのです。

これに対して、国王=行政には、身分保障を与える必要はなく、権力が集中しないように、できるかぎり制限的・抑制的にする必要があったのです。

ですから、行政法で勉強したように、法律の委任に基づいて行政が行動するということになっているのです。

このように、三権分立ができた歴史的な経緯やその意義がわかっていれば、「行政」を担っている公務員に歳費受領権があるわけがないということがわかるはずです。
ですから、条文の細かい文言など知らなくても、三権分立さえわかっていれば、肢5が誤りだということが瞬時にわかるのです。

◇ なお、肢2は、身分保障というよりも、その逆の側面からみた民主的コントロールの問題といえます。

つまり、皇室はもともと第二次大戦前まで行政権を担っていたわけですから、皇室に使われる費用などは、きちんと予算に計上して、国民の代表者の集合体である国会で議決しなければならないようにしてあるのです。

放っておけば皇室が第二次大戦前の絶大な権力を得る状態になるかもしれないので、国民が国会を通じて皇室の財布に目を光らせているということなのです。

以上より、本問は、「身分保障」というテーマとも相まって、三権分立とその担い手に着目すれば、瞬殺出来る問題なのです。

このように、一見すると条文知識問題にみえても、出題意図は、憲法の根本原則を聞いているということがわかれば、いかに基本的な知識を理解することが重要かおわかりいただけたのではないでしょうか。

条文は大事ですが、その意義を知らずに丸暗記することがいかに不毛であるか、改めて意識するようにしてください。

今回はこの辺りで終わります。

 


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迷ったら、憲法を基軸に考えよう! 平成17年度 問題5の過去問分析 その2

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前回の続きです。

さて、残り肢1と肢5ですが、迷わなかったでしょうか。

勉強が進めば進むほど、細かい知識まで覚えてしまっています。

そのために、細かい知識を基軸に考えてしまう癖がついていることがあるのです。

問題5を分析していきましょう。
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(肢5)
衆参両院の会期については、日本国憲法上「衆議院が解散されたときは、参議院は、同時に閉会となる(54条2項)。」しかないですから、問題文にあるような会期の延長等については規定されていません。

会期については、国会法で詳細に規定されています(国会法10~15条)から、肢5について、国会法を基軸に考えてしまいませんでしたか。

この国会法の規定を基軸に考えてしまうと迷いが生じるかもしれません。

しかし、当然のことですが、この問題は憲法の問題です。

憲法を基軸に考えていけば必ず正解が導けるはずなのです。

つまり、あいまいな知識は何の役にも立ちませんから、国会法などの細部にとらわれず、自分の知っている自信のある知識だけで勝負すればいいのです。

上記の「衆議院が解散されたときは、参議院は、同時に閉会となる(54条2項)。」=両院同時活動の原則の知識だけで肢が切れるはずなのです。

この問題の出題意図は、この両院同時活動の原則を知っていますか?ということなのです。

問題文に会期の延長等について書かれているので、仮に国会法が気になったとしても、両院同時活動の原則が憲法上の要請ならば、その下位法である国会法もまた同じであろうと推測できるはずです。

ですから、会期の延長等の部分については、あまり神経質にならずに、あくまでも憲法を基軸に考えるという姿勢を貫くようにすれば、正解が導けるのです。

なお、この両院同時活動の原則の例外は、参議院の緊急集会(54条2項但書)ですのであわせて覚えてしまってください。

また、両院同時活動の原則と類似しているのが、両院独立活動の原則です。

文字通り、衆議院、参議院は、別個独立に活動し、それぞれの判断で議決をしていくということです。

審議も議決も別ですし、今のねじれ国会や郵政解散のときのように議決結果も異なることがあるのはその表れです。

この両院独立活動の原則の例外が両院協議会です。

法律案や予算案につき衆参で異なった議決がされたときに、妥協点をみつけるために開かれる会議ですので、あわせて覚えておきましょう(59条3項、60条2項)。


(肢1)
最後に肢1です。

一見すると、何も誤っていないようにも思えます。

通説的には、法律>議院規則であって、法律で定められない細部について議院規則で決めることもあります。

しかし、この肢の記述の仕方からすると、あたかも議院規則においては、法律で定められない細部のみを定められると限定的に読めますね。

これでは、法律の委任を要する行政上の規則等と同じであって、憲法上あえて議院の権能として議院に独自の規則制定権を与えた意味がなくなりますね。

このように、憲法が議院に独自の規則制定権を与えたことを考えれば(58条2項)、自ずと正解が見えてくるはずなのです。

よって、肢1は誤りです。

◇ なお、法律>議院規則=法律優位となるのは、法律が両院の議決で成立するのに対して、議院規則は一院のみの議決で成立するので、法律の方がより民主的な判断がなされているとして効力が上だと解されているからです。

以上より、迷ったら、憲法を基軸に考えて正解を導き出すという癖をつけましょう。

今回はこの辺りで終わります。

 


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問題文の文言に注意!?  平成17年度 問題5の過去問分析 その1

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本問のような問題は、本来は憲法のごく基本的な知識だけでバッサリと肢を切れるはずなのですが、その直接の根拠が明治憲法や国会法等に規定されているので、もしかすると初学者ほど正解しやすく、ベテラン受験生ほど悩む問題かもしれません。

問題5を分析していきましょう。
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(肢3)
請願権とは、人権として保障された憲法上の権利です(16条)。

このごく基本的な知識さえあれば、16条の具体的な文言を知らなくても、問題文の『日本国憲法は「両議院は、国民より提出された請願書を受けることができる。」と定めるにとどまる』という部分が明らかに誤りだとわかりますね。

条文に少なくとも、請願権が保障されていることが規定されていなければおかしいですよね。

よって、肢3は誤りです。

なお、「両議院は、国民より提出された請願書を受けることができる。」という部分は明治憲法50条とほぼ同じ規定です。

請願権は、明治憲法下でも限定的ではありますが、保障されていました(明治憲法30条)。


(肢4)
問題文の『日本国憲法は「会期中に議決に至らなかつた案件は、後会に継続しない。」』とは、会期不継続の原則です。

日本国憲法に、このような規定はありません。

会期不継続の原則を知らなくても、憲法の条文で見たことがないというだけで誤りだとわかります。

よって、肢4は誤りです。

なお、この会期不継続の原則は、国会法68条に規定されています。

仮に、会期不継続の原則がとられていなければ、国会の審理は次の国会に先延ばしにされ、迅速な審理が図れなくなります。

国民に関する法案などが審理の対象であった場合、だらだらとした審理がされてはたまったものではありませんね。

ですから、前国会と後国会は独立した関係となっているのです。

問題文が「日本国憲法は~とする…」となっている以上、国会法の問題と勘違いしないでください。

ところで、会期不継続の原則と間違えやすいのが、一事不再議の原則です。

一事不再議の原則とは、同一問題について、同一会期中に再び審議しないという原則です。

同一問題を蒸し返すという重複審理を防止して、審理の迅速化は図るために明治憲法39条に規定されていました。

これも現憲法に規定されていませんが、会期運営上当然の原則とされています。

会期不継続の原則が、前国会と後国会との関係の問題であるのに対して、一事不再議の原則が、同一国会会期中の問題となっています。

両者は間違えやすいので、比較して覚えておきましょう。

(肢2)
これは、常識問題ですね。

政府委員は、すでに廃止されていて、現在は副大臣制度になっています。

よって、肢2は誤りです。

次回続きをやります。

今回はここまでで終わります。

 


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補足意見?…そんなの関係ない!♪  平成17年度 問題4の過去問分析

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この問題文には、最高裁の補足意見が載せてあります。




もしかしたら、この問題を間違えた方の中には、最高裁の補足意見まで勉強しなければならないと思った方もいらっしゃるかもしれません。




しかし、この補足意見を読まなくても、全く知らなくても、この問題は解けるのです。




問題4を分析していきましょう。


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まず、本問は、一肢選択問題ですね。




そして問題文をもう一度よく読んでください。




補足意見とは考え方の異なる見解を5つの肢のうち1つ見つければよいのです。




その1つは、他の肢と逆のことをいっているはずですね。




ですから、肢の方向性を把握すれば必ず解けるのです。




一つだけ他の肢と方向性が違うのです。




こういった問題の肢には必ず補足意見の考えと合致するものと合致しないものが含まれています。




そして時折、全く無関係あるいは矛盾しないものも含まれている場合もあります。




ですから、補足意見など読まずに、まず問題の肢の方向性を探っておくのが賢明です。




具体的に肢を見ていきましょう。




なお、こういう問題は、たいてい問題の肢の後半部分にヒントが隠されているので、長い文章だからといって、全部読む必要はありません。




肢1=「~国会の立法裁量の余地が広い…」
肢2=「~国会の定めるルールは…尊重されなければならない。」
肢3=「~国会の立法裁量を尊重すべきであり…」



この1~3の肢は、全て国会の立法裁量を尊重するという点で、その方向性は同です。




ですから、この3つの肢は、補足意見を読まずとも、補足意見と考え方を同じにするものであると判断できますね。




そうすると、残り4か5が正解になりますから、方向性を把握しただけで正解率50%になりました。





肢4=「公職選挙法の規定は、…意見表明の手段方法がもたらす弊害の防止を目的としているにすぎないから、…合憲である。」



これを簡潔に言い換えると、公職選挙法の目的が限定的であるから、合憲であるということになりますね。




そうすると、国会が、公職選挙法を改正して、その目的をもう少し緩やかにしたら、どうなるのでしょうか?



この見解からすると、目的が限定的であるから、合憲であるのに、その目的を改正してもう少し非限定的にすると、合憲とはいえなくなりそうですね。




これは、国会の立法裁量の幅をさくしていますね。




つまり、国会の立法裁量を尊重するなら、仮に、国会が公職選挙法を改正して、その目的をもう少し緩やかにしたとしても、その国会の判断を尊重すべきだから、やはり合憲ということにならないとおかしいですね。




ですから、肢4は、肢1~3と方向性がですね。




これで正解が肢4と出ましたね。




ちなみに、肢5は、「立法政策として妥当であるかどうかについては、考慮の余地があり、…戸別訪問の禁止が憲法に反するかどうかとは別問題である。」とあります。




これは、戸別訪問の禁止を規定している立法政策の妥当性とその合憲性とは無関係であるといっていますから、肢1~3と同じ方向性にあるか否かはわからないものですね。




しかし、肢4のように、全く逆の方向性でもなく、肢1~3と特に矛盾しない記述となっています。




ですから、この肢5は、補足意見と矛盾しないものですから、少なくとも異なった見解ではないと推測できるのです。




以上のように、方向性がわかれば、補足意見を読まずとも正解がでるのです。




ですから、この補足意見を知識として覚えておこうなどとは思わないでください。




本問の出題意図は、仲間はずれの見解をみつけられますか?という単純なものなのです。




なお、一肢選択問題では、任意に3つの肢を選んで方向性が同じものが2つ、違うものが1つわかれば、その1つが、検討していない他の2つの肢とも方向性が違うことになります。




運よく3つの肢を検討した時点で方向性の違う肢が含まれていれば、残りの2つの肢はもう検討する必要すらないですから、時間の短縮にもつながりますね。




このように、その方向性の違う一つが正解になるということを知っておくと、本問のような一見知らない判例からの問題がでても焦らずに解けるので参考にしてみてください。




今回はこの辺りで終わります。




次回は、12月17日(月)を予定しております。




 



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条文の存在意義を浮き彫りにさせる役割 平成17年度 問題3の過去問分析 その2

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前回の続きです。

問題3を分析していきましょう。
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http://www.sikakuyo.com/gyousho/honsiken/171mondai.html

変更された部分が誤りの肢>

肢4を見ていきましょう。

肢4は公務員による不法行為について規定する17条の問題です。

この場合の不法行為とは、違法な公権力の行使によって、第三者に損害を与えることいい、
その損害を償うために、金銭によって賠償するのです。

17条は、違法な公権力の行使によって与えた損害の「償い」なのです。

武士の「切捨て御免」のようにならないように、国民を守るものなのです。

これに対して、正当な公権力の行使によって、第三者に特別な犠牲を与えた場合に、その損失を補うのが29条3項の損失補償なのです。

公共の福祉のための正当な公権力の行使とはいえ、第三者の財産を失わせるなど特別な犠牲を与えた場合に、その第三者だけに負担させるのは財産権の不可侵(29条1項)はもちろん、平等の観点(14条)からも妥当でありません。

ですから、29条3項は、正当な公権力の行使によって与えた損失の「補い」なのです。

本問は、この損害賠償と損失補償の意味の違いを問うているわけです。

このように、17条の意義がわかっていれば、条文を丸暗記していなくても、17条が「補償」ではなく、「賠償」であることがお分かりいただけると思います。

削除された部分が誤りの肢>
最後に肢2を見ていきましょう。

ここ最近話題となっている、憲法9条の問題です。

ご存知の通り、第二次世界大戦において日本は他国に侵略戦争をして深い傷跡を残しております。

そのため、憲法9条では、二度と戦争はしないと徹底的に戦争放棄をすることを宣言して、平和主義を唱えているのです。

ですから、国際紛争を解決する手段として、武力の行使を永久に放棄することは当然なのです。

「行使」する以前の武力による「威嚇」すらしないから、徹底的な戦争放棄の宣言といえるのです。

この憲法9条の徹底した平和主義の意義がわかっていれば、条文を丸暗記していなくても、
武力による「威嚇」が削除されていることがおわかりになると思います。

以上のように、条文の存在意義を理解していれば、なぜ追加・変更・削除された部分が誤りになるかおわかりになると思います。

これらの追加・変更・削除された部分が、各条文の存在意義を浮き彫りにさせる役割を果たしているのです。

ですから、本問の出題意図は、条文の存在意義を理解していますか、ということなのです。

別な言い方をすると、条文を丸暗記するのではなく、条文の存在意義を理解していれば解ける問題をだしますよ、だから条文の存在意義を理解するような勉強をしてくださいね、ということを出題者は試験を通じて受験生に示唆してくれているのです。

そういう意味で、本問は、試験を通じて条文の勉強の仕方を教えてくれている問題なのです。

このように、本問の出題意図を考えると、この問題こそ、条文の丸暗記が不要な良問と言えるでしょう。

今回はこの辺りで終わりにします。


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単なる知識問題ではない! 平成17年度 問題3の過去問分析 その1

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今回の問題を解いてみて、条文の丸暗記が必要だと思った方はいませんか?

この問題は、単なる知識問題ではありません。

試験を通じて条文の勉強の仕方を教えてくれている問題なのです。

正解自体は肢1であり、条文を参照すればすぐにわかりますので、今回は、条文の存在意義について解説していきます。

問題3を分析していきましょう。
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正解は条文そのままの肢1であることはおわかりでしょうが、
誤った肢である2~5で、追加・変更・削除している文言をもう一度よく見てください。

意味があって、あえて追加・変更・削除した部分を誤りにしているのです。

追加・変更・削除の順で解説していきます。

追加された部分が誤りの肢>

まず、肢5から見ていきましょう。

「国民」の部分が追加されていることにより、誤った肢となっているのは条文から明白ですね。

では、なぜ憲法尊重擁護義務(99条)の対象者に「国民」が含まれないのでしょうか?

憲法尊重擁護義務(99条)が課されている理由を考えればわかります。

日本国憲法は、立憲主義に基づいて制定されています。

立憲主義とは、国家権力を制限して、国民の権利・自由を保障する道具として憲法を制定し、憲法に従った政治を行うという考え方です。

99条に列挙されているものは、大なり小なり国家権力を担う者です。

天皇や摂政は、現憲法の下では政治的権力がないとはいえ、歴史上国家権力を有していた立場です。

こういった国家権力を担うものが権力をふるって国民の権利・自由を奪わないように憲法を制定して、その権力に歯止めをかけたのです。

ですから、国家権力を担うものに憲法尊重擁護義務を課しているのです。

これに対して、国民は、国民主権の下、憲法改正権(96条)を与えられているのですから、
憲法を尊重し擁護する権利はあるとしても、義務はなく、現憲法を変えてしまうことすらできるのです。

このように憲法尊重擁護義務(99条)が課されている理由がわかれば、条文を丸暗記していなくても、自ずとその対象者に「国民」が含まれないことがわかりますね。

肢5は、憲法尊重擁護義務(99条)の存在意義を理解していれば解ける問題なのです。


次に、肢3を見ていきましょう。

「財産」の部分が追加されていることにより、誤った肢となっているのは条文から明白ですね。

では、なぜ31条に「財産」が含まれないのでしょうか?

同じように、31条の存在意義を考えればわかります。

31条~40条までは、人身の自由についての規定で、31条は、その基本原則です。

つまり、犯罪等で国家権力から逮捕勾留等の人身の自由の制約を受ける場合であっても、例えば刑事裁判という適正な手続を経なければならないという原則なのです。

歴史上、不当な身体の拘束というものが、国王などの国家権力の恣意によってなされていることが多かったのです。

人身の自由というのは、憲法で保障された人権の中でも最も基本的で、個人の尊厳に直接的に結びつくものですから、人身の自由を制約するには、国家権力の恣意を排除して不当な身体の拘束を受けないように、適正手続きの保障というものが必要なのです。

つまり、公権力を手続的に拘束し、人権を手続的に保障していこうというものです。

その具体化の一つが刑事訴訟法なのです。

冤罪にならないように、弁護人を伴った公開裁判で犯罪の真相を明らかにして、犯罪の重さに比例した処罰を定めるのが適正な手続きの保障なのです。

31条が人身の自由についての基本原則であるとわかっていれば、条文を丸暗記していなくても31条に「財産」が含まれないのかお分かりいただけると思います。

肢3は、適正手続き(31条)の存在意義を理解していれば解ける問題なのです。

なお、「財産」については、29条で規律されています。

続きは次回やります。

今回はここまでで終わります。


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法体系でわかる情報の保護 平成17年度 問題2の過去問分析 その2

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前回の続きです。

問題2を分析していきましょう。
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まず、刑法に関する2を見ていきましょう。

刑法はなじみがないですが、これにもヒントがあります。

「窃盗罪が成立するためには、財物の占有が奪われることが必要」と書かれていますが、情報がこの「財物」にあたるかどうかを聞いているのです。

刑法はなじみがなくても、民法は受験科目ですのでなじみがありますね。

民法では、原則として金銭以外の物は金銭と交換できる財物ですね。

そして、その物とは、有体物です(民法85条)。

民法と刑法は法律が異なりますが、「財物」が原則として有体物であるのは同じです。

ですから、無体物たる情報がこの「財物」にはあたらないのです。

よって、2は誤りです。


最後に、著作権法、特許法に関する3を見ていきましょう。

ここでは、「情報に関する知的所有権」がヒントになっています。

つまり肢3は、著作権法、特許法では、無体物たる情報が保護の対象となっていることが前提となっており、保護要件と第三者への対抗要件について問題となっています。

特許権は、特許庁の審査を経て登録されることにより、特許権が発生し、第三者にも対抗できるのです。

この制度自体は知らなくても、弁理士という資格を知っていれば常識的にわかるのではないでしょうか。

弁理士とは、発明を書面によって特許権に権利化してもらうように手続きをする資格者です。

では、著作権はどうやって発生するのでしょうか。

それは、著作物が完成した瞬間に発生するのです。

著作権も登録できますが、これは民法で勉強した不動産の登記と同じようなもので、権利の変動を公示することで、二重譲渡などから保護するための第三者対抗要件なのです。

ですから、同じ登録でも、特許権と著作権とでは、その意味合いが異なるのです。

上記の会社の登記と不動産の登記と似た関係ですね。

よって、3は誤りです。

なお、特許権や著作権を侵害すると、差止や損害賠償請求ができ、刑事罰が課されますので、これは無体物に関して民法や刑法の特別法という側面も有しています。

本問を正解する上では、刑法の保護対象は有体物であるということさえ知っていればよいですが、今後の出題可能性からすると、本問の出題意図がわかっていると役に立つと思います。

本問をまとめますと、「情報と法」すなわち無体物たる情報は、どのような「法」で保護されるのか(=出題意図)、について法体系に則って聞かれているのです。


憲法→個人情報保護法=情報はプライバシー権の保護対象
↓(一般法)
刑法(民法etc)=保護対象は有体物 
↓(特別法)
特許・著作権法=保護対象は無体物

この関係がわかっていれば、類似問題にも応用できるでしょう。

今回はこの辺りで終わります。


 


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情報=無体物 平成17年度 問題2の過去問分析 その1

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今回から一肢選択問題です。

本問は一見すると、個々の肢で聞いていることに関連性もなく、法律科目では勉強しない法律も含まれているため、難しく思われるかもしれません。

しかし、問題文のテーマである「情報と法」がヒントになっていることがわかれば、割と簡単に答えられるはずです。

問題2を分析していきましょう。
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問題文のテーマである「情報と法」を分析していきます。

「情報」そのものは、手に触れることのできない無体物です。

この無体物たる情報は、どのような「法」で保護されるのか、というのが出題意図です。

まず、本問の中で、行政書士試験の法令科目で出題される「法」から解説していきましょう。

憲法の問題である肢4を見ていきましょう。

通信の秘密(憲法21条2項)は、表現の自由の側面のほかにプライバシーの自由の側面があります。

通信の秘密も憲法上保障される人権ですから、通信におけるプライバシーに関わる情報もその保護の対象になるのは当然です。

それは、情報伝達媒体がインターネットを利用していても、同じことです。

よって、肢4は誤りです。


次に、個人情報保護法に関する肢5を見ていきましょう。

個人情報保護法は、憲法で保障される通信に関するものも含んだプライバシー権(憲法13条 21条2項)を具体化した法律です。

情報がプライバシー権の保護の対象になるなら、それを具体化した個人情報保護法の保護の対象になるのは当然ですね。

情報自体を保護するものですから、個人情報がどのような方法で記録されているかは問題となりません。

ですから、電子計算機により処理された個人情報はもちろん、手書きの個人情報も当然保護の対象になります。

よって、肢5も誤りです。


次に、電子署名法に関する肢1ついて見ていきましょう。

電子署名法は、あまり耳にしたことがないかもしれません。

しかし、問題文にヒントがあるのに気がつきましたか?

「会社などの法人の存在証明としての効力」と書かれていますね。

会社は、どうやって生まれたでしょうか?

前回まで会社の設立について勉強してきましたね。
会社法は、受験科目です。

もうご存知の通り、会社は原則として登記によって法人格が付与されて誕生します。

ですから、登記がいわば産みの親なら、その子である会社などの法人の存在証明は、登記簿によってなされるはずなのです。

ですから、電子署名法が、電子署名に、会社の存在証明としての効力を認めるものではありません。

よって、肢1は誤りです。

なお、電子署名というくらいですから、サインですね。

ネットでもサインして取引したりしますから、それと同じようなものだと思ってください。

ですから、電子署名法は、手書き署名や押印と同等に通用する法的基盤を整備するもので、自然人や会社の存在証明としての効力を認めるものではないのです。

さて、残りの2つの肢は、行政書士試験の法令科目で出題される「法」ではありません。

次回この続きを解説いたします。

今回はこの辺りで終わります。


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残りの肢 平成17年度 問題32の過去問分析 その3

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前回の続きです。


ウ、エ、オを解説していきます。


問題32を分析していきましょう。


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http://www.sikakuyo.com/gyousho/honsiken/174mondai.html

<定款>
まず、定款の効力と関連するウを見ていきましょう。


定款は、会社の根本規則ですから、出資者や会社との取引先も、この定款の内容を見て、会社の業務内容を把握した上で出資や取引をするわけです。


ですから、定款の内容を明確にして、後日の紛争や不正行為を防止する必要があるのです。


そのため、慎重を期すべき設立時において、会社の適正化の観点から、定款は、公証人の認証を受けなければ効力を有しないのです(会社法30条1項)。


これに対して、いったん会社が設立されますと、例えば、会社の規模が大きくなったことで新事業への展開をしなければならない場合や、社会情勢に伴い当初の路線を余儀なく変更しなければならない場合もあります。


その上、いったん会社運営がはじまりますと、出資者や取引関係者および消費者のために、会社は止まることが許されず走り続けなければなりません。


ですから、定款を変更するたびに公証人の認証を必要とすると、円滑かつ迅速な会社運営に支障をきたす恐れがあります。


そこで、会社の合理化の観点から、会社成立後に定款を変更する場合は、公証人の認証は不要であるとしているのです。


よって、ウは正しいのです。


<出資>
出資の前提となる株式の引受けに関する問題エを見ていきましょう。


問題文のように、「発起人以外の者が、設立に際して発行される株式の全部を引き受けることができる」とすると、何か不都合が生じるでしょうか。


発起人が、一切自腹を切らずに、全て他人の資金で会社を経営することになります。


これでは、発起人が本気で会社を興そうとしているのか疑いたくなりますね。


また、発起人が通常、設立後に代表取締役になりますが、にもかかわらず発起人が一株も引き受けないとすると、創立総会のときに、議決権を行使することができませんから、自ら代表取締役にならない可能性もあるし、その他の会社の経営判断が発起人自身で何も出来ない状態になります。


そこで、こうした無責任な設立を防止するため、会社の適正化という観点から、募集設立であっても、発起人が一部の株式を引き受けることが義務付けられているのです。


よって、エは誤っており、正解肢の一つです。



最後に、オを見ていきましょう。


出資に対して、株式が発行されるわけですから、発行される株式と同等の対価にあたる出資額全額が払い込まなければなりません。


会社に振り込まれた出資額は、将来の株主への配当や債権者への弁済の基礎となるものですから、会社財産の基礎となるものです。


ですから、会社の適正化という観点から、会社財産の基礎を確保するために、設立時において株式を発行する際には、原則として、その総数の引受ならびに発行価額の全額の払込および現物出資の目的となる財産の全部の給付が必要なのです(34条)。


ただし、新会社法では、引受けが確定しても、出資が全て履行されるとは限らなく、出資が履行されていない場合、その分の株式は失権します(36条3項、63条3項)。


仮に失権したとしても、出資すべき額またはその下限額を上回っていれば、設立手続きは続行されます。

逆に下回っていれば、設立無効原因となります(828条1項1号)。


新会社法の下でも、イとエが明らかに誤りですから、オは原則を聞いた問題であるとして考えておきましょう。


よって、オは正しいのです。


本問では、旧法化の問題ということもあって、会社の適正化の側面について主に問う問題でしたが、今後は新会社法においてどのように改正されたかについて、もう一度会社の適正化と合理化について意識しながら勉強するようにしてください。


今回はこの辺りで終わりにします。




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財産引受けと現物出資  平成17年度 問題32の過去問分析 その2

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今回は、定款→金→人→登記→責任という5段階の手続きの流れを意識しつつ、会社の適正化と合理化という視点で、本問を解いていきます。


問題32を分析していきましょう。


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<定款>
定款記載事項と関連するイから見ていきましょう。


問題文の「発起人が会社の成立を条件として成立後の会社のために一定の営業用の財産を譲り受ける契約」とは、財産引受のことです。


財産引受けとは、上記の定義どおり「契約」ですから、取引行為です(会社法28条2号)。


なぜ、この財産引受けが定款に記載しないと効力が生じない変態設立事項であるのかおわかりでしょうか。


私的自治の原則からすれば、契約自由の原則の下、自由に取引できるはずです。


しかし、発起人が財産引受けの相手方から譲り受ける物を過大に評価して、市場取引価格に比べて会社が高く買い取ることで、会社の財産的基礎を危うくさせてしまうことがあるのです。


そこで、このような取引を防いで、設立したばかりの会社のしっかりした財産的基礎を維持するために、定款に記載させて会社の適正化を図っているのです。


財産引受けは、その対価として会社が金銭を支払うので、問題文にあるように、「譲渡の対象となる財産、その価格、譲渡人の氏名」を定款に記載する必要がありますが、株式を発行するわけではないので、「これに対して付与する株式の種類および数」を定款に記載または記録する必要はありません。


「株式の種類および数」を定款に記載または記録しなければならないのは、現物出資のときです。


この現物出資とは、文字通り、現金ではなく現物をもって出資することをいいます(28条1号)。


出資ですから、その対価として株式が発行されるのです。


この場合も、財産引受けと同様に、出資される現物を過大に評価して、株式を必要以上に発行することで、会社の財産的基礎を危うくさせてしまうことがあるのです。


そこで、このような出資を防いで、設立中の会社が、しっかりした財産的基礎を形成できるように、定款に記載させて会社の適正化を図っているのです。


財産引受けの対価=金銭 現物出資の対価=株式 というのがわかっていれば、イを間違えることはないでしょう。


イは、財産引受けの話なのに、株式という現物出資の記載事項と混同させていますね。


よって、イは誤りで、正解肢の一つです。



次に、上記の財産引受け及び現物出資と関連するアを見ていきましょう。


財産引受け及び現物出資の実際の価額が定款記載の価額と比べて著しく不足している場合、その責任は原則として発起人がとります(103条1項、52条)。


この責任とは、上記不足額を会社と連帯して発起人が補填する、不足額填補責任をいいます。


発起人とは、定款に発起人として署名した者をいいますが、本問のように、「定款に発起人として署名をしていない場合であっても、株式募集の文書において賛同者として氏名を掲げることを承諾した者」も発起人と同様の責任を負うのでしょうか。


定款に発起人として署名をしていない以上発起人ではありませんから、本来発起人の責任を負わなくてもよいはずです。


しかし、例えば、会社設立を餌に他人に出資させて、そのお金を使って悪いことをしようとしている者がいたとしましょう。


発起人として署名してしまえば、後々責任をとらされますから、署名は部下にさせておいて、黒幕である親玉が実際上発起人と同じような行動をしながらも責任逃れをしようとしていれば、このような黒幕にも責任を取らせるべきですね。


そこで、発起人以外も出資者となる募集設立の場合、株式募集の文書において賛同者として氏名を掲げることを承諾した者も擬似発起人として、発起人と同様の責任を負うのです(103条2項)。


よって、アは正しいのです。


次回続きをやります。


今回はここまでで終わります。




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会社の船出はしっかりかつスムーズに! 平成17年度 問題32の過去問分析 その1

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今回は会社の設立についての問題です。


会社の設立は、平成19年度の問題36でも出題されていますので、
本問でしっかり学んでいた方ならそれほど難しくなかったでしょう。



平成19年度の問題36の解説は、また2月以降に詳しくいたします。


なお、本問は、平成17年度の問題なので、まだ改正前の旧会社法からの出題でしたが、新会社法でもあまり改正の影響が少ない部分の出題です。


今年度から新会社法が適用された出題となっていますから、新会社法を前提として、
解説していきます。


問題32を分析していきましょう。


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会社の設立というのは、いわば社会という大海原に旅立つ新しい船を作ることと同じです。


大海原には、荒波も待ち受けていますから、ちょっとしたことで壊れて船員や関係者に危険にさらさないように頑丈な船を作る必要があります。


同じように、会社が設立されれば、株主や取引関係者など沢山の人が関わっていきますから、他者に迷惑がかからないように、会社の設立はしっかりと基礎を固めて慎重にしなければなりません。


反面、あらゆる困難を予測して、必要以上に頑丈な船を作ることに執着していては、いつまでたっても船を出航させることができません。


そのため、ある程度の基礎固めができたら、後は、航海しながら臨機応変に対処すればよいことから、スムーズに出航できるように、船を作る必要があります。


同じように、会社が設立されれば、雇用を生み、社会経済を潤滑にしますから、できるだけスムーズに沢山の会社を世に送り出すことも求められているのです。


このように、会社の設立はしっかりかつスムーズに行わなければならず、これを法律的にいうと、会社の適正化合理化のバランスを図るといいます。


なお、改正前の旧会社法は、慎重な設立という会社の適正化の側面を重要視していました。


例えば、株式会社の最低資本金を1000万円としており、株式の引受けや払い込みがなされない場合には、発起人等に引受、払込担保責任が課されていました。


しかし、社会の現実は、景気の低迷というものを抱えており、新しい雇用の促進を図れるようにベンチャー企業の台頭に期待をよせていました。


それゆえ、できるだけスムーズかつスピーディに会社設立ができる立法が望まれたのです。


そこで、新会社法では、設立手続きにおいても、会社の適正化を図りつつ合理化の側面も改正前より多く取り入れた立法がなされたのです。


例えば、上記の株式会社の最低資本金制度をなくし、出資すべき額またはその下限額を定めれば足りるとし、株式の引受けや払い込みがなされない場合には失権させ、発起人等の引受、払込担保責任を廃止したのです。


この会社の適正化と合理化という視点は、会社法で必ずでてきて、問題を解くヒントとなりますので、いつも意識しておいてください。


本問を解答する上で、まず設立手続きの流れを簡単に押えておきましょう。


定款の作成・認証(定款は、会社の根本規則で、船の設計図です。)

出資(設立時の株式発行等により、会社財産の基礎を形成する。資金集めです。)

取締役等の選任(設立後の会社経営者等を決めます。船長等の選任です。)

設立登記(登記がされて初めて法人格を付与されます。出国審査です。)

責任(発起人等の責任です。)
 
 
このように、会社の設立は、定款→金→人→登記→責任という5段階の手続きの流れを、まずは原則として押さえておきましょう。




この流れの順序で、次回、会社の適正化と合理化という視点で、本問を解いていきます。


今回はこの辺りで終わります。




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債権者取消権の効果 平成17年度 問題27の過去問分析のおまけ その6

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債権者代位権が原則として裁判外でも行使できるのに対して、債権者取消権は、なぜ常に裁判上で行使しなければならないか、考えてみましたか。

この辺は丸暗記されている方が多く、よく間違う箇所ですが、理由がわかればもう債権者代位権と間違うことはないので、この機会にやっておきます。

債権者取消権の趣旨も強制執行準備のための責任財産の保全です。

また取消権の行使自体は、例えば詐欺取消(民法96条)のように、裁判外でもできます。

では、なぜ債権者取消権は、常に裁判上で行使しなければならないのでしょうか?

その1でも解説しましたが、債権者代位権において、債権者が行使しているのは、あくまでも債務者の債権ですから、本来はその債権を行使するか否かは、私的自治の原則から債務者の自由に委ねられるのです。

債権者代位権は、そうした債務者の自由に債権者が干渉するものなのです。

同じように、債権者取消権も、債務者と受益者の法律関係に干渉していくものなのですが、
その干渉の程度が債権者代位権と大きく異なるのです。

つまり、債権者代位権は本来債務者が第三債務者に対してやるべき債権の行使を、債権者が代わって行使するだけなので、債務者および第三債務者に不利益はないのです。

これに対して、債権者取消権が行使されると、債権者との関係で、債務者と受益者の契約が取消されてしまうのです。

債務者と受益者との契約に何ら関係のない第三者たる債権者によって、債務者と受益者の契約が取消されてしまうわけですから、債務者と受益者が受ける不利益は大きのです。

このように、債権者取消権の行使は、契約の取消という債務者と受益者の法律関係の変動をもたらすもので、その干渉の度合いが大きく、多大な不利益を与えてしまうのです。

ですから、裁判所で公正かつ慎重に判断してもらう必要があるのです。

この行使の効果の違いが、債権者代位権と債権者取消権の行使方法の違いに現れているのです。

この違いの理由をしっかり押さえれば、裁判外か裁判上か間違うことはないでしょう。

もっとも、債権者代位権も裁判上で行使しなければならない例外があります。

それは、履行期に債権者代位権を行使する場合です(423条2項本文)。

例えば、履行期は1年後であるが、債務者の倒産が3ヵ月後であることがわかっていたとしましょう。

この場合、1年後には、もはや債権回収を図れませんから、履行期前でも債権者は何らかの手をうっておかなければなりません。

とはいっても、履行期が到来していないのに債権者代位権が行使できるとするのは、債務者にとって過度の干渉になりますので、裁判外で自由にさせるわけにもいきません。

そこで、公正中立に判断できる裁判所の許可を条件として、本来は履行を求めることができない時期であっても、債権者代位権の行使によって、債権回収の道を確保できるようにしてあるのです。

このように、履行期を待っていたのでは、債権回収の道が閉ざされるという場合に、例外的に裁判上の代位が必要とされているのです。

これも、債権者代位権が、民法の公平バランスを保つために、債務を弁済しようとしない債務者よりも債権者を保護しようとする制度だからなのです。

裁判上の代位をしなければならない場合はこれだけですので、しっかり理解しておいてください。

なお、それ以外の代位は、常に裁判外でしなければならないものではなく、慎重を期すために裁判上ですることもできるので、ご注意ください。

これに対して、保存行為は、例え履行期前でも原則どおり裁判外で行使できます(423条2項但書)。

例えば、代位債権が時効消滅してしまうのを防ぐために時効を中断することは、代位債権の状態を維持するだけのことですので、裁判所の判断を仰ぐまでもなく、債権者は裁判外で行使できるのです。

以上から、債権者代位権と債権者取消権の行使方法の違いがお分かりいただけたと思います。

債権者取消権そのものの詳細な解説は、平成12年度問題28で出題されていますので、その解説のときにしたいと思います。

今回はこの辺りで終わります。

 


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ウとエの解説 平成17年度 問題27の過去問分析 その5

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前回で債権者代位権の転用についてご理解いただけたと思います。

その理解に基づいて本問のウとエの解説をしていきましょう。

問題27を分析していきましょう。
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まず簡単なエからみていきましょう。

AB間では、Bの建物を賃借する契約を締結しているので、本来BはAに対して賃貸借契約に基づきその建物を引き渡さなければなりません。

しかし、まだその建物の引渡しが行われていない状態のもとで、Cが権原なく建物を占有してしまっています。

この場合、建物の所有者たるBはCに対して、建物の返還請求ができますが、それをせずに放置していれば、Aは建物を使用することができず賃貸借契約の目的を達成することができません。

そこで、AはBに対して有する賃借権を保全するために、債権者代位権を転用するのです。

Aの被保全債権たる賃借権は、金銭債権ではありませんが、自己の賃借権を保全する必要性があります。

また、賃借権は、特定の建物を利用する権利ですから、Bに他の金銭的な財産があったとしても、Aにとっては何も意味がないですから、Bの無資力は問題になりません。

それゆえ、債権者代位権を転用して、Aは賃借権の保全のために、Bに代位してCに対する建物の返還請求権を行使することができるのです。

なお、その他の要件については問題文に明示されていませんが、当然の前提としてあるものと考えてください。

そして、その3の行使方法で解説したとおり、建物をBのもとに返還しようとしても、Bが拒否すれば結局Aは建物を使用できませんから、Aは建物を直接自己に引渡しをすることができるのです。

よって、エは正しいのです。

 

次に、ウをやりましょう。

不動産がA→B→Cと順次売却された場合、CはBに対して、所有権移転登記請求権を有し、同様にBはAに対して、所有権移転登記請求権を有しています。

この状況下で、Dが原因証書等を偽造して、同一不動産につきA→Dの所有権移転登記を経由してしまったときは、登記を元の状態に戻すべくAはDに対して所有権移転登記の抹消請求をすることができます。

しかし、Aがその抹消請求を放置していれば、BもCも所有権移転登記をすることができません。

そこで、Aの直接の債権者BがAのDに対する所有権移転登記の抹消請求権を代位行使することが考えられます。

もっとも、すでに不動産をCに売ってしまったBにしてみれば、自己に所有権移転登記しようがしまいがあまり関係なく関心を持てないかもしれません。

そのため、Bは積極的に自己に所有権移転登記しようと、AのDに対する所有権移転登記の抹消請求権を代位行使しない場合もありえます。

そこで、不動産の現所有者で最も利害関係のあるCの所有権移転登記請求権を保護する必要性が高いのです。

そうすると、Cは、自己の所有権移転登記請求権を保全するために、本来BがやるべきAのDに対する所有権移転登記の抹消請求権の代位をさらに代位行使して、まず登記をいったんAに戻します。

その後、Cは、同様に自己の所有権移転登記請求権を保全するために、BのAに対する所有権移転登記請求権を代位行使して、Bに登記を移転させて、最後に自己に登記を移転させるという方法をとる必要があるのです。

このように債権者の債権回収の目的を達成するため、公平の観点から、債権者代位権をさらに代位するということも認められるのです。

よって、ウは正しいのです。

これで問題27の解説自体は終わりましたが、本来的な適用場面と転用事例についてはしっかりと理解しておいてください。

この債権者代位権と共に勉強する債権者取消権との比較において、よく間違う部分をお話したいと思います。

債権者代位権が原則として裁判外でも行使できるのに対して、債権者取消権は、なぜ常に裁判上で行使しなければならないのでしょうか?

次回までに考えてみてください。

今回はこの辺りで終わります。

 


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