初めての方は 「なぜこのタイトルになったのか」へ
New 合格ファームの合格率20%の記事は、合格率20%!! へ
New 2011年度合格者の声は、こちら へ
YOUTUBE動画は、以下からご覧になってください。
動画による講座案内
憲法第1回 動画解説講義(サンプル版)
教材PDFのアレンジ方法
できるだけ必要最小限の基本的知識で過去問の解説を試みております。
それには私なりの理由があるので、関心のある方は こちらへ どうぞ!
まぐまぐ(解説に対応する問題)は こちらから どうぞ!
New (お知らせ)
4月スタートコース(4月13日(金)から)を開始します。
全58回 受講料15,980円 入会金 10,000円
他のコースと回数は異なりますが、内容は全く同じです。
全58回で全70回分の講義を送信する7ヶ月速修コースです。
入会金は合格後に全額返金いたします。
詳細は、ホームページ(講座内容)
または、資料請求をお待ちしております。
(解説)
法定地上権を発生させるために、成立要件は以下の4つとなります。
(1) 抵当権設定当時、土地の上に建物が存在すること
(2) 土地・建物の一方または双方に抵当権が設定されたこと
(3) 抵当権設定当時、土地と建物の所有者が同一であること
(4) 抵当権実行により土地・建物の所有者が異なったこと
この要件に事例をあてはめて考えてみましょう。
肢1 誤
抵当権の設定当時に更地であったので、(1) 抵当権設定当時、土地の上に建物が存在すること の要件を満たしませんね。
ですから、法定地上権が成立しない点は、正しいです。
もっとも、「一括競売しなければならない」という点は誤りです。
一括競売するかどうかは、抵当権者の任意です。
「第389条
抵当権の設定後に抵当地に建物が築造されたときは、抵当権者は、土地とともにその建物を競売することができる。」
肢2 誤
乙抵当権設定時を基準に上記の要件を満たすかどうかを判断すると、全て満たしていますね。
ですから建物のために法定地上権は成立するのです。
なお、甲抵当権は、乙抵当権の実行時には弁済により消滅しているので考慮にいれなくてもよい点に注意しましょう。
肢3 誤
これは判例ですので少し難しかったかもしれません。
甲抵当権設定時を基準にすると、(3) 抵当権設定当時、土地と建物の所有者が同一であること の要件を満たしませんね。
ですから、法定地上権が成立しないとも思われます。
これに対して、乙抵当権設定時を基準に上記の要件を満たすかどうかを判断すると、全て満たしていますね。
この場合、どのように判断するかというと、抵当権の対象物が建物である点に着目するのです。
甲抵当権者にとっても、法定地上権が成立した方が建物を土地利用権付き建物として売却できるので、債権回収にとって有利となります。
買受人も法定地上権が成立しているならば、所有者から明渡請求をされることがないですから安心して買い受けることができます。
そのため、建物の場合は、二番抵当権設定時において法定地上権の成立要件を満たせば、一番抵当権を実行しても法定地上権は成立するのです。
これに対して、抵当権の対象物が土地であった場合は、結論が逆になります。
一番抵当権者は更地として担保価値を把握しているので、法定地上権が成立すると一番抵当権者を害するのです。
ですから、土地の場合は、二番抵当権設定時において法定地上権の成立要件を満たしても、一番抵当権設定時にその要件を満たしていない以上原則どおり、法定地上権は成立しないのです。
肢4 正
建物が滅失しているので、抵当権実行時には設定当時の建物がなく、 (4) 抵当権実行により土地・建物の所有者が異なったこと の要件を満たしませんね。
原則どおり考えれば、法定地上権は成立しないはずです。
ただし、建物が再築されているのでこの場合どのように判断すべきでしょうか。
これも判例ですので少し難しかったかもしれません。
判例(最判平成9年2月14日)では、
「建物が取り壊されたときは土地について法定地上権の制約のない更地としての担保価値を把握しようとするのが、抵当権設定当事者の合理的意思である・・・」
としています。
したがって、再築されたからといって法定地上権が成立するわけではないのです。
結論としては、要件を満たさず、原則どおり考えれば正解を導くことができたでしょう。
なお、問題文にあるとおり、判例は、
「所有者が土地及び地上建物に共同抵当権を設定した後、右建物が取り壊され、右土地上に新たに建物が建築された場合には、新建物の所有者が土地の所有者と同一であり、かつ、新建物が建築された時点での土地の抵当権者が新建物について土地の抵当権と同順位の共同抵当権の設定を受けたとき等特段の事情のない限り、新建物のために法定地上権は成立しないと解するのが相当である。」
と、特段の事情がある場合は、新建物について法定地上権が例外的に成立すると判示しているので合わせて押さえておきましょう。
肢5 誤
建物共有の場合は、法定地上権が成立する方が抵当権者にとっても利益となりますね。
ですから、建物共有の場合は、法定地上権が成立するのです。
このように法定地上権が成立すると、抵当権者にとって利益となり、また建物の所有者にとっても不利益とならない場合に、法的地上権が成立するのです。
以上より、解答は 4 となります。


